「鏡の向こうは別世界」といいますが、確かに鏡をずっと見ていると、なんとなく「ここではないどこか」があるような気がしてきます。
まるで「鏡マジック」にかかったような気分になりますが、世界には鏡を用いたアート作品や建築物が点在しており、見る人を魅了しているのです。早速、少し不気味だけど美しい鏡のアート作品をご紹介していきます。
目次
※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウィルスの海外渡航・入国情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
ランドル・モールのボール/オーストラリア
「ランドル・モール」は、オーストラリア南部の都市有数のショッピング街で、2つの鏡面球体が縦に並んだボールがあります。このボールは高さ約4m、直径約2.15mのステンレス製です。
このボールの他に4匹の豚の銅像もあります。ボールと違ってリアルですので、見かけてもビックリしないでください。
レン・ライ・センター/ニュージーランド
ニュージーランドのアーティストのレン・ライの作品を集めたギャラリー「レン・ライ・センター」は、ニュープリマスにあります。鏡面状のステンレスの柱が並ぶような外観は、まさに現代アートです。
同氏はキネティックス・スカルプチャー(動く彫刻)の先駆者で、センターにはさまざまな作品が収蔵されています。隣りにある「ゴヴェット・ブリュースター・アートギャラリー」も現代アートの美術館です。
アーン湖/スコットランド
2014年の作品『Still』は、スコットランドの「アーン湖」に立っています。ステンレスをつないでつくられており、高さは2.7m。作者のロブ・マルホランドはイギリスの彫刻家で、鏡面を用いた作品が多く見られます。
これは、鏡面で目に目えるものを歪ませることで、作品を見る人に自分と周囲の関係を考え直してもらいたいと思っているからなのだとか。
ラジオード/フランス
「ラジオード」は、パリのラ・ヴィレット公園にある映画館ですが、残念ながら2018年11月に閉館しました。建物は鏡面の球体で直径約36m、12階建てのビルに相当する高さです。
三角形のステンレス6433個でつくられており、内部には直径約26m、面積約1000平方メートルの半球状スクリーンがありました。
フランツ・カフカのオブジェ/チェコ
フランツ・カフカはチェコの作家で、『変身』や『城』などの作品で有名です。そんな「フランツ・カフカのオブジェ」は首都プラハにあり、作者はチェコのアーティストのダビッド・チェルニー。
カフカの頭部をいくつもの鏡面パーツに分け、それがバラバラに回転してはそろって、カフカの顔になるという仕組みになっています。
クラウド・ゲート/アメリカ
シカゴのミレニアム・パークにある「クラウド・ゲート」は、インド出身の彫刻家アニッシュ・カプーアの作品です。豆に似た形をしていることから、「ザ・ビーン」という愛称もあります。
168枚のステンレスを溶接でつなぎ、さらに継ぎ目がわからなくなるまで研磨して、全体を鏡面のようにしました。オブジェの下をくぐることもでき、そこに映る光景は外側よりユニークだと評判です。
フロラリス・ヘネリカ/アルゼンチン
アルゼンチンの「フロラリス・ヘネリカ」は、銀色の巨大な花びらのモニュメントで、首都ブエノスアイレスにあります。2002(平成14)年に、建築家のエドゥアルド・カタラーノが作りました。ちなみに「フロリラス・ヘネリカ」というのは「花のすべて」という意味だとか。
このモニュメントの面白いところは、夜になると花びらが閉じ、朝になると開くところ。それを考えると、閉じ始めや開き始めはぜひ見ておきたいですね。
世界各国にある不思議な鏡のアート作品の数々。おもしろいギミックが組み込まれたものや作者の思いが込められたものまで、実にさまざまでしたが、気になる作品はありましたか?新型コロナウイルスが落ち着いたころには、ぜひ現地で実物を見てみたいですね。
- image by:douglasmack/Shutterstock.com
- ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。
- ※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウィルスの海外渡航・入国情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。