日本の桜は美しく、世界中から観光客が訪れます。日本人にとって「お花見」とは、ただ美しい桜を眺めるだけではありません。
お茶やお菓子をいただきながら、夜桜の下でお酒を飲みながらといった、人によってさまざまな楽しみ方があるでしょう。
海外でも春に桜が咲き、その桜を楽しむ習慣はあります。ただ、日本のお花見とは違う点が多々。
今回は中国・西安で2019(平成31)年春、この目で見たお花見で、「日本とお花見とぜんぜん違う!」と感じた体験の数々を紹介します。
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弘法大師空海が留学したお寺に咲く桜を見に、中国人が殺到!
中国・陝西省の省都、西安。古くは長安と呼ばれ、紀元前11世紀から約2,000年もの間、古代中国13王朝の都として栄えました。
日本の平城京、平安京などは長安の都を模して造られたとされ、シルクロードの東の起点でもあります。「兵馬俑」や「大雁塔」などの世界遺産も有名です。
西安のお花見スポットのひとつが「青龍寺」です。この寺、実は真言宗を開いた弘法大師空海が留学した場所。
日本とゆかりある青龍寺には、日本人や仏教協会から寄付された桜の木があり、毎年3月から4月にかけて咲きます。西安市民をはじめ、遠方からも多くの人々訪れるとのこと。
青龍寺では毎年春に「桜まつり」が開催されると聞き、現地へ行ってきました。最寄りの地下鉄青龍寺駅を降りた途端、すでに人・人・人の大混雑。
地下出口をなんとか出たと思ったら、今度は車、バス、ミニバイク、そして花見客、さらに商売人たちでごった返していました。
寺までの参道、その両側に露店が隙間なくギッシリと立ち並び、大晦日か元旦かと思うほど人がひしめき合っていました。
寺に行く人と寺から帰る人、人の流れがまったく整備されておらず、参道で人同士がまさに押し合いへし合い。
とにかくスリに最警戒しつつ、なんとか寺の門前にたどり着いた時にはすでに相当の体力を消耗していました。
しかしここからも難関。寺の敷地内は入場無料ながら、境内に入るのに身分証明書と引き換えて渡される紙の入場券が必要でした。
窓口に並ぼうとするにも、ここは中国、順番はあってないようなもの。
我先にと前へ行こうとする中国人に負けじと、必死に前へ前へと進み、窓口では日本のパスポートを提示するとあっさり入場券をくれました。