国によって異なる食事のマナー。例えば、インドでは右手を使ってご飯を食べたり、中国では目上の人からご飯を食べたりと、いろんなルールがあるものです。
それは日本と距離的にも近い韓国も例外ではなく、その国ならではの食事の習慣がある様子。そこで今回は、韓国の食事事情に注目して実際にお話を伺ってみました。
※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの海外渡航・入国情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
韓国ではなぜ「お茶碗」を持たないの?
韓国ドラマや映画を観ていると、たまに食事シーンが登場しますよね。その食事風景を見てみると、韓国人はお茶碗を持たずにスプーンとお箸を使ってご飯を食べています。
反対に日本ではお茶碗を持って食べることが一般的で、スープを飲むとき以外スプーンをあまり使うことはありませんよね。
筆者は小さいときに親から「お茶碗は必ず持って、テーブルに肘を付かずにご飯を食べなさい」と教えられてきました。大皿は持ちませんが、小さなおかず(小鉢)くらいなら持って食べるようにいわれたことを覚えています。
もちろん国によってマナーは違いますが、日本人から見ると韓国の小さなお茶碗なら、持って食べた方が便利な気もしますよね。
ステンレス製で熱いから持てない!?
「食事のときにお茶碗は持ちません。ステンレスで熱いから、持てないというほうが正解かもしれないです」(韓国出身)
「ステンレス以外のお皿もあるけど、昔の名残でお茶碗は持たずに食べますね」(韓国出身)
たしかに、韓国料理屋さんで白ごはんが提供されるときは、だいたい銀色の食器なイメージ。昔、一度持って食べようとしたらとても熱かった記憶も…!
金属製の食器が使われるようになった理由の背景には、割れやすい陶器類よりも、壊れにくい金属製の食器の方が好まれた。
宮廷で使われていた金属製の食器が庶民に浸透していった、などの説もある様子。
では、もうひとつの疑問。韓国ではなぜスプーンでご飯を食べることが多いのでしょうか?
韓国ではなぜ「スプーンとお箸」がセットなの?
「お箸はおかずを取るときに使う用です!」(韓国出身)
「スープと一緒にご飯を食べることが多いから、そのままスプーンを使ってます。小さいときは、スプーンでご飯をすくったら、その上にお母さんがお箸でおかずをのせてくれてましたね。いまでも当たり前のように、食卓にスプーンとお箸が並んでるかな」(韓国出身)
お箸はおかずを取る用
お話を聞いてみると、おかずによって使う食器がだいたい決められているのだそう。例えば、スープを飲むときはスプーン。そしてライス(白ごはん)を食べるときもスプーン。おかずを取るときはお箸。
ちなみにご飯をスープに浸して食べることもあるから、スプーンを使って食べることが多いとのコメントもありました。また「私はプロだから、フライドチキンを食べるときも手袋をせずにお箸で食べる!」という話も。
韓国では食事中に正座はしない
そのほかにも、いろいろな日本との食文化の違いが見えてきました。
「韓国は日本と違い、あぐらをかいて食べるのは普通です」(韓国出身)
「正座は罰を受けているときの姿勢だから、床では基本的にはあぐらですね」(韓国出身)
日本のお座敷などでは、正座をすることが一般的とされていますが、韓国では違った意味に捉えられます。実は、韓国での正座は「罰を受ける人の座り方」として認識されているため、食事をする際もあぐらをかいたり、立膝をするシーンも珍しくありません。
正座をする場面もあるそうですが、改まったときなどでしかしないそう。そのため食事中にあぐらをかくのも当たり前みたいですね。
このように距離的にも文化的にも近い韓国ですが、食事事情ひとつ切り取ってみてもいろんな違いがあることがわかります。
もちろんどちらが正解などはありません。お互いの知られざるカルチャーを知っていくことで、ドラマや映画を観ているときの楽しみが増えるかもしれないですね。
- image by:LMspencer/Shutterstock.com
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