なぜ海外の音楽ファンは渋谷のレコード店に足を運ぶのか?日本音楽の国際的評価
音楽と文化を愛する旅行者の皆さんは、渋谷のレコード店が今、世界中の音楽ファンにとっての“聖地”となっていることをご存じでしょうか。
MIYASHITA PARKにあるアナログレコード専門店「Face Records ミヤシタパーク店」では、驚くべき現象が起きています。新品レコード購入者の約9割が海外からの旅行者で、彼らは日本の音楽を求めて熱心に店を訪れているのです。
2025年の販売データが明かす、実際に売れている新品レコードランキングを通じて、世界の音楽ファンを魅了する日本音楽の魅力と、それを体験できる渋谷の旅の楽しみ方をご紹介します。
渋谷・MIYASHITA PARKで起きている音楽文化の交差点

渋谷区神宮前に位置する「Face Records ミヤシタパーク店」は、日本の音楽文化を体感できる場所として、海外からの旅行者にとって欠かせない訪問スポットとなっています。
2020年の開業当初は国内客が中心でしたが、5年以上が経過した現在、店舗の様相は大きく変化しました。店内では、20代〜30代を中心とした欧米やアジアからの旅行者たちが、日本の音楽レコードを熱心に手に取る姿を目の当たりにできます。
2025年の販売データによれば、新品レコードの販売点数は前年比約20%増加。この成長を牽引しているのは、まさに海外からの来店客なのだそう。
彼らにとって同店は、単なるショッピングスポットではなく、日本の音楽文化に直接触れられる“文化体験の場”なのです。
2025年版人気レコードランキングが示す日本音楽の多様性

実店舗の販売データから明らかになった「新品レコード売上ランキング」は、日本音楽の国際的な評価を如実に物語っています。
- 1位:metaphorical music/Nujabes
- 2位:modal soul/Nujabes
- 3位:ハウルの動く城 サウンドトラック/久石譲
- 4位:Timely!!/杏里
- 5位:千と千尋の神隠し サウンドトラック/久石譲
- 6位:魔女の宅急便 サントラ音楽集/久石譲
- 7位:となりのトトロ イメージ・ソング集/久石譲
- 8位:FOR YOU/山下達郎
- 9位:もののけ姫 サウンドトラック/久石譲
- 9位:Heaven Beach/杏里
- 10位:A CHARLIE BROWN CHRISTMAS/VINCE GUARALDI TRIO
- 11位:Hydeout Productions – First Collection/Various Artists(Nujabes presents)
- 12位:美少女戦士セーラームーン 30th Anniversary Memorial Album/Various Artists
※ランキングはミヤシタパーク店独自集計
注目すべきは、これらの作品が昭和〜平成にかけて日本で生まれた音楽であり、現在それらを熱心に求めているのが海外からの旅行者たちだという点です。
日本では一世代前の音楽として認識されているものが、世界では今まさに新鮮な発見として受け入れられているのです。
海外の音楽ファンが「日本で」レコードを買う3つの理由

ランキング上位の作品たちは、大きく3つの音楽ジャンルに分類できます。それぞれに共通しているのは、日本との文化的な結びつきが強く、「日本で手に入れること」自体が特別な意味を持つという点です。
渋谷発「ローファイ・ヒップホップ」という聖地体験
Nujabesに代表される渋谷発の「ローファイ・ヒップホップ」は、今や世界中のリスナーから高い評価を受けるジャンルです。ジャズやソウルの要素を取り入れた、メロディアスで温かみのあるサウンドが特徴で、Nujabesはその礎を築いた存在として国際的に評価されています。
海外のファンにとって、Nujabesが活動拠点としていた渋谷でレコードを購入することは、音楽が生まれた聖地を巡礼する行為そのもの。レコードという媒体は、音楽だけでなく「どこで買ったか」という体験まで含めて価値が形成されます。渋谷で手に入れたレコードは、音楽をより深く楽しむための大切な記憶となるのです。
アニメ音楽がつなぐ映画体験と旅の記憶
久石譲によるジブリ作品の音楽は、映画が持つ独自の世界観とともに、日本らしさを強く印象づける存在です。
店舗スタッフによれば、ジブリ作品のレコードは海外では新品で手に入る機会が限られているため、多くの旅行者が「日本で探すこと」を目的に来店し、「やっと買えた」と喜ぶ場面が日常的に見られるといいます。
映画を通じてイメージした日本の情景や感情、そして実際に日本を旅した際の記憶。それらをひとつに束ね、持ち帰る媒体として、レコードが選ばれているのです。旅行者にとって、ジブリのレコードは単なる音楽ソフトではなく、日本での旅の思い出を形にしたものと言えるでしょう。
ジャンルとして定着した「シティ・ポップ」
杏里や山下達郎に代表される「シティ・ポップ」は、海外ではすでに“Japanese City Pop”というひとつの音楽ジャンルとして確立されています。
もはや単なる「懐かしの日本のポップス