JAL国内線の「クラスJ」ってなに? ファーストでもエコノミーでもないけど選ばれる理由は?

JAL(日本航空)の国内線は、「普通席」「クラスJ」「ファーストクラス」の3クラス構成です。運航される路線、飛行機などにより、普通席のみだったり、ファーストクラスがなかったりします。

クラスJ」は、普通席とファーストクラスの中間にあるクラス。リーズナブルな運賃、普通席よりゆとりある座席が特徴で、快適に移動できます。特に、ビジネスパーソンらに人気で、なかなか予約できない路線も。

この「クラスJ」に乗るには、どうすればよいか。JALでの予約方法やサービス内容など、詳しく紹介します。

「クラスJ」最大の特徴は「座席」。普通席との違いは?

JAL国内線「クラスJ」の座席(ボーイング737)image by:シカマアキ

クラスJ」は、JAL国内線のサービス。JAL、ジェイエアや日本トランスオーシャン航空(JTA)の便にあります。

対象機種は、エアバスA350、ボーイング777/787/767/737、そしてエンブラエル190(E190)です。これらの飛行機より小さい、小型ジェット機やプロペラ機は普通席のみで「クラスJ」はありません。

737だと「クラスJ」は最前方になる。足元がとても広い image by:シカマアキ

そして、普通席と最も違う点は「座席」です。例えば、通常3-3-3(A350の場合)のところ、2-4-2で、ゆとりある座席配列。そして、シート幅は平均47cmで、実際に座るとその広さが直に感じられます。

また、シートピッチ(座席の前後間隔)が普通席より18cm広い、平均97cmあります。背もたれを傾けると連動して座席全体が前方にスライドし、シートピッチが広い分、後ろに座る人の邪魔になりにくいのも特徴です。

「レッグレスト」があればフライト時間も快適 image by:PR TIMES

座席の足元には、普通席にない「レッグレスト」もあり、自分好みで角度を調整可能。「ヘッドレスト」は上下の調整だけでなく、両端を起こして自分の頭にフィットさせることもできます。

そして、座席のテーブルは普通席より大きめで、A4サイズのパソコンなどが乗せられるサイズ。USBポートやType-Cポート(一部機材のみ)、座席の間にドリンクや小物などを置けるセンターコンソールもあって便利です。PC電源は、A350、787、E190のみ利用可。


「クラスJ」のドリンクは普通席と同じ。サイドのテーブルが便利 image by:シカマアキ

なお、「クラスJ」には、ファーストクラスのような機内食の提供はありません。以前、「クラスJ」の乗客向けに、普通席と同じドリンクのラインアップからもう1つ「こだわりドリンク」が選べたものの、現在はサービス終了で普通席とまったく同じです。

「クラスJ」の座席数。人気「おひとり様席」がある機種も

エンブラエル190のクラスJは「1-2」のシート配列 image by:シカマアキ

「クラスJ」は、普通席より前方にあります。到着後に降機するのもファーストクラスの次で、普通席より先なのでスムーズです。ただ、優先搭乗は「クラスJ」は対象外なのでくれぐれも注意してください。

座席数は、A350の場合、ファーストクラス12席、「クラスJ」94/56席、普通席263/323席です。737だと2-3、エンブラエル190では1-2の座席配列となり、特にエンブラエル190の「おひとり様席」はヘビーユーザーを中心に人気があります。

ジェイエアのエンブラエル190は拠点の伊丹ほか、羽田発着便もある image by:シカマアキ

なお、ファーストクラスがあるのは、羽田-大阪(伊丹)、福岡、札幌(新千歳)、沖縄(那覇)などで、主に基幹路線の8路線のみ。一方、「クラスJ」は地方路線の便にもあり、しかも、飛行機の最前方になります。

「クラスJ」の気になる運賃。出発当日アップグレードの方法も

羽田空港とJALのA350など image by:シカマアキ

「クラスJ」は、JAL公式サイトなど、普通席やファーストクラスと購入方法は同じです。空席状況により、運賃は変動します。

その運賃は基本的に「クラスJ」の割増分を含んだ金額で、普通席との差額は「2,200円~」などとなっています。少し前まで一律で「+1,000円」のころもあって今は値上がりしました。

また、空席状況によって普通席よりクラスJのほうが安いこともたまにあるので、必ず運賃を比べてみてください。

JAL国内線、737の普通席 image by:シカマアキ

出発当日、もし「クラスJ」に空席があれば、当日アップグレードも可能です。受付時間は出発3時間前から20分前まで。JALの公式サイトや公式アプリから申し込みできます。

普通席からだと、羽田発着の場合、羽田-山形、名古屋、小松が「1,100円」、羽田-沖縄(那覇)、久米島、宮古、石垣が「3,300円」、その他が「2,200円」です。

ヘッドレストは普通席にも image by:PR TIMES

先に普通席を買ってしまった、特典航空券で予約した時など、「クラスJ」に座りたい場合は当日アップグレードで変更可能です。満席の場合、空席待ちすることもできます。

「クラスJ」は、羽田-伊丹、福岡、新千歳、那覇などの基幹路線、平日の朝や夕方以降などは、ビジネスパーソンに人気です。普通席が空席多数でも「クラスJ」が満席という状況も多々。

JALビジネスオンライン(法人向け出張サポートシステム)のビジネスフレックス運賃だと、期間限定・座席限定で、普通席と同額で「クラスJ」が予約できるため、クラスJから先に座席が埋まるという事情もあります。

なお、マイルは「クラスJ」だと区間マイルの10%が加算され、普通席より多く貯まります。出発当日のアップグレードも対象です。


値段相応のサービスでより快適な飛行機移動に

JAL国内線のファーストクラス(手前)と「クラスJ」(奥)の座席(A350)image by:シカマアキ

普通席と比べた「クラスJ」のメリットをまとめる、主に以下となります。

  • ・座席が広くて快適
  • ・降機が先
  • ・マイルが多く貯まる

一方、ファーストクラスは「温かい食事を含めた機内食」「アルコール含むドリンクが豊富」「ダイヤモンドプレミアラウンジ・サクララウンジが利用できる」「優先チェックイン・優先搭乗・優先手荷物受取」など、さらに上級のサービスがそろっています。運賃もその分高めで、当日アップグレードで1万円以上します。

JALの国内線ラウンジ案内。「クラスJ」は利用対象外 image by:シカマアキ

ファーストクラスと比べると、優先などのサービスがなく、空港でラウンジも利用できない「クラスJ」は、やや物足りないかもしれません。

しかし、少しの追加料金で広々とした座席で移動できるのは、間違いなくメリットです。路線によっては「クラスJ」が早々に満席、空席待ち多数というのも、いざ乗ると納得できるはず。

ANA(奥)国内線にはJALのクラスJのような搭乗クラスはない。image by:シカマアキ

なお、同じ日系の大手航空会社であるANAは、普通席とプレミアムクラスの2クラスのみで、JALの「クラスJ」のような搭乗クラスはありません。

プレミアムクラスだと、運賃はJALの国内線ファーストクラスとほぼ同額で、機内食などサービスも似ているものの、空港で最上級のラウンジが利用できない、発券後のアップグレードだとマイル割増対象外、一方で運航路線が地方もあって多いなど、いろいろ異なります。

飛行機で少しだけ贅沢に、または、ゆったりした気分で移動したい。そんな時などに、JALの「クラスJ」にもし空席あれば、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか。

  • image by:シカマアキ
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