正しいのは関西弁?地域によって意味が真逆になる言葉をまとめてみた
「カマキリ」と「トカゲ」
「カマキリ」といわれると、虫を思い浮かべると思います。「トカゲ」といわれると、は虫類を思い浮かべる人がほとんどだと思います。
しかし、このなじみ深い2つの言葉を、真逆の意味で使っている(かつて使っていた)地域があるとご存じでしたでしょうか。
岡部敬史編著『ちがいがわかるとおもしろい!東日本と西日本(3)スコップとシャベル大きいのはどっち?-ことば・あそび-』(汐文社)を読んだ時に筆者も初めて知りました。
小学館『日本国語大辞典』で真偽のほどを調べると、そのとおりの記述が確かに書かれています。
あくまでも最近まで使われていた、ご高齢の方々であれば使っている可能性があるといったレベルの話ですが、「カマキリ」を「トカゲ」の意味で使い、「トカゲ」を「カマキリ」の意味で使う方言の使用例が、日本には存在しました。
しかも、東京都の多摩地方や埼玉県、山梨県の一部、いわば秩父多摩甲斐国立公園を中心とした周辺部では、「カマキリ」と「トカゲ」を意味する言葉が真逆になっている状況もあるとの話。
埼玉県で筆者は育ち、生まれは東京都の北多摩北部エリアです。残念ながら、この使用例を一度も耳にした記憶がありません。
しかし「トカゲ」の方言として「虫・カマキリ」を意味する使用例が、東京都西多摩郡、八王子、埼玉県入間郡で確認されているみたいです。筆者が知らないだけで、本当にあるのかもしれませんね。
「バカ」と「アホ」
「バカ」と「アホ」、いわれて傷つく、ムッとする言葉は皆さんにとってどちらですか?どちらもひどい言葉ですが、関東出身の筆者は個人的に「バカ」の方がちょっと柔らかい印象を受ける気がします。
「もう、バカ〜」といった感じで、仲の良い人同士で冗談をいい合うときにも使うイメージがあるからです。「アホ」は逆に、文字どおりといった感じで、誰かの悪口を本気でいうときに使う気もします。
しかし、この印象が真逆の地域もあるようです。『Jタウンネット』が2019年に行ったユニークな調査によると、「アホ」よりも「バカ」といわれた方が嫌だと感じる人が、全体の75.6%を占めていました。
そしてより詳しく見ていくと、西日本よりも「アホ」の方が嫌だと感じる人は東日本では多いと示されています。要するに、どちらも嫌な言葉である点には変わりがないものの、東日本では「アホ」をよりひどい言葉として認識する人が、西日本よりも多いと分かります。
むしろ、知人の関西人に聞くと「アホ」は誉め言葉だとの極端な意見もありました。「アホやな」をほめ言葉として使うという事例もTwitter上などで見られます。面白い違いですね。