山形県鶴岡市にある「出羽三山(でわさんざん)」。「西の伊勢参り、東の奥参り」と呼ばれ、あのお伊勢参りと並び江戸時代には人々の憧れの場所となっていた聖地です。
江戸時代にすでに行われていた出羽三山参りは、現在も日本屈指のパワースポットとして知られています。この上なく神聖な出羽三山へ、生まれ変わりの旅へと出かけてみましょう。
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山形県の「出羽三山」とは?
山形県鶴岡市にある「羽黒山(はぐろさん)」、「月山(がっさん)」、「湯殿山(ゆどのさん)」の3つの霊山の総称を「出羽三山」と呼びます。
それぞれの山の頂上には神社がご鎮座しており、すべての神社をめぐることを「出羽三山参り」と呼び、神聖視されてきました。
天皇家と関わりのある山
江戸時代にはすでに存在していた出羽三山を開いたのは、崇峻天皇(すしゅんてんのう)の息子である蜂子皇子(はちこおうじ)だとされています。皇族である蜂子皇子は都での権力闘争に破れ、東北地方へと逃げたとされています。
その際、足が3本ある八咫烏(やたがらす)に導かれ、出羽三山へ辿り着きこの場で修行した、という伝説が。
伝説の範疇は出ないものの、皇族が開いた霊山ということで昔から厚い信仰を集めてきたのが出羽三山なのです。
「生まれ変わりの山」といわれている
江戸時代に出羽三山参りをすることは「生まれ変わりの旅」といわれていました。日本各地に山岳信仰は残されていますが、「生まれ変わり」というキーワードで語られるのは、この出羽三山だけです。
「生まれ変わりの旅」と呼ばれるようになったのは3つの山が現在・過去・未来を表しているという考え方が根付いたことに由来します。輪廻転生を信じる仏教と日本独自の山岳信仰が合わさった特別な信仰が残されているのです。
「出羽三山参り」の正式なルートは?
出羽三山参りの正式な順番は、まず羽黒山、次に月山、最後に湯殿山です。この順番は以下のような理由があります。
- ・羽黒山が「現世の幸せを祈る山」(現在)
- ・月山が「死後の安楽と往生を祈る山」(過去)
- ・湯殿山が「生まれ変わりの祈る山」(未来)
現在→過去→未来と参拝するのが正しいルート。どの山も山頂に神社がご鎮座しているため、登山が必要となります。自分の足で苦労して歩く覚悟がある方だけが詣でることができるというのも神秘的ですよね。