覆面係員に抜き打ちチェック…スイスの交通機関は難点だらけ?

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係員が来たときに乗車券を持っていなかったら?

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日本であれば電車によって車内で清算することが可能ですが、スイスでは乗車券を提示できない場合は、100CHF(約10,900円)の罰金を後日振り込まなければなりません。これは、電車でもバスでもトラムでも一緒。スイスの公共交通機関では、先に乗車券をきちんと買っていないのが見つかれば、罰金が待っているのです。

あれは今から約4年前のこと。寒い冬の日でした。まだ1歳ぐらいの息子と3歳の娘を連れて、子どもたちを遊ばせる集いに行った私。夕方になると、すぐに日が暮れるスイスの冬。寒くて薄暗い中、家路へのバスを待っていたんです。なかなか来ないバス。寒そうな子どもたち。どんどん暗くなってくる夕暮れどき。座るところもなく疲れ果てた私。

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そんな時、乗ろうと思っているバスの番号とは違いましたが、目的の停留所まで遠回りで行くバスが到着。「子どもたちが寒がるよりも、遠回りでも暖かいほうがいい」そう判断した私は、子どもたちと一緒にバスに乗り込みました。

しばらくバスに揺られていると、いきなり「乗車券を見せてください」と、声を張り上げる2人組。そう、覆面係員です!

車内での乗車券チェックが開始され、私は乗車券を持っているので手渡すと「あなたの持っているチケットには今走っているゾーンは入っていない」といったことをいわれてしまい…。

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私が持っていたチケットは、地図左のピンクで囲ってある110と154のゾーン。しかし、私の乗っているバスが通過しているのは…。

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155を通って目的地へ行くバス(地図左の黄色く囲んだところ)。私が乗るはずだったバスは、110と154のゾーンを通過するバスだったのですが、遠回りの違うバスに乗ったため、ゾーンをはみ出していたのです。

そう。目的の停留所が同じでも、購入した乗車券に記載されているゾーンをはみ出してしまう(別ルートを走ってゾーンを出てしまう)と罰金の対象になるのだそう。100CHFって…。しかも、遠回りのバスに乗って100CHFって…。

目的の停留所に到着し、バスから降りると、私服警官のように私に尋問してくるSBBの社員。しかし、私のドイツ語力では、なにを聞かれているのかあまり理解できなく、説明することもできない…。

最後に、「後日、自宅に請求書が届くから払ってください。請求額は70CHFです」といわれて終了。

あれ?30CHF安くなってない!?なんの割引なんだよ…。そこのところがなぜなのか分からないまま帰宅。ダンナ様にことの顛末を伝えると、「そういうこともあるねぇ。気をつけなくちゃねぇ。」とのこと。

この事件について友人に話したところ、お友だちのご主人がご立腹。SBBに電話をして抗議してくれたそうです。まあ、そんな失敗を重ねながらスイス生活のレベルが上がっていくんでしょうけれど。

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しっかし、抜き打ちで乗車券をチェックするという、「中学校の生活指導の持ち物チェック」みたいなことをせずに、日本のように改札口を作ればいいのになぁと思ったりもします。

「事前に乗車券をチェックしなくとも、きちんと乗車券を買うだろう」という、スイスの国民性を信頼してのシステムなのかも?それでSBBも成り立っているのであれば、それはそれでいいのかもしれませんね。

国や地域が違えば交通機関のルールも変わってくるので、そのことがよく分かった経験となりました。70CHF(約7,700円)は勉強代にしては少々お高かったけど…。

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