海外旅行における「現地移動」は、重要ポイントの1つ。ツアーだと現地移動の心配はありませんが、個人旅行だと現地の空港に着いた瞬間から「鉄道の乗り方」などをしっかり調べないといけません。
しかも、鉄道やバスといった公共交通機関での移動は「治安」面での心配も。現地在住でない旅行客の利用多い駅や車内などはスリによく狙われます。また、空港からのタクシーで法外な運賃を請求されたというぼったくりが起きる国・地域も、いまだ多くあります。
海外での現地移動、その心得や、旅のプロとして日ごろから心がけていることなどをまとめました。
まずは空港からの移動。ベストな交通機関は?
海外における現地移動。まずは「到着した空港からどう移動するか」からスタートします。一般的な移動手段は、主に以下。おすすめは◎→〇→△の順です。
〇鉄道、地下鉄
◎リムジンバス
△路線バス
◎ホテル送迎バス
〇タクシー
△Uberなど配車サービス
旅の初心者が最も利用しやすいのは、鉄道・地下鉄、リムジンバス、タクシーなど。鉄道・地下鉄の場合、空港に駅があると旅行者向けの案内なども充実しています。途中で乗り換えがない駅の近く、徒歩圏内にあるホテルに滞在すれば、空港からの移動がラクでおすすめ。
リムジンバスは安くて便利!タクシーはぼったくりに注意
また、リムジンバスは、鉄道・地下鉄だと不便な場所にもピンポイントで行くことができ、スーツケースなどの手荷物も預けられます。途中で多くの停留所に止まる場合、降り損ねないように気を付けましょう。
高級ホテルの場合、空港とホテルを結ぶシャトルバスを運行するところも。無料と有料の場合があるものの、大きな手荷物を持って移動する手間が省け、トラブルに遭遇する可能性もほぼゼロ。タイミングが合えば、利用価値は大きいです。
深夜や早朝などは公共交通機関が動いていないため、タクシーでの移動になります。タクシーは、空港発着だとどの国・地域でもやや割高ではあるものの、ピンポイントに行き先を指定できるのは便利です。国・地域によってはタクシーが危険なこともあるので、これは後ほど解説します。
空港から路線バスがあれば、最も安い移動手段といえるでしょう。ただ、現地の言語のみ、スーツケースがあると乗車不可なこともあるため、旅の上級者向けとなります。
地下鉄やトラムは初めてでも利用しやすいがスリ警戒MAX
旅行者が、市内観光で最も利用しやすいのは、地下鉄やトラム(路面電車)です。路線図を見ればわかりやすく、時間もほぼ正確。特に、地上を走るトラムは窓からの景色も同時に楽しめます。
ただ、現地の治安には気を付けないといけません。スリや置き引きは治安が良いと言われる国でも遭います。治安が良くない都市など、地下鉄の利用はおすすめできません。
鉄道での切符は、1回ずつ支払うのは面倒なので、「1日券」「24時間券」などを買うのをおすすめします。地下鉄とバスが共通カードで乗継無料なんてことも。
日本のSuicaのようなICカードを現地調達し、券売機やコンビニなどでチャージして使うと便利です。手荷物の管理には気を付け、ドア付近はスリに狙われやすいので特に注意です。
路線バスを乗りこなせると行動エリアが大幅に拡大
地下鉄やトラムなど以上に便利なのが、路線バス。これを乗りこなせると、移動範囲が大幅に広がります。現地言語、または英語必須。時刻表通り来るとも限りません。停留所が工事中だったり、運行ルートがイベント開催などで変更になったりすることも。
海外で比較的、路線バスが利用しやすい場所は、筆者の経験から、シンガポール、香港、台湾、イギリス、フランス、スイス、イタリア、フィンランド、オーストラリア、ニュージーランド、アメリカのシアトルやニューヨークなど。
「英語が通じる」「ICカードで運賃を支払える」などがポイント。韓国はハングルが読めないと厳しく、ドライバーの運転も荒いので注意してください。
一方、高速バスは利用しやすい手段の1つ。鉄道で行きづらい場所や、運賃が鉄道より安いのもメリットです。
タクシーの利用はケースバイケース。「Uber」も賢く使いたい
タクシーは、昼夜問わずどこにでもピンポイントで行ってくれます。運賃はやや高めでも、手荷物が多い時などに重宝します。
ただ、国・地域によって、タクシーが危険なことも。筆者が海外でぼったくりに遭いそうになったことは、一度や二度ではありません。発展途上国でよく起こります。
空港で乗る時は正規のタクシー乗り場を利用するようにしましょう。乗る前に必ずおおよその運賃を確認し、トラブルに遭ったら運転手の名前や車のナンバープレートなどを控えておくのをお忘れなく。
わざと迂回ルートを走らないよう、スマホの地図アプリなどで「走行ルートを確認しているぞ」というアピールも効果的です。
「Uber」「Bolt」「Lyft」などの配車サービスは便利です。スマホのアプリで行き先を検索すると、おおよその運賃が表示され、運転手と翻訳機能を使って会話でき、支払いも簡単。運賃で揉めることも、目的地へ迷うこともありません。
ですが、運転手はあくまで民間人。トラブルがゼロとも限らない点は頭の片隅に入れておきましょう。
鉄道やバスの車内でスマホをずっと見ること自体がNG行為!
空港と市内を結ぶ鉄道やバスには、スーツケースなどが置ける手荷物置き場がよくあります。ただ、これにスーツケースなどを置くと「盗まれる」ということも、忘れてはなりません。
海外では、スーツケースを置いても柱にしっかりチェーンをかけて括りつけています。手荷物置き場のすぐそばの座席に座り、ずっと警戒しておく必要もあります。
また、日本と最も違うのが、鉄道やバスの車内でずっとスマホを見続けることもNG行為。スマホは高級品で盗まれる可能性があるほか、スマホを眺めていると注意力が散漫になり、横に置いていたバッグが気づいたらなくなっていた、ということにもなりかねません。
よほど必要な場合以外、車内も含め、スマホをバッグから出すことはしないようにしましょう。
海外では、公共交通機関の運賃は空港関連を除き、日本と比べると「割安」です。そのため、現地移動で大変ありがたい存在。スリや置き引きなどにはくれぐれも気を付けて利用してください。
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