日本語の「疲れ直す」が現地の若者ことば?親日国パラオと日本の深い関係性

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不景気や昨今の円安により、世界での日本の存在感が以前よりも薄くなっていると耳にすることがあります。主に経済の面で影が薄くなっているようですが、それとは関係なく、日本人というだけで特別視される国があることをご存じでしょうか。

その国とは「パラオ」です。日本人の視点でいえば「親日国」という背景もあって、パラオでは日本語もたくさん通じるそう。今回は、そんな親日国であるパラオと日本の関係について紹介します。

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日本を意識した国旗が投票で選ばれた?

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パラオという国、どこにあるかと聞かれたら、すぐに答えられますか?

なんとなく南の島という印象はあるはずですが、地球儀上で指させと言われたら、なかなか難しいのではないでしょうか。

緯度・経度は、北緯7度30分・東経134度30分で、日本から約3,200km離れた太平洋上の島です。東経134度といえば、日本国内では「鳥取県」と「岡山県」、さらには「四国」が該当します。

いわば、中国・四国地方から真南に進めば、赤道の手前にパラオがあるのですね。

そんなパラオに暮らす人たちは実は、日本に対して特別な意識を持っています。その特別な意識は、場合によっては、親日的な感情になるケースもあるようです。

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その例のひとつが「国旗」です。日の丸に似た国旗をパラオは持ちますが、国連の太平洋信託統治領としてアメリカの統治からパラオが独立する前に、国旗に関する住民投票が1979年に実施されます。

「月章旗」とも呼ばれる現在の国旗が選ばれるプロセスとしては、1,000を超える公募があり、そのなかから日本の統治時代を知るパラオ人のジョン・ブロー・スキーボン氏のデザインした国旗案が投票で選ばれました。


デザインを手がけた当の本人は、日本の国旗を知っていたものの、「日の丸を意識したわけではない」と、ユーラシア21研究所の理事長・吹浦忠正氏の取材に応えています。パラオの美しい満月を見て育った国民としての自然な気持ちをデザインに託したとの話。

しかし結果として、日の丸に似たデザインが住民投票で選ばれました。

その背景には、第二次世界大戦敗戦までの20数年間で続いた、日本の委任統治時代を前向きに考える国民の意識があったと一説にいわれています。

現に、歴代の大統領の発言を見ても、戦略的かもしれませんが、日本への親しみを感じられます。

1994年に国連加盟を果たしたときの第6代大統領は、日系2世のクニオ・ナカムラ氏(1943〜2020年)です。そのクニオ・ナカムラ氏は、

<パラオの国民は、とくに私より上の世代の人々は、日本時代に対してたいへん楽しい思い出を持っています>(『パラオはなぜ「世界一の親日国」なのか: 天皇の島ペリリューでかくも勇敢に戦った日本軍将兵』より引用

と、発言しています。パラオは、スペイン、ドイツ、日本、アメリカに統治されてきた歴史がありました。

その統治された歴史のなかで、さまざまな現地の人の思いや感覚の違いがあることも否定できませんが、少なくとも日本の影響を強く受けています。

日本からパラオへ多くの移民が渡った

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クニオ・ナカムラ氏の名前からも分かるように、1922年に国際連盟によって日本の統治が決定されると、日本から多くの移民が渡りました。

一時期、島の日本人の数は約3万人を超えるほど。現地人は6,500人だったといいますから、日本の影響が自然に大きくなります。

移住した日本人たちは、道路・橋・水道・電機などのインフラを整備し、教育制度を充実させ、医療施設を整備し、風土病の撲滅に取り組み、生活水準を向上させます。

パラオ人の子どもたちも含め、就学率は93%に達し、この卒業生たちが後に、パラオの国づくりに参画していきました。

もちろん占領下にある状態では、手放しにいい思い出ばかりではなかったはずです。「親日国」だと日本人が、自己正当化のために強調している面も否定できません。

それでも、日本の統治時代に整備されたインフラや建物が現在も機能している点を考えると、パラオに与えた日本の影響は、必ずしも悪い面ばかりではなかったと考えられそうですね。

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