大野から、水への恩返し。海外支援型地域ブランディングに注目集まる

街のいたるところで「清水(しょうず)」と呼ばれる美しい水が湧き出ている福井県大野市。大野市民の生活の中にはいつだって清水がありました。

まちの財産でありアイデンティティでもある水。水に恵まれた大野市民が「水への感謝」を生み出す、あるプロジェクトが立ち上がったのです。

Carrying Water Project「水への恩返し」

北陸の高い山々が連なる福井県の東部に位置する大野市。山に降った雨や雪解け水がじっくりろ過され、湧き水となって街を潤しています。中でも泉町にある「御清水(おしょうず)」は昭和60年に全国名水百選に選ばれたほど。

この水はまちの人々に豊かな作物をもたらすだけでなく、ホタルやイトヨという、きれいな水でしか生きていけない生き物にも住処を与えています。昔から豊かな清水と供に生きてきた大野市。そんな水への恩返しとして始まったのが「Carrying Water Project」です。

このプロジェクトは大野市の人口減少対策の一環として2015年5月から始まりました。大野市を支えてきた豊かな水の恵みについて、国内だけでなく世界に向けて広く発信しようという目的があります。

過去50回以上続いてきた「越前大野名水マラソン」では大野の水を給水所に置くなどのPR活動を行ったり、「おおの城まつり」で水鉄砲大会を行ったり、様々な形で「大野=水のまち」をアピール。

また、2015年10月に行われたミラノ万博にも出展し、世界に向けて宣伝。大野の水を試飲してもらうと「すごく優しい味」「美味しい!」という声が多く聞こえ、世界にも愛される水だということが証明されました。

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