日本はこれを食べちゃうの!?外国人がショックを受けた日本の当たり前
法律で「生卵」が禁止されているところも
宗教上の問題ではなく健康上の問題から、外食産業における生卵の提供を禁止する国(地域)もあります。アメリカが代表例で、ニュージャージー州など州によっては外食での生卵の提供を禁止する法律もあります。
<そもそも生卵を食べるという習慣は、世界でも珍しい食文化です>(農林水産省のホームページより引用)
1992年に集中的に報道されている現地のニュースを読むと、ニュージャージー州では半熟の卵もレストランでの提供が禁じられました。
卵の半熟を英語で「runny yolks」といいます。「yolk」が「黄身」で「runny」は「とろりとした」といった意味。
どうしてアメリカでは生卵や半熟卵の提供が禁止されているのでしょうか?その理由は、サルモネラ菌で汚染された卵による食中毒リスクが高まるからですね。
「卵を生で食べる文化がないから、いまだに食べることに抵抗があります。以前、蕎麦を注文したときに上に生卵が乗っていて、食中毒にならないかとヒヤッとしました…。もちろんお腹は壊しませんでした!」(ペルー出身)
「日本では生卵を焼かずに食べるという文化にびっくり。友人に卵かけご飯をすすめられたときは、正直『お腹を壊しそう…』って思いました。でも食べてみると意外と美味しくて、それからは食べられるようになりました」(トルコ出身)
米国農務省からも、火を十分に通していない卵、または生卵を含んだ食品を家庭内でも食べないようにと指導が出されています。サルモネラ菌とは、
<ヒトに急性胃腸炎(食中毒)を起こす腸炎菌>(岩波書店『広辞苑』より引用)
などを含む棒状、または円筒状の細菌です。鶏でいえば腸の中に生息しています。
日本の生産現場では、食中毒菌の侵入やまん延を防ぐ対策が徹底的に行われているので卵への安心感も違います。何の疑いもなく「卵かけご飯」を楽しんでいるはず。
一方のアメリカでは、卵に限らず全体的な食中毒リスクが日本よりも高いので、生卵も自然に避けられる傾向があるのですね。
20年以上古い情報(1992年~1997年)ですが、当時のアメリカにおける食中毒患者は年間7,600万人も確認されています。そのうち32万人近くが入院しました。
同時代の日本では食中毒患者数が2万4,000人程度にとどまっています。
直近だと、だいたい4,800万人がアメリカで年間に食中毒になり、12万人程度が入院したと確認されています。
日本は変わらず少なくて、年間1万4,000人程度でした。アメリカ人の人口は3億2,000万人くらい。日本の人口は1億2,000万人くらい。人口の差を考えても食中毒リスクの違いは明らかですよね。
知人のアメリカ人に聞いてみても「基本的に生卵は食べない」との返答がありました。小さい子どもに与える際には特に注意するみたいです。
養鶏場の環境問題、鶏の命に対する軽視、レバーの廃棄問題を指摘する声ももちろんありますが、少なくとも食中毒予防という面に限っていえば、日本は優れた卵王国なのです。