神秘的な空間に息を呑む。テキサス州にある入れたらラッキーな「ハミルトンプール」

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2025/05/24

アメリカ本土一の面積で荒野が多いテキサス州。カウボーイのイメージが強いこの場所に隠されたオアシスがあるのはご存じでしょうか?

それは、ドーム状の天井が作る独特の景観が魅力の「ハミルトンプール」。毎日の水質検査によってきちんと保護されているため、必ず入れるとは限らない貴重なプールです。

そこで今回は、大自然が創り上げた美しい「ハミルトンプール」がどのような場所なのかご紹介します。

ハミルトンプールの魅力

image by:石黒まり花

ハミルトンプールは地下水脈が通っていた地面が数千年の時を重ね、水の浸食と共に姿を変えてできた湖です。水の力で地下には徐々に穴が空き、洞窟になりました。

その天井が崩落し、端っこだけが残されて今の形になったのです。天井の上には川が流れており、その川から流れ落ちる何本もの滝はハミルトンプールのシンボルにもなっています。

image by:石黒まり花

水のカーテンのような滝と水面の色は季節や天候によって姿を変え、大自然が生み出す“奇跡の景観”といわれています。美しく神秘的な洞窟を見るだけでなく、泳いで楽しむこともできるということで観光客の間で口コミが広がっていきました。

ハミルトンプールへのアクセス方法

image by:lorenzatx/Shutterstock.com

アクセスの起点となるのはテキサス州の州都オースティンです。最寄りのオースティン・バーグストローム国際空港へはアメリカ国内で乗り換えが必要です。

空港からハミルトンプールまではレンタカーを借りて移動することになるので、日本から直行便のあるダラスやヒューストンへ行き、そこから3時間ほど車で移動する方法もあります。

オースティンから車で北東に向かって約1時間。市街を抜けるとなだらかな丘が姿を現し、山道へと入っていきます。両脇に緑が生い茂る道路を進んでいくと突如看板が現れます。小さな看板なので見逃さないように気を付けなければなりません。


天然のプールへ!

image by:石黒まり花

駐車場に車を停めるとハミルトンプールまでは10分程度歩いていきます。道は大方整備されていますが、トレッキングコースの一部を通るので時々岩を登って越えたり、足場の悪い道もあるので要注意。木々の間を小川が流れていて、これもハミルトン川の一部なのかも?と思いながら進んでいきます。

image by:石黒まり花

視界が広くなると木の枝の間から滝と水面が見えてきました。噂に聞いていた通り、エメラルドの湖と水面に降り注ぐ滝が幻想的です。

image by:石黒まり花

到着した時にはちょうど何かの撮影が行われていました。やはり絵になる場所だからでしょうね。水に浸かっているモデルさんたちは平然としていますが、実は水温は低いのです。水を触ってみると冷たく、水遊びをするなら天気のよい日でないと冷え切ってしまいそうです。

image by:石黒まり花

砂が盛り上がっている中洲では写真撮影をしている人が多かったです。暑くて遊泳可能な日にはこの部分にシートや荷物を置いて水遊びを楽しむのでしょう。

近づいてよく観察してみると光の射し込み具合でプールの色が変化しています。虹色に輝いて見えることもあるそうで、そんな瞬間に立ち会ってみたいと思いました。

image by:石黒まり花

洞窟の中へ入ってみましょう。設置されている見学通路に沿って進みます。ドームの天井を見上げれば、水の流れによってできた大小の鍾乳石が垂れ下がっており、不思議な空間に飲み込まれてしまいそうです。苔で覆われている姿も月日の流れを感じさせますね。

image by:石黒まり花

内側から見ると立体感があり、洞窟の奥行がよくわかります。自然にできたものでこんなにも綺麗なカーブが形成されるものなのか、と驚きました。

順路に沿って進んでいくと滝の裏側に到達します。ドームの端から流れ落ちている滝は高さ14m。内側から見ると天から湖をめがけて降り注いでいるように見え、神々しさを感じます。

