日本でも人気の「サウナ」は、フィンランドが発祥で、本場でもあります。フィンランドでのサウナの歴史は約2000年前までさかのぼると言われます。冬が長く、厳しい寒さと肉体労働の疲れを癒すためのサウナ浴が長年愛され続け、2020年12月、ユネスコの無形文化遺産にも登録されました。
フィンランドの人口は約540万人。それに対し、サウナは公共と私有を含めて330万あるとのこと。もちろん1人当たりのサウナ数では世界一です。
本場フィンランド、特に自然豊かな北極圏(ラップランド)では、都市部にはない体験ができるサウナ付きホテルがあります。また、サウナの歴史に欠かせないサーミ族の博物館などもあり、合わせて訪れるとサウナに対する理解がより深まります。
日本とこんなに違う、本場フィンランドのサウナ事情
まず、サウナの語源はフィンランド語で「蒸し風呂」を意味する「Sauna」です。冬の日照時間が短くて厳しい寒さから身を守るための小屋で火を燃やして温度を上げると同時に、石を加熱して蒸気を発生させたことが始まり。当初は食料の保存やスモークのためだったのが、その後に沐浴の場となりました。
フィンランドでは、日本のような男女別サウナもある一方、男女一緒のサウナもあります。サウナ内では、水着を着用したり、身体をタオルで巻くだけだったりも。
いずれにせよ、サウナ後に団らんする場が必ずあり、友人同士はもちろん、初めて会う人とも交流できる場として、定着しています。「サウナ外交」との言葉も聞かれます。
日本のサウナは、すでに高温の空間に座って汗をかくのが一般的。一方、フィンランドでは、サウナストーンに自ら水をかけると「ロウリュウ」によるスチームが広がり、サウナ内の温度が上がる仕組み。フィンランドはロウリュウとサウナがセットです。
ほかに、薪を燃やしてサウナ内を温める「薪式」のほか、たくさん湯気が出る「スモーク式」や「電気式」などもあります。
さらに、日本とフィンランドの大きな違いは、フィンランドのサウナには水風呂がないこと。サウナで汗をかいた後、外気浴や湖、さらに雪などで身体を冷やすのです。
北極圏ならでは「リバーサウナ」、サウナ付き客室もあるホテル
フィンランドの首都ヘルシンキから、フィンエアー直行便で約1時間半。イヴァロ空港から一路、「Wilderness Hotel Muotka」へ車で30分ほど走ります。このホテルには、フィンランドさらに北極圏らしいサウナ「リバーサウナ」があります。
サウナは、男女混合。ロウリュウでじっくり身体を芯まで温めて汗をかいた後、そばの川に飛び込みます。川へ入る階段もあり、夏でも冷たい川の水が身体をしっかり冷やしてくれます。ホテルは、フィンランドで2番目に大きいウルホ・ケッコネン国立公園にあり、大自然も満喫できます。
さらに、宿泊ではサウナ付きのキャビンも。サウナ内が温まるまで1時間ほどかかるものの、日本の露天風呂付客室のようなプライベート感あり、貴重な宿泊体験となるはず。キャビン内の天井がガラスで、夜の天気が良い日は、ベッドに寝転がりながら美しいオーロラが眺められるかもしれません。
- Wilderness Hotel Muotka
- Muotkantie 204, 99830 Sodankylä, Finland
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フィンランド最北の街のホテルにあるジャグジー付き絶景サウナ
イヴァロから車で約40分。フィンランド最北の地、ラップランドのイナリも、手つかずの自然のまま、北極圏ならではの荒野が広がる場所です。
そのラップランドで2番目に古いホテルを改装した「Wilderness Hotel Juutua」にあるサウナも、サウナ好きにたまらない絶好のロケーションです。
サウナで温まりながら美しいジュトゥア川と森林の景色を眺められるほか、外にジャグジーがあるのも特徴です。さらに冬には、ここでもオーロラを見ながらサウナが体験できるかも。
男女共有スペースでは、ビールやソフトドリンクなどが用意されています。サウナ後に休憩しつつ、交流も楽しめます。
- Wilderness Hotel Juutua
- Saarikoskentie 2, 99870 Inari, Finland
- ホームページ
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