老舗手ぬぐい屋「永楽屋」の歴史とアートが集結!細辻伊兵衛美術館へ行ってきました

現当主・14代細辻伊兵衛氏によるオリジナリティ溢れる作品たち

2Fミュージアムには、現代美術作家とのコラボ作品や、過去に発表した14代細辻伊兵衛氏の渾身の作品など、独創性に溢れた作品もズラリと展示されていて見応えバツグン(1F、2Fともにミュージアムスペースの展示内容は期間ごとに変更。一部継続のものもアリ)。

数々の現代アーティストとのコラボ作品

2020年の「14世細辻伊兵衛手ぬぐいアート展」で「祇園祭」をテーマに、現代アート作家・森内敬子氏(※)が長刀鉾を描いた作品を手ぬぐいサイズにアレンジし、忠実に染色で再現しています。

※森内敬子……“GUTAI”として国際的にも高い評価を受けていた「具体美術協会」のラストメンバーで、チューブから直接出した絵の具で描いていくという特殊な手法を用いるアーティスト。

こちらは、細辻伊兵衛美術館のロゴの原画。文字や紙、本を素材とした作品を制作しているアーティスト・立花文穂氏の作品です。入館チケットの手ぬぐいは、この原画に基づいて忠実に染色されています。

今は無き山鉾も!数々の祇園祭作品群

取材時は、ちょうど祇園祭の時期だったこともあり、祇園祭に関わる展示も数多く見ることができました。

日本史の授業でしか聞いたことのない「応仁の乱」の、まさに「応仁(1467年〜1469年)」の時代、今は無き昔の山と鉾も含めてプロットした祇園祭の山鉾マップ。こちらの作品、実は風呂敷なんです!!

今もあるものについては手描きで金に塗り、美術館の所在地で建てられる役行者山(えんのぎょうじゃやま)には大きく金色が施されています。

長尺手ぬぐい「長刀鉾」は、祇園祭の長刀鉾の、長刀部分から御稚児さんの上の屋根を飾る鯱までのおよそ14mを原寸で染色した手ぬぐい生地に、高島ちぢみを施した作品。スペースの関係で全部を伸ばしてはいませんが、全長14mもあるスーパーロング手ぬぐいです。

「手ぬぐいの長さは通常90cm。そもそもこんなに長い手ぬぐいは無い。さらに、これを染めるのは至難の技。職人と協力して制作しました」と伊兵衛さん。

2017年「14世細辻伊兵衛手ぬぐいアート展」で初めて発表された作品。木綿ではなく絹で作った、祇園祭に関連する手ぬぐいを使用して仕立てた屏風です。

2Fのミュージアムは祇園祭終了以降、一部を除いて祇園祭関連作品は他の展示作品に変わるそうです。こちら、見ることができてラッキーでした!!

細辻伊兵衛さんの個性的な衣装も

目を引くこちらの衣装は「14世細辻伊兵衛手ぬぐいアート展」の際に伊兵衛さんが着用した衣装です。

いつもサングラスやメガネをかけている伊兵衛さんですが、実は視力は良いのだそう。自らがアイコニックな存在になろうというセルフプロデュースで、これもブランディングの一環なのですね。

信長公が虎好きだったということで、背面には虎をデザイン。衣装デザイナーはあのNHK紅白歌合戦で小林〇子さんの衣装をデザインしていた方だとか……。一部手ぬぐいも使用しているそうで、この衣装を着こなせるのが伊兵衛さん。やっぱり只者ではありません。

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