先日、中国人が大型連休を使って「日本の不動産」を見に来ているという情報を発信しました。
その際は、中国人に焦点を当ててご紹介しましたが、実は、国土交通省が調査した「総人口の将来推計」によると、この先50年における日本の人口は、日本人が減少が加速する一方、外国人は増加するという数値が出ています。
ですが、「外国人に部屋を貸したくない」と、受け入れを不安に思う不動産が多いのもまた事実です。
そこで今回は、苦労を乗り越えて日本で暮らせるようになった外国人にアンケートを実施。「日本への移住で大変だったこと」について伺いました。
約4割が「外国人お断り」 物件、住める場所がない
2016年に法務省が委託した調査によると、39.8%の外国人が「外国人であることを理由」に入居を断られたと回答しています。
その後、最新の数値は報告されてませんが、2022年8月に公開された「在留外国人に対する基礎調査(令和3年度)調査結果報告書」においても、『家を借りようとした時、外国人という理由で審査をずっと拒否された』との意見が掲載されていることから、現在も改善の余地があることが見受けられます。
ニュージーランド出身の女性は、不動産に空室確認の連絡を入れた時に悲しい思いをしたのだそう。
「はじめはとにかく親切でしたが、こちらが外国人とわかった瞬間に手のひらを返すように冷たい態度になりました…」(ニュージーランド出身・女性/日本在住歴3年)
ほかの人たちも、引越し以前に不動産とのやり取りで心が折れてしまった経験があるようです。
「まだ外国人名義だと借りられない場所はたくさんあります。借りられる物件でも大抵保証人が必要ですし、その場合保証人が日本にいないといけなかったり、ハードルが高いです」(ポルトガル出身・男性/日本在住歴5年目)
また、外国人のパートナーを持つ日本人であっても、外国人との同居に懸念を持たれることがあります。
「ロシア人の彼と同居先を探しましたが、外国人と同居するということで紹介される地域が絞られて、治安があまり良くないエリアをおすすめされました」(パートナーがロシア人・女性)
「もともと自分が住んでいた家で韓国人の彼女と同棲したかったのですが、外国人は住まわせたくないという大家さんの反対を説得するのが大変でした。声を荒げるほど嫌がられました…」(パートナーが韓国人・男性)
「国籍」を理由に入居を拒否するのは違法
日本では過去に入居申込者の国籍を理由に、賃貸借契約の締結を拒絶したことへの不法行為責任が認められた事例もありました。
ですが、「国籍」のみを理由に入居を拒否する=差別や偏見にあたることが問題であって、一般的な入居審査のように本人の年収や勤続年数、連帯保証人の内容などを総合的に加味した結果、入居を断るという判断は問題にはなりません。
外国人であっても、長年日本で暮らし安定的な生活基盤があるなら、物件探しがスムーズになるのは必然です。
日本人でも安定した収入のない人が審査が通りにくいのと同じように、日本における社会人歴や信頼が確認できない以上、審査が通りにくいのは仕方がないことかもしれません。
ですが、今回アンケートにお答えいただいた方々のように、審査が通って実際に日本に暮らす外国人も多くいます。大家さんも実際に住んでもらうことで、不安や心配が解消していけるといいですね。
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