日本から一番近い海外である韓国は、フライト時間が短く、運賃も安いLCC(格安航空会社)を利用する旅行者が多くいます。日本各地からLCCの便は数多あり、実際のところ、LCC各社の違いがよくわからない人もいるでしょう。
LCCの中でも、まず韓国系と日系があり、さらに各社ごとに細かい違いが見られます。行き先は首都ソウルだけでなく、釜山(プサン)や大邱(テグ)などもあり、日本発も主要空港ほか、地方空港の便も増えています。
韓国旅行で利用するのにおすすめのLCCはどれでしょうか。日本と韓国の行き来で、LCCを含めてよく利用し、搭乗取材も豊富な筆者が、日韓路線を現在運航するLCCを比較して紹介します。
韓国系LCCは多く手荷物ルールに寛容だが、各社で違いも
韓国は大手航空会社(FSC)の大韓航空とアシアナ航空のほか、多くのLCCがあります。ちなみに、日本路線もあって最近話題の「エアプレミア」はLCCとFSCの中間、ハイブリッド航空会社であり、厳密にはLCCとは異なります。
チェジュ航空
韓国系LCCでは最大手で、2005年設立。本社は社名にある済州(チェジュ)島で、ソウルや釜山など韓国の多くの都市と、日本を含む国際線および韓国国内線を運航しています。過去に韓流スターやKPOPとのコラボレーションも多く、その都度で話題に。
日本路線は東京(成田)/大阪(関西)/名古屋(中部、セントレア)の主要都市のほか、静岡/広島/松山など地方都市にも就航するのが特徴。大阪-ソウル線は仁川(インチョン)に加え、ソウル中心部から近い金浦(キンポ)発着もあるのが便利です。
機内持ち込み手荷物は1人1個(横40×縦20×高さ55cm)と身の回り品など1個の合計「2個」「10kg未満」まで。受託手荷物は、セール含む最安運賃だと1個から有料です。
エアプサン
韓国第2の都市である釜山に本社があるLCCで、アシアナ航空の傘下。2007年に設立されました。釜山の金海(キメ)国際空港を拠点に、韓国国内線と国際線を運航しています。
釜山発着は、成田/関西/福岡/札幌(新千歳)、ソウル仁川発着は成田/関西/福岡など。以前は機内食とドリンクを無料で提供していましたが、現在は有料で販売。
機内持ち込み手荷物は、3辺の合計が115cm(横40×縦20×高さ55cm)、重さ10kgまで1個無料。小型のハンドバッグなども追加1個可能で、合計「2個」「10kg以内」です。受託手荷物はセールなど特別運賃だと有料、それ以外だと15kg以内が無料で預けられます。
ジンエアー
大韓航空傘下のLCCで、2008年設立。日本路線は、ソウル仁川発着で成田/関西/中部/福岡/新千歳/那覇などのほか、釜山発着便も運航しています。
機内持込み手荷物は、3辺の合計 115cm(横40×縦20×高さ55cm)、重さ10kg以内で、ノートパソコンやハンドバックなど1個追加でき、合計「2個」「10kg」まで。受託手荷物は15kgまで無料です。
小型機のボーイング737に加え、大型機のボーイング777(355席、全席エコノミークラス)も保有するのが特徴。777だと、搭乗手続き、機内の乗降、手荷物受取時間など時間がかかることもあるので注意してください。
ティーウェイ航空
韓国初のLCCで、2004年に設立された韓星航空が前身。2010年に社名変更しました。中型機のエアバスA330を保有し、大量輸送にも対応しているのが特徴です。
ソウル仁川発着で成田/関西/福岡などのほか、佐賀や熊本など日本の地方空港にも就航。釜山や大邱などを結ぶ便もあります。
機内持ち込み手荷物は、3辺の合計 115cm(横40×縦20×高さ55cm)かつ重さ10kg以内で1個、身の回り品も追加1個で合計「2個」「10kg」以内、ビジネス運賃だとさらに1個無料。受託手荷物はイベント運賃が有料、その他は15kgまで無料です。
イースター航空
2007年設立のLCCで、東京-ソウル線に韓国系LCCで最初に就航しました。一時は日本路線ゼロだったものの、コロナ後の2023年秋に運航再開しました。日本路線は、ソウル仁川=成田/関西/福岡です。
機内持ち込み手荷物は、3辺の合計115cm(横40×縦20×高さ55cm)以内、重さ7kg以下、1個まで。ハンドバッグなど追加1個持込可で、つまり合計「2個」「7kg」以内です。他の韓国系LCCよりやや厳しいので注意。受託手荷物はセールなどの運賃だと1個から有料です。
エアソウル
アシアナ航空100%出資のLCCで、ソウル仁川を拠点に日本路線などを運航。成田/関西/福岡のほか、米子や高松といった日本の地方都市にも就航しているのが特徴です。
機内持ち込み手荷物は、縦×横×高さの3辺の合計が115cm(横40×縦20×高さ55cm)までの手荷物1個と身の回り品1個の合計「2個」「10kg」まで無料。受託手荷物は、特別運賃以外は15kgまで無料です。
アエロK
韓国・清州(チョンジュ)を拠点とする、2017年設立の比較的新しいLCCです。韓国の英語名「KOREA」を後ろから読んだのが社名となっています。
清州空港はソウル仁川などよりコンパクトなターミナルで、KORAIL忠北線の清州空港駅が直結。しかし、ソウルまで片道約2時間かかるので注意しなければいけません。
日本路線は、アエロK国際線初の関西線と、成田線。機内持ち込み手荷物は、3辺の合計115cm(横40×縦20×高さ55cm)、重さ10kg、1個まで。
ハンドバッグなど追加1個持込でき、合計「2個」「10kg」以内です。受託手荷物はイベント運賃を除き、15kgまで無料となっています。
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