「マンションに住んでいます」は誤解を招く?日本とは違うアメリカの住宅事情

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2021/09/22

高騰するアメリカ都市部の賃貸住宅

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ところで、アメリカの都市部では賃貸住宅の値段がこの20年ほどずっと上がり続けています。賃貸情報を掲載する WebサイトRENTCafe.comの賃貸市場の動向によると、私が住むカリフォルニア州アーバイン市だと、平均的な1ベッドルームのアパート家賃が2,500ドル(約27万5千円)ということです。

全米でもっとも住宅費が高いサンフランシスコやニューヨークともなると、同じく平均的な1ベッドルームのアパート家賃が約30万円を越えることも珍しくありません。

アメリカの「Luxury Apartments」image by:Shutterstock.com

そうなりますと、例えば大学を卒業して就職したばかりの若い人が(若くなくても)、アパートでひとり暮らしを始めるなんてことはほぼ不可能です。

ですから、アメリカ人との会話ではよく「ルームメイト」という言葉が出てきます。何人かでひとつのアパートをシェアするわけです。新婚夫婦でさえ、同じアパートの1室を他人とシェアするケースもよくあります。

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もはや四半世紀以上も前の話になりますが、当時大卒3年目の私が東京からニューヨークに引っ越ししたときは、家賃1000ドルほどで1ベッドルームのアパートを借りることができました。それでも随分高いなあとは思っていましたが、まだ普通のサラリーマンの給料でなんとか払える金額ではありました。

そのことを考えると、現在はまさに隔世の感があります。実感としては、私が若かったころから比べて、賃貸家賃は3倍以上に値上がりしているのではないでしょうか。いくらインフレ傾向のアメリカとはいえ、あまりといえばあまりの高騰です。

アメリカの若者も大変だなあと思わざるを得ません。その過酷な住宅事情から逃れるために、かつて人気があったカリフォルニアやニューヨークから他の州に移住する人が増えています。

私の周囲でも、何人かの若い友人たちがアイダホ、ニューメキシコ、テキサスへと仕事を見つけて引っ越していきました。そこではカルフォルニアでアパートに払っていた家賃以下で一軒家が買えたり、借りたりできるそうです。

  • 参考:RENT Cafe「Irvine, CA Rental Market Trends
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角谷剛(かくたに・ごう) アメリカ・カリフォルニア在住。IT関連の会社員生活を25年送った後、趣味のスポーツがこうじてコーチ業に転身。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持つほか、現在はカリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー部監督を務める。また、カリフォルニア州コンコルディア大学にて、コーチング及びスポーツ経営学の修士を取得している。著書に『大谷翔平を語らないで語る2018年のメジャーリーグ Kindle版』、『大人の部活―クロスフィットにはまる日々』(デザインエッグ社)がある。

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