「マンションに住んでいます」は誤解を招く?日本とは違うアメリカの住宅事情
高騰するアメリカ都市部の賃貸住宅
ところで、アメリカの都市部では賃貸住宅の値段がこの20年ほどずっと上がり続けています。賃貸情報を掲載する WebサイトRENTCafe.comの賃貸市場の動向によると、私が住むカリフォルニア州アーバイン市だと、平均的な1ベッドルームのアパート家賃が2,500ドル(約27万5千円)ということです。
全米でもっとも住宅費が高いサンフランシスコやニューヨークともなると、同じく平均的な1ベッドルームのアパート家賃が約30万円を越えることも珍しくありません。
そうなりますと、例えば大学を卒業して就職したばかりの若い人が(若くなくても)、アパートでひとり暮らしを始めるなんてことはほぼ不可能です。
ですから、アメリカ人との会話ではよく「ルームメイト」という言葉が出てきます。何人かでひとつのアパートをシェアするわけです。新婚夫婦でさえ、同じアパートの1室を他人とシェアするケースもよくあります。
もはや四半世紀以上も前の話になりますが、当時大卒3年目の私が東京からニューヨークに引っ越ししたときは、家賃1000ドルほどで1ベッドルームのアパートを借りることができました。それでも随分高いなあとは思っていましたが、まだ普通のサラリーマンの給料でなんとか払える金額ではありました。
そのことを考えると、現在はまさに隔世の感があります。実感としては、私が若かったころから比べて、賃貸家賃は3倍以上に値上がりしているのではないでしょうか。いくらインフレ傾向のアメリカとはいえ、あまりといえばあまりの高騰です。
アメリカの若者も大変だなあと思わざるを得ません。その過酷な住宅事情から逃れるために、かつて人気があったカリフォルニアやニューヨークから他の州に移住する人が増えています。
私の周囲でも、何人かの若い友人たちがアイダホ、ニューメキシコ、テキサスへと仕事を見つけて引っ越していきました。そこではカルフォルニアでアパートに払っていた家賃以下で一軒家が買えたり、借りたりできるそうです。
- 参考:RENT Cafe「Irvine, CA Rental Market Trends」
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