残業が多い、マニュアル通りすぎるなど、外国人からマイナスなイメージを持たれやすい日本の企業。実際その通りなことも多いので否定はしませんが、一方で、まじめや誠実、環境整備が徹底されているといった点が評価されることもあります。
筆者は以前、一緒に働いていたタイ人の同僚から「母国で自分はまじめと言われがちだったから、日本の会社のほうが合ってる気がする」と言われたことがあり、日本自体を評価してもらえたようでうれしくなった経験があります。
実際、会社にとても馴染んでいて、常に進捗をホウレンソウしてくれたり誰よりも早く出社していたりと、日本人以上に日本人のような働き方を身につけていました。
そこで今回は、日本で働く外国人にアンケートを実施。「日本の会社に馴染んできたかも!」と感じた瞬間を教えていただきました。
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時間に関係なく「おはようございます」
日本の小売業に従事する中国人の女性は、日常の挨拶の仕方で「馴染んできたかも?」と思えたそう。
「昼でも夕方でも関係なく、その日に初めて会った同僚に『おはようございます』と普通に言うようになった時に、馴染んだなあ(笑)と感じました」(中国人・女性/小売業)
確かに、初めは朝の挨拶なのになんで遅い時間にも「おはようございます」なの?と不思議になりますよね。
始まりは、飲食業や芸能界のように人によって出勤時間が違う職種の人たちが、「お早い時間からご苦労様です」の意味を込めて「おはようございます」と挨拶していたことが、次第に多くの企業に浸透したようです。
昼過ぎには「お疲れさまです」に切り替える会社も多いと思いますが、そこも使い分けれるようになったらかなり馴染んでいる証拠でしょう。
上下関係を意識し始める
「部長が来たら全員で立って挨拶したり、周りの行動を見て自分の立場を理解できるようになったときに感じました」と話すのは、通信営業に従事するブラジル出身の女性。
上司と部下の関係がフランクな諸外国に比べて、日本は今も上下関係が厳しい企業が多く存在します。ここまで意識したり順応し始めたらすごいですよね。
「基本は毎日リモートワークなので気が楽ですが、出社するときは上司に直接挨拶をしにいかないと機嫌が悪くなります…」(アメリカ出身・男性/IT業界)
「上下関係を理解することができた。空気を読んで発言することができるようになり、先輩を立てることができるようになってからは一気に溶け込めた気がする」(アメリカ ニューヨーク出身・男性/教育業界)
先輩を立てる若手社員の図が、完全に日本人で再生されてしまいますね。
さらに、日本で働いて16年目という台湾人の商社マンからは「些細なことに敏感になりました。特に言葉遣いです。後輩からタメ口で話されると不愉快に感じます」と、体育会系の日本人のような回答をいただきました。
日本語のコミニュケーションが円滑になった
そしてもっとも多かったのが「日本語で円滑にコミュニケーションが取れるようになったこと」という回答。やはり、言語の壁に悩んだ分、スムーズに会話できるようになったことに喜びを感じるようですね。
「日本語を学び、同僚とスムーズにコミュニケーションが取れるようになって馴染んだ感じが強まりました」(中国 広東省出身・女性/IT企業)
「流暢に日本語が喋れるようになり、プライベートの話もできるようになった時に感じた」(中国出身・女性/不動産業)
「日本語でコミュニケーションが取れるようになったので、飲み会に誘われる回数も増えた。仕事帰りの飲み会が1番楽しい」(韓国出身・男性/サービス業)
言語によるコミュニケーションが取れるようになったことで、お互いに心を許せる存在になれたのがよかったですね。
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