正しいのは関西弁?地域によって意味が真逆になる言葉をまとめてみた

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普段何気なく使っている言葉が、地域によっては「意味が真逆」になってしまうケースもあるとご存じでしたか?

「標準語」といわれる東京周辺の言葉を普段から使っている人からすると、とくに驚いてしまう話だと思います。そこで今回は、数年前に話題になった単語から、イントネーションの違いで意味が入れ替わってしまう言葉まで、いくつか実例を集めてみました。

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「スコップ」と「シャベル」

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最初は、数年前に話題になった話、「スコップ」と「シャベル」です。関東を中心とした東日本で生まれ育った人からすると、土砂・石炭・雪などをすくったり掘り起こしたりする際に用いる、大きなさじ状の道具を「スコップ」と呼ぶのではないでしょうか。

一方で、園芸用・砂遊び用で小型のさじ状の道具を「シャベル(ショベル)」と呼ぶと思います。

しかしこの定義は、関西を中心とした西日本だと真逆になるとご存じでしたでしょうか。東日本と西日本の境界線が入り混じる北陸では、使い方がごちゃごちゃになっていると、テレビ金沢などが報じています。

もともと「スコップ」はオランダ語「シャベル」は英語です。論文「類義語の混乱 : 『シャベル』と『スコップ』の昭和史」によると、外来語として幕末には入ってきたと考えられるこれらの言葉は、昭和の10年代になると国語辞典に対等に掲載されるようになったそう。

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入ってきて間もないころは、2つの言葉に大きな違いがなかったとの話。

1893(明治26)年に起業し、日本で初めてシャベル・スコップを販売した浅香工業によると、穴を掘る用途を主とするために足踏みがあり先もとがったさじ状の道具を「シャブル(シャベル)」と呼び、すくう作業に主に使うさじ状の道具を「スコップ」と呼んで販売したそう。

JIS規格の定義も同様です。どちらもサイズの問題ではなく、その形状によって違いを整理しています。要するに、業務用の世界では、大きい・小さいによる違いを論じていないのですね。


業務用の定義と一般向けの定義は違う?

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土木や工事現場などシャベル・スコップを業務で使うプロの世界での違いを紹介しましたが、一般の人たちにとっての定義、言い換えれば辞書や百科事典ではどのような説明が加えられているのでしょうか。

小学館『大辞泉』に詳しいのでシャベルの解説を引用すると、

<土砂・石炭・雪などをすくったり掘り起こしたりするのに用いる、さじ状の道具>(『大辞泉』より引用)

とあります。スコップについては一方で、

<小型のシャベル>(『大辞泉』より引用)

と書かれています。大きい方が「シャベル」で、小さい方が「スコップ」なのですね。いわば、関西を中心とした西日本の言葉遣いが正しいのかもしれません。

確かに、雪かきの方法を紹介した自衛隊動画でも「シャベル」が大きいさじを表現する言葉として使われていました。地面を掘るショベルカー(shovel car)も、いわれてみれば大型の「シャベル(shovel)」を使っています。

別の仕事で一緒になったアメリカ人翻訳家に聞くと、「先のとがった金属の頭部(すくい部)× 長い柄」=「shovel」と英語での定義を教えてくれました。

整理すると、業務用の定義でいえば、シャベル(土などを掘る)とスコップ(石炭などをすくう)の違いは大きさの問題ではなく用途の違いになっていました。

一方、一般の定義でいえば、大きい方がシャベル、小さい方がスコップになるのですね。にもかかわらず、

<東日本では大型のものをスコップ、小型のものをシャベル>(『大辞泉』より引用)

と呼ぶ習慣の違いがあるみたいです。

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