この断崖絶壁から逃げたのか…お万の方縁の地、千葉県「八幡岬公園」

千葉県勝浦市の南の果てにある「八幡岬(はちまんみさき)」。その岬一帯は誰もが立ち寄れる公園として整備され、岬の名をそのままに「八幡岬公園」と名付けられました。

目の前には太平洋の大海原や、約40mの断崖絶壁が広がるこの場所は、勝浦市観光の際にぜひ立ち寄りたい場所のひとつ。

今回は、歴史上の人物ともゆかりのある「八幡岬公園」をご紹介します。

千葉県勝浦市にある「八幡岬公園」とは?

image by:石黒まり花

JR勝浦駅から南に2kmほど、徒歩30分ほどの場所にある「八幡岬公園」。太平洋に突き出した八幡岬の絶景を眺められるこの場所は、1985年に公園として整備されました。

約4,700平方メートルの広さを持つ公園内には、遊歩道や子どもが遊べる遊具、眺望の良い広場にのんびりと過ごせるベンチなどが設けられ、気軽に訪れることができる場所となっています。

公園までの道中は、細道や小さなトンネルを通りぬける必要がありますが、ところどころに標識が立てられているため迷うことはありません。公園の入場料や駐車場代は無料です。

目の前に広がる大海原に感動

image by:石黒まり花

八幡岬公園に多くの人が訪れる理由は、その「絶景」にあります。

切り立った崖の上にある公園は、勝浦市の中でも一際美しい景色の見られる場所です。

波が寄せては返す音がとても心地よく、穏やかな気持ちにさせてくれます。海辺とあって風は強いので、帽子などを飛ばされないように注意してくださいね。


小さな八幡神社が鎮座しており、境内からも海がのぞいています。のんびり散策するのにうってつけの場所ですよ。

かつて勝浦城があった古城跡地

八幡岬は、室町時代から3代続いた勝浦城主、正木氏が居住していた勝浦城の古城跡地でもあります。現在、城は残されていませんが、展望広場にあたる場所に本丸があったのだとか。

展望広場には、勝浦城の城主正木頼忠の娘である「お万の方」の銅像があります。

八幡岬公園は、そのお万の方が生まれ育った勝浦城があった場所であると同時に、歴史上とても有名なできごとが起きた場所でもあるんです。それが「お万の布ざらし」。戦国時代から現在まで語り継がれるお話をみてみましょう。


謎の多い女性、魅力的な「お万の方」

image by:石黒まり花

約40mにも及ぶ八幡岬の断崖絶壁から、人が布をつたって海へ降りるなんてことができると思いますか?

いやいや、そんな命知らずなことできるわけないでしょう、と思いますよね。ほぼ垂直になった崖はちょっと近づくだけでも恐怖が湧き上がります。

しかし、お万の方はこの断崖絶壁を布を伝って海上へ降りた、と伝えられています。これがかの有名な逸話「お万の布ざらし」です。

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