栃木県の「いろは坂」や、沖縄県と鹿児島県を結ぶ「国道58号線」など、日本にも特徴的な道路がいくつもありますが、世界にはもっとユニークな道路がいっぱいあります。
そこで今回は、アジアから南米に至るまで、びっくり仰天な特徴を持つ世界各国の道路を紹介していきましょう。
※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの海外渡航・入国情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
郭亮トンネル/中国
最初は、中国の道路から。中国名で「郭亮洞」、英語名で「Guoliang Tunnel」、日本語でいえば「郭亮(かくりょう)トンネル」ですが、この道はすさまじいです。
別名で「絶壁の回廊」とも呼ばれていて、崖の頂上にある小さな村と外の世界を結ぶために、村人の手によって、垂直の絶壁にトンネル道が掘り抜かれました。
中国日報によると、河南省にあるタイハン山脈のがけに郭亮洞はあるそう。1972年にこの道路が開通する前は、人口300人ちょっとしかない村人の存在を、ほとんど誰も知らなかったのだとか。
それ以前は、宋時代につくられた720段の狭い階段の通り道しか存在しなかったそうで、日常生活もままならない状態でした。
しかし、村の高官がトンネル工事を決断し、完成した通りが村人の暮らしを一変させたのです。
いまでは観光名所になり、新型コロナウイルス感染症の影響がでる前は、年間140万人近くが国内外から集まってくるようになったと中国日報も報じています。
リングロード/アイスランドとオーストラリア
世界には国道1号線が環状になっていて、国土をぐるりと取り囲んでいるケースもあります。代表例はアイスランドとオーストラリアで、それぞれが英名で「The Ring Road(リングロード)」と呼ばれています。
日本でいえば、東京から出発して本州の海岸線をぐるっと1周、同じ国道が結んでいるような状況です。
そもそもアイスランドの国土は、約10.3万平方kmの広さがあります。日本の外務省によると、北海道よりもやや広いくらいなのだとか。
国土の中心にはラング氷河、ホーフス氷河、火山などが広がっているため、首都のレイキャビックを始め、都市は国土の外縁部に点在しています。その点在する都市を結ぶように、約1,332kmの国道がぐるっと繋がっているのです。
日本で環状道路といえば、「首都圏3環状道路」があります。横浜・八王子・川越・つくば・成田などを結ぶ最も外側の圏央道ですら総延長距離は約300km程度です。アイスランドの「リングロード」の壮大さがよくわかりますよね。
同じく「リングロード」と呼ばれるオーストラリアのルート1号線は、もっとすごいです。最短でも約1万5,000kmある道路で、どれだけ急いでも1周するために14日間の自動車旅行を強いられるのだとか。世界には、このようにすさまじい環状線が存在するのです。