宮崎名物「チキン南蛮」が進化している?
宮崎県のご当地グルメといえば、やっぱり「チキン南蛮」ですよね。「チキン南蛮」とは、小麦粉と溶きたまごを絡めた鶏肉を油で揚げ、甘酢ダレ(南蛮ダレ)に浸し、タルタルソースで味わうローカルフードです。
揚げたてチキンからほとばしるアッツアツの肉汁と甘酸っぱい特製ダレの相性はバツグン。ツンと鼻にくる酸味をタルタルソースが丸~くやわらげ、ほおばるとたまらなく幸せな気持ちになります。もう、箸が進む進む。ごはんが何杯、いや何俵あっても足りません。
そんな宮崎が生んだスターおかず「チキン南蛮」が、このごろ”さらに進化を遂げている”のだそうです。
それは「チキン南蛮カレー」。宮崎では今、カレーライスとチキン南蛮をコラボさせた新メニュー「チキン南蛮カレー」を提供するお店が続々と増えているのだとか。
しかもチキン南蛮カレーの普及に力を尽くす、謎の「カレーの王子様」まで存在するというから、おだやかではありません。
「甘酢とカレーって果たして合うんだろうか?」「酸っぱいカレーってどうなの?」一抹の不安を抱えながら私、宮崎へと行ってまいりました。
宮崎の有名人「ルウ王子」って誰?
「ウワサの王子様がいる」と耳にした場所は宮崎県の都城(みやこのじょう)市。JR九州・日豊本線、西都城(にしみやこのじょう)駅で下車し、東へ徒歩約12分。
閑静な住宅地を歩いていると、「あれだ!」。目指すお店が現れました。
食欲を増進させる黄色でトータライズされた、素通りを許さない目立つ外観。この店の名は「カレー倶楽部ルウ」。
「ご来店くださいまして、あルウがとうございまルウ~」
独特な「ルウ語」で出迎えてくれたのが「カレー倶楽部ルウ」の店長、ルウ王子。
黄色い目出しマスクの額には肉、じゃなく「るう」の文字。そんなルウ王子はテレビ宮崎の人気番組『蛙亭イワクラ使節団 ~伊藤と肥満とサイダーと~』にたびたび出演し、イワクラさんにいじり倒されている、宮崎ではかなりの有名人。
ただのヤバい人ではありません。「みやこんじょ大使」(都城市公認観光大使)にも任命された、この街の顔役なのです。
ルウ王子「このマスクをかぶり、黄色い衣装を着て、(2008年から)15年が経ちました。出かける時もこの格好のままです。ふるさと納税の配送へも、役所へ行くのも、必ずこのスタイル。変だと思う人はもういないですね。職員さんが『あ、ルウ王子だ』『今日はどうしたの?』と声をかけてくださいます。マスク姿が僕の日常なんです」
実は都城市は「ふるさと納税」日本一に輝く街。ルウ王子がつくるチキン南蛮カレーも、この称号に一役買っています。ルウ王子の姿のまま納品へ向かうので、お店のなかだけではなく街でも頻繁に目撃されているのです。