名所・湯畑の周辺で。グルメも絶景も楽しむ日帰り「草津温泉」散策

少し肌寒い気温が続き、秋まっさかり。これからの時期は、体の芯までほぐれる温泉が恋しくなりますね。今回は埼玉出身のツーリングライター・梅原 慎治さんが、名湯「草津温泉」を日帰りで存分に楽しむ散策プランを探しに行ってきました。

日本三名泉「草津温泉」を日帰りで楽しむ

いきなりの質問ですが、「3万2300リットル」という数字が、何の数字かわかりますか?勘の良い方ならタイトルから、これが温泉の湧出量に関するものだと気付くかもしれません。

そしてこの「3万2300リットル」という量、湧出量日本一を誇る草津温泉における1分間の湧出量なのです。一般家庭の湯船を約200リットルとして考えると、1分間に約160世帯分の湯船が満たされることになります…と言っても、なかなかピンと来る量ではありませんが、とても多いということだけはわかりますね。

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このように湯量が豊富で、日本三名泉の1つとしても知られる草津温泉(ほか、有馬温泉<兵庫県>、下呂温泉<岐阜県>)は、そのシンボルの湯畑を中心として、比較的コンパクトに繁華街が形成されています。このため、日帰りで温泉に入ったり温泉街を散策したりするのに非常に適しているのです。

もちろん、旅館やホテルに宿泊してゆっくり楽しむこともおすすめですが、今回は湯畑を中心とした下流側(西側)にある「大滝乃湯」から、上流側(東側)にある「西の河原(さいのかわら)公園」へ向けて、日帰り散策を楽しんでみました。

草津で日帰り温泉といえば「大滝乃湯」

日帰り入浴も楽しめる草津温泉「大滝乃湯」入口。煮川の湯の源泉が引かれているそうです。お湯は少々酸味を感じました。

スタートとなる「大滝乃湯」は複数の湯船があり、草津の日帰り温泉施設として有名な場所です。比較的大きな駐車場もあるので、ドライブの帰りにも立ち寄りやすくなっています。

歩道脇に突然現れるタンク。湯気がモウモウと立ち上がっています。

大滝乃湯からほんの少し歩くと、歩道脇に湯気を上げる大きなタンクを見ることができます。ウィスキーの蒸留器のようなこのタンク、6つある草津の主な源泉のうちの1つであり、「美人の湯」として名高い「煮川の源泉」を汲み上げている施設のようです。散策路にこうした施設を見ることができるのも、湯量が豊富な草津温泉の魅力の1つですね。

  • 大滝乃湯
  • 群馬県吾妻郡草津町大字草津596-13
  • 0279-88-2600
  • 大人 900円、子ども 400円
  • 9:00~21:00(最終入館20:00)
  • http://ohtakinoyu.com/

草津の湯を無料で楽しめる共同浴場「千代の湯」

無料共同浴場の1つです。湯畑源泉の湯が引かれています。

少し坂を上るようなかたちで旅館の間を歩いて行くと、「千代の湯」という共同浴場があります。ここを含め草津には複数、無料の共同浴場があるのですが、この千代の湯はあの湯畑の湯を源泉として引いている共同浴場なのだそうです。

「え?湯畑のお湯って、実際に温泉にも使われているの?」と、驚かれる方もいるかと思います。私も「観光のためにこれだけのお湯を垂れ流しちゃうのはもったいないなぁ」と思っていたので、この事実を知った時には驚きました。


ここの千代の湯、私も以前入ったことがあるのですが、湯畑で湯温を調整されているはずではありますが、とても熱いです。ちなみに、“熱い”というのは決して温泉の悪口ではなく、水で希釈されていない良質な温泉である証拠なのだと個人的に思っています。

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