憧れの「オーロラ」を見に、筆者が出かけたのは、カナダにある「イエローナイフ」という小さな街。ここではなんと観測率95%を誇る、世界屈指のオーロラの聖地なのです。
前回は出発前に必要な準備、注意点などをご紹介しましたが、今回は現地でのリアルなオーロラ鑑賞をリポート。一生に一度は見たい、神秘的なオーロラの美しさをご紹介していきましょう。
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- >>>神秘のオーロラ鑑賞へ。観測率95%を誇る、カナダ「イエローナイフ」への旅
※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの海外渡航・入国情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
「オーロラビレッジ」でのオーロラ鑑賞
夜9時ごろ、イエローナイフで開催される現地ツアー「オーロラビレッジ」のバスが、各ホテルまで迎えに来てくれました。さていよいよ出発です。
ちなみに筆者が訪れたとき、日本人は日本人のバスと決まっていて、バス内での説明もすべて日本語で行われました。
バスに揺られること約30分。オーロラビレッジに到着です。オーロラビレッジ内はとても広く、いくつものティーピーと呼ばれるテントがはられています。
それぞれに番号がふられており、決められたティーピー内に荷物などを置いて出発。説明もとても丁寧で分かりやすく、広いビレッジ内でも迷うことはありません。
外はマイナス20度ほどになっていましたが、ティーピー内はとても暖かく、飲み物も用意されています。
ずっと外にいると寒すぎて、厚着をしていても手足がかじかんでくるので、ときどきティーピーに戻りながらオーロラを待ちます。ティーピーの中にはそれぞれ大きな薪ストーブが!
この日はあいにくの曇り空。うっすらと星が見える程度ですが、イエローナイフは高い山がなく、雲が流れやすいため天気が変わりやすいのが特徴。いつ見えても不思議ではありません。
オーロラを待っている間にも寒さを利用したアイスショーが行われていたり、ギフトショップがあったりと楽しく過ごせます。
今回、筆者がレンタルしたカメラの三脚やカメラの設定なども、こちらのギフトショップで行ってくれました。
ギフトショップでは定番のメープルシロップやクッキーなどのお土産物から、おしゃれなオリジナルの雑貨類の販売も。
広いオーロラビレッジ内は冬場は凍結している大きな湖のほかに、自然の地形を活かした丘がいくつもあります。無料で登ることができるところもあり、ベンチなども用意されているので探検気分で登ってみました。
見晴らしが良い森の中で雰囲気は抜群なのですが、残念ながらこの日はオーロラが現れず…。オーロラビレッジでは延長も受け付けてくれますが、この日は雲が厚くなってきたため私は参加を断念。夜12時ごろにオーロラ旅の1日目が終了しました。
残念ですが仕方ありません。明日こそ!の願いを込めて、この日は早めに就寝しました。
イエローナイフでのお昼の過ごし方
2日目がスタート。お昼間はイエローナイフの市内散策と、ベックスケンネルの犬ぞりツアーに出かけました。
夜のオーロラツアーが旅のメインではあるものの、こうしたアクティビティもそろっているのがイエローナイフの魅力です。
おしゃれなシティホールで「北緯60度到達証明書」と、かわいいピンバッジを無料でいただけたり、定番の電光掲示板で写真を撮影したり…。小さな街ならではの楽しみ方ができます。
なんといっても犬ぞりツアーも迫力満点!私が体験したのは「トラディショナル」と呼ばれる、昔ながらの犬ぞりです。
大きな船のようなソリに5〜6人が乗車するもの。犬たちは寒いので早く走りたいのだそうで、掛け声とともにすごいスピードで凍った湖の上を雪を蹴飛ばしながら走って行きます。
犬ぞりのワンちゃんたちは、「アラスカン・ハスキー」という犬種。日本で出会うことはなかなかありませんね。人懐っこく、それでいて凛とした雰囲気でとてもかっこいいワンちゃんたちでした。
イエローナイフを散策していると、現地のかたから「オーロラを見に来たの?」と声をかけられることがとても多かったです。
「今日は晴れているから、絶対に良いオーロラが出るよ!」といってくれるかたにも出会え、期待が膨らみました。治安も良く、気温は寒いけれど住んでいるかたはとても温かい、そんな印象の街でした。
とうとうオーロラが現れる!?
2日目の夜は「ベックスケンネルのオーロラツアーズ」に参加しました。オーロラビレッジよりも少し遅く、夜10時ごろにホテルに迎えのバスがやってきます。
この日は少し小さめのバスでした。ベックスケンネルのツアーではいくつかのロッジが用意されているようで、2日目と3日目は違うロッジへ。
2日目は深い山の中。凍った湖の辺りにあるロッジでオーロラを待つことになりました。
この日は本当に天気がよく、市街地から離れた鑑賞場所に到着すると満天の星空が!三脚にカメラを設置してロッジの外でしばらく待っていると、雲とは違う直線の白い筋が…。空に向けてシャッターを切ってみます。
出てる!うっすらと、それでもオーロラです!!
わー、すごーい!としばらく眺めていると、そのオーロラはみるみる大きくなっていきます。慌ててロッジに入り、一緒に参加した人たちに「オーロラ出てる!」と声をかけみんなで鑑賞。
ベックスケンネルでは、ガイドさんが参加者とオーロラの写真を撮影してくれるため、ガイドさんも三脚を持ってスタンバイします。
その間もオーロラはどんどん大きくなり、最初は薄い筋だったものが広がってはっきりと色も見えてきました。
ガイドさんが「動くかも…」といったすぐ直後、大きく広がったオーロラが突然さらに大きくなり、カーテンのようにユラユラと揺れ動き始めました。
最初は空に浮かぶ大きな筋だったものが、揺れながら解けるように一面に広がって行きます。
主に緑色、ところどころに赤色や薄い紫色などさまざまな色が現れては消えて行きます。一生に一度は絶対に見たいと思っていた光景が目の前に!
360度に広がったオーロラは、しばらく消えることなく動き続けました。これがオーロラのダンス「ブレイクアップ」と呼ばれる現象です。ブレイクアップに出会えるのは、シーズン中でもほんの数回だとガイドさんが教えてくれました。
あまりの迫力と美しさに空を眺めながら涙が出るほど。気温はマイナス20度を下回っていましたが、寒さよりも感動の方が大きかったです。
オーロラをバックに写真を撮影してもらい、雪の上に寝転がって空を眺めるというこれ以上無い幸せな時間を過ごします。
寒くなったらロッジに温かい飲み物とスープやパンなどが用意されているので一休み。ロッジがすぐ側にあるのも嬉しいポイントですね。
ブレイクアップ後もしばらく空に出ていたオーロラですが、ゆっくりと星空に溶けて行きました。この日は本当に当たりの日だったようで、この後も何度も現れては消え、現れては消えを繰り返していました。
ガイドさんが撮影してくれた写真はベックスケンネルのフェイスブックページから無料でダウンロード可能。本当に素敵な旅の思い出になりますよ。
3日目は空は晴れており、オーロラは出ているものの2日目のようなブレイクアップは見られませんでした。
やはりオーロラが出ていることとブレイクアップという現象はイコールではないようです。それでも十分に美しいのでブレイクアップに出会えなくても大満足の旅になること間違いありません。
3日間のオーロラ鑑賞の旅を終えて、イエローナイフとはさよならです。ブレイクアップに出会えた幸運を噛みしめながら、また必ずここに来たいと強く思いました。
日本では決して見ることのできない奇跡の夜空。カナダのイエローナイフへの旅にあなたも出かけてみませんか?
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