生き方を見返すきっかけにも。全国の「地獄」を体験できる寺院5選

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六道珍皇寺/京都府

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かつて、平安京の東の墓所がありました。その墓所に至る道筋に建つ「六道珍皇寺(ろくどうちんのうじ)」は、遺骸を火葬場・埋葬場まで見送る(野辺送りする)場所でもあったといいます。

この世とあの世の境界・接点が、要するに、六道珍皇寺の境内あたりでした。因果応報により死後の人が流転する六道(6種類の冥界)の分岐点として、この珍しいお寺の名前が付いたみたいです。

六道珍皇寺の場合は、全興寺や正観寺のような分かりやすい「地獄」再現スポットが境内にあるわけではありません。

しかし、あの世への入り口(境界)を示す「六道の辻」の石碑、冥土の通い道と考えられている「冥途通いの井戸」、「閻魔大王木座像」、この世に戻るための「黄泉がえり之井戸」などが境内にあります。

「小野篁冥土通いの井戸」(入口、左奥)image by:663highland, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

知る人ぞ知る、ミステリースポットに寺全体がなっているわけです。冥土からお盆に精霊を迎える「六道まいり」の行事、冥土まで響くと言われる「迎え鐘」、お土産に買いたい「幽霊子育飴」など、他にも見どころはたくさん。

京都旅行の際、特に祇園や清水寺など東山区に足を運ぶ際には、足を運んでおきたいですね。

  • 六道珍皇寺
  • 京都市東山区大和大路通四条下ル4丁目小松町595
  • 公式サイト

大本山 成田山 久留米分院 明王寺/福岡県

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次は、福岡県の南西部、久留米市にある「大本山 成田山 久留米分院 明王寺」の「地獄館」です。これまでに紹介してきた寺院と同じく、立体空間で「地獄」を体験させてくれるスポット。

館内には、上述した八大地獄が再現され、現世でどのような罪を犯したかによって、送り込まれる地獄が異なると理解できます。

例えば、現世で動物を虐待した罪人が堕ちる叫喚地獄(畜生地獄)や、現世で人のものを略奪し、己の欲望を満たした罪人が堕ちる大熱地獄(釜ゆで地獄)など。

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これだけ「八大地獄」を体験できるスポットについて書いていると、なんだか本当に地獄があるように感じられてきました。

その意味でいうと、この記事に書かれた地獄めぐりを人生の節目で実践すれば、己の生き方に深い反省が生まれるかもしれませんね。

  • 大本山 成田山 久留米分院 明王寺「地獄館」
  • 福岡県久留米市上津町1386-22
  • 公式サイト

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