偽札、スマホ普及…なぜ中国で急速に「キャッシュレス」が普及したのか?

image by:YueStock/Shutterstock.com

日本は「●●ペイ」が多すぎる!? 地方でいまだ「Suica」が使えないことも

一方、日本ではまだまだ現金支払いが主流。これは中国に限らず、ほかの世界の諸外国も、新型コロナウイルスの感染拡大を機に、一気にキャッシュレス決済が普及したのと対照的です。

とある国のカフェでは、レジ横に「NO CASH」と貼られていたため、クレジットカードで支払いました。

中国・深セン、果物市場にもQRコード。image by:YueStock/Shutterstock.com

中国との大きな違いでは、キャッシュレス決済における選択肢の多さも、日本での普及遅れの原因でしょう。

日本では「●●ペイ」が多すぎ、店舗などはそれぞれの支払いに対応を求められるため、面倒くさいのもあって「現金で」となると考えられます。

中国は「アリペイ」「WeChat Pay」、主にたった2つ。しかも、日本では決済手数料の高さもネックで、現金主義が多い要因の1つです。

上海の交通カード。image by:Kutsyi Viktor/Shutterstock.com

交通機関での支払いも、中国の交通カード基本的に都市ごとに1種類のみ。日本では首都圏でも「Suica」「Pasmo」とあり、全国だと膨大な数に。

しかも、日本ではいまだに交通系ICカードが使えない地方の路線バスなども少なからず存在します。


日本人旅行者が中国でモバイル決済を利用するには?

中国に旅行するなら、偽札のリスクがある現金より、自分のスマホで使えるキャッシュレス決済のほうが安心で、いちいち両替する手間も省けます。

しかし、日本人旅行者にとって「アリペイは中国国内の銀行口座がないと使えない」など、これまで不便がありました。現在も基本的に中国国内の銀行口座があることが利用の前提です。

中国2大モバイル決済のアプリ。image by:Tada Images/Shutterstock.com

しかし近年アリペイは、日本のクレジットカードから残高チャージが可能となりました。ただ、「Tour Pass」経由で支払うためにチャージ金額ごとに手数料が必要、クレジットカードからのチャージなので海外事務手数料、為替手数料なども追加でかかります。

しかも、中国本土での利用に限られ、日本の店舗で決済対応していても日本人は利用できません。

中国のモバイル決済は手数料を支払ってもメリットは大きい

日本でアリペイを登録してチャージすると、手数料がもろもろ7%ほど取られます。1万円分だと700円が手数料と考えると、けっこう高いなと感じるでしょう。

中国・深センのモバイル決済対応の表示(2018年)。image by:StreetVJ/Shutterstock.com

ただ、中国で明らかに嫌がられ、どこでも不便な現金決済の必要がないというメリットは大きいです。

数日滞在、しかもコンビニなど自分でよく決済する人なら、心理的な面も含めて「元が取れる」と言えます。一方、ツアーで中国本土へ行く人だと、特に必要ないかもしれません。

中国のクレジットカードといえば「銀聯」カードだったが…。image by:Antonio Baccardi/Shutterstock.com

ちなみに、日本のクレジットカードは欧米や韓国、シンガポールなど世界の主要国でそのまま利用できます。しかし、中国の場合、中小店舗などはVISAやMastercardなどが利用できないことが多々あります。

中国のクレジットカードといえば「銀聯カード」ですが、これもいまやアリペイとWeChat Payの勢いに追いやられた感があります。

どんどん進む中国でのキャッシュレス化。今の日本から中国へ行くと、その格差を実感するでしょう。

  • image by:YueStock/Shutterstock.com
  • ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。
  • ※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの海外渡航・入国情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
いま読まれてます

Page: 1 2

TRiP EDiTOR編集部 :TRiP EDiTORは、「旅と人生をもっと楽しく編集できる」をコンセプトに、旅のプロが語りつくす新しい旅行メディアです。