外来語をカタカナ表記するうちに、まるで日本語になってしまったような言葉は数多くあります。むしろ外来語をまったく使わない日本語の会話や文章の方が珍しいかもしれません。
例えば、「テレビのニュースを見ながらピザを食べた」なんて文章でも、「テレビ」「ドラマ」「ピザ」をすべて日本語に置き換えるのは困難ですし、もしそれをすれば、かなり理解しづらい文章になってしまうのではないでしょうか。
上の3つの単語はもともとの意味をほぼ正確に伝えていますが、外来語のなかには本来の意味と違って使われてしまっているものもあり、そうした単語を逆に英語で使うときには注意が必要です。
※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウィルスの海外渡航・入国情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
「マンション」の意味、日本とアメリカで全然違う
日常的に使われているという意味では、「マンション」という単語はすでに日本語であるともいえるかもしれません。原語は英語の「Mansion」だと思われますし、英会話でそのままカタカナ発音しても通じやすい単語です。
しかし、英会話用文例のように「あなたはどんな所に住んでいますか?」「私は駅前のマンションに住んでいます」なんていってしまうと、日本の住宅事情を知らない人には大きな誤解を招いてしまうかもしれません。
日本語の「マンション」は一般的に高層の集合住宅という意味で使われますが、英語の「Mansion」は広大な大邸宅を意味するからです。
試しに英語のグーグルで「Mansion」をイメージ検索してみてください。
「Mansion」という言葉から英語ネイティブの人は、この写真のような豪邸をイメージします。
ですから日本のように「駅前の」マンションというものは普通あり得ませんし、ましてや「ワンルーム」マンションをそのまま英語にすると、まったくの形容矛盾か意味不明な言葉になってしまいます。
最近流行りの「タワー」マンションに住んでいるといったら、中世のお城のような建物に住んでいると誤解されてしまうかもしれません。「賃貸」マンションも多分、アメリカにはありません。
「アパート」の意味も、日本とアメリカで微妙に違う
それでは日本語の「マンション」のような建物がアメリカには無いのかといえば、そんなことはありません。
その場合には「high-rise apartments」という表現がもっともイメージが近いでしょう。上と同じように英語のグーグルで「high-rise apartments」とイメージ検索してみてください。ほぼ日本語の「マンション」のイメージに近い、高層ビルの画像を見ることができるでしょう。
この例に見られるように、英語の「Apartments」は集合住宅ではあっても、必ずしも低価格の物件であるとは限りません。
日本語では「豪華なアパート」という表現はあまり目にすることはありませんが、アメリカの賃貸住宅広告にはよく「Luxury Apartments」というキャッチフレーズが登場します。
ですから、上の英会話用文例であなたが質問する側になって、「あなたはどんな所に住んでいますか?」と尋ねて、「私は”Apartments”に住んでいます」という返答が返ってきても、その人は「ワンルーム」マンションのような部屋に住んでいるかもしれませんし、あるいは「タワー」マンションに住んでいるのかもしれません。
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