【あるある】上京して驚いた、関東と関西の違い10選

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8. 落語

関東の「落語」の例 image by:vera46, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons

続いてご紹介するのは「落語」について。皆さんは、生の落語をどこかの寄席で見た経験がありますか?

筆者は一時期、新宿の「末広亭」や池袋の「池袋演芸場」に盛んに足を運んでいたので、それなりに親しんでいる方だと思います。

地方に移住してからは離れてしまいましたが、数年前にNHKで岡田将生さん主演の『昭和元禄落語心中』を見て、再び落語の魅力を思い出しました。

あの放送当時、岡田将生さん、もしくは雲田はるこ先生の原作コミックをきっかけに、落語ファンになった人も少なくないはずです。

作中で岡田将生さんが演じていた八代目・有楽亭八雲(菊比古)の落語スタイルは、もしかすると関西出身者にとって、違和感を覚えるスタイルだったかもしれません。その理由は、東西で落語のスタイルが異なり、同作の舞台は昭和時代の東京だったからですね。

東(江戸)のスタイルでは、落語家が自分の周りに何も置かずに、座布団と体だけで寄席に集まる観客と向き合います。

関西の「落語」の例image by:MASA, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

一方で西(上方)のスタイルは、落語家の前に見台(膝隠し)と呼ばれる台が置かれ、落語家は話の流れに応じて、手元の拍子や扇などの小道具を使い台をたたいて音を出します

この違いは、どこから来ているのでしょうか。

横浜市芸術文化振興財団によると、幕府のおひざ元であった江戸の落語家たちは、お座敷に呼ばれて落語を披露するスタイルが一般的だったといいます。要するに、聞く気のある客に落語を聞かせていたのですね。

一方の大阪や京都の落語家たちは、神社など屋外で演じていたといいます。当然ですが、道行く関心のない人たちの足を止めさせる必要がありますよね。そこで見台をたたくなどにぎやかな演出が生まれ、人の関心を集めました。

ある意味で上方の落語家たちの方が、よりシビアな戦いを日々強いられていたのかも。現在の関西におけるお笑いのレベルの高さは、このあたりの歴史も何か関係しているのかもしれませんね。

9. 朝食

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続いては「朝食」の違いについて。都道府県別統計とランキングで県民性をみる、とどらんの「穀物消費量ランキング」によると、京都府をはじめとした関西は「パン」好きの傾向があることがわかりました。

京都府に続いて、兵庫県、岡山県、滋賀県、大阪府といずれも西日本のエリアの消費量が多いことがわかります。

反対に「おにぎり」の消費量が多いのは東京都という結果に。さらに栃木県、岐阜県、福島県、長野県と続き、本州の中心部をメインに、東日本エリアの消費量が多いという特徴も。

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関西にパン好きが多い理由のひとつに、お好み焼きやたこ焼きをはじめとした「粉もん文化」が考えられます。関西では小麦粉を使った食文化があるため、同じ小麦粉を使うパン派が多いのかもしれませんね。

10. 肉じゃが

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最後にご紹介するのは、日本全国のソウルフードのひとつといっても過言ではない「肉じゃが」についてです。

肉じゃがといえば、ジャガイモとニンジン、タマネギなどを一緒に煮込む料理ですが、このなかに入れる「お肉」にも関東と関西で違いがあります。

実は、関東では「豚肉」で関西では「牛肉」が好まれるのです。もともと東西の家畜の歴史を辿ってみると、気温が低い関東では素早く動ける「馬」が活躍していました。それに対し、温暖な関西はパワーのある「牛」が主流に。

時代が流れ、関東では馬の代わりに「豚」を食する文化が浸透していき、現在にいたるといわれています。

今回は関東と関西で異なる文化や風習などをご紹介してきました。他にも調べると、さまざまな異文化があると分かりますし、まだまだ知られざる東西の違いが見えてくるはず。

日本の歴史においては、このように東西が切磋琢磨(せっさたくま)して、文化を発展させてきたのかもしれませんね。

新生活が始まり、上京者にとっては慣れない異文化に戸惑うこともあるかもしれませんが、だからこそ新しいことを楽しみ、魅力を発見してみてはいかがでしょうか。

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