降水量が多い時には水量が増すので迫力があり、違った印象を受けるでしょう。中には自ら滝に打たれている人も見かけます。隠れ家で天然のシャワーを浴びているといった感じでしょうか。

image by:石黒まり花

洞窟の中はスロープが設置されていますが、明確に見学エリアが区切られているわけではありません。何枚も重なる大きな岩の上で休憩したり、水面ぎりぎりまで近づいて記念撮影をしたりと、見学できます※。ただし、足場が悪いので気を付けていないと事故の元に。

滝の裏側でのんびり滝を眺めた後は木製の階段を上って出口に向かいます。この階段が急傾斜で滝の水しぶきもかかるので、最後は探検気分でした。

※現在、岩が崩落といった安全上の懸念からプールの張り出した崖の下を通る遊歩道は閉鎖されています。ビーチへのアクセスは可能ですが、プールを一周して滝の下まで歩くことはできません。

泳げる季節や条件とは?

image by:石黒まり花

南部に位置するテキサスは夏が長く、春や秋も暑い日が多いです。3月ごろから気温が上昇し始め、日中は11月ごろまで半袖で過ごせることも。

天気がよくて気温が高ければ泳げそうなのですが、水に入るにはひとつ大事な条件をクリアしないといけません。公園の管理局が毎日行っている水質検査です。

天然のプールは気候や天気によっては人体に影響を及ぼすバクテリアが発生することもあります。そのため水質条件の規定が定められており、泳いで大丈夫か安全管理が行われるのです。

遊泳の可否は当日の水質検査の結果によって判断されます。ハミルトンプールまでの道すがらの看板か入場ゲートで確認できます。また管理事務所に直接電話で問い合わせることもできます。

実は2回ハミルトンプールを訪れているのですが、どちらも残念な結果でした。まず、最初に訪れた3月末は曇りで気温も予想より低く、寒くて泳げるような状況ではありませんでした。それでも滝に打たれている強者はいましたが…。次は暑い9月上旬に再チャレンジ!と意気込んでみたものの、水質調査の結果により遊泳禁止でした。

いつでも観光客を受け入れてくれるとは限らない…行ってみないとわからないという運次第なところも魅力なのかもしれません。

営業時間・料金・予約方法

以前はいつでも気軽に入場できていましたが、現在は環境保護と混雑を避けることを理由に予約制になっています。ウェブサイトにて予約が可能。

時間は2部制で午前(9:00~12:30)と午後(14:00~17:30)に分かれており、それぞれ30分前には出発準備をして13:00と18:00までには退去完了するように義務付けられています。

訪れる時の注意点

image by:石黒まり花

駐車場からハミルトンプールまでの道はトレッキングコースになっているので履物はスニーカーまたは足を覆って留め具があるアウトドアに適したサンダルがおすすめです。

トイレは駐車場に1つだけありますが、備えつけの水道はないので、ウェットティッシュや除菌シート、除菌ジェルを持参しておきましょう。また売店や自販機もないので飲料水は十分持参するようにしてください。ガラス製品やアルコールは持ち込み禁止ということもお忘れなく。

そして、泳ぐ予定ならハミルトンプール到着前に予め水着を着用しておくとよいです。更衣室はないので帰りは車で着替えるか、乾くのを待って服を羽織ることになります。

森の中にこんなに美しい場所があるなんて驚きました。隠れ家のような一風変わった観光地として人気が出るのも納得です。泳ぐことができなかったのは心残りですが、またチャレンジしたいと思いました。

オースティンやトラヴィス湖など近隣の観光スポットも豊富ですので、ハミルトンプールと併せて訪れてみてくださいね。

  • ハミルトンプール
  • 24300 Hamilton Pool Road Dripping Springs, Texas 78620
  • 512-854-2581
  • 予約料金:12ドル(最大車両1台、最大8名)※オンライン決済かつ返金不可
  • 入場料:大人(13~61歳)8ドル/シニア(62歳以上)3ドル/子ども(12歳以下)無料 ※現金のみ、オンライン決済かつ返金不可
  • 9:00~12:30/14:00~17:30
  • 公式サイト
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元々インドア派だったはずが『恋する惑星』でウォン・カーウァイにハマり、初めての一人旅は上海へ。カメラ片手にどこへでも行くアクティブ旅女子になりました。現在は大学院に通いつつフリーライターとして、旅・アート・美容・ファッションをメインに活動しています。

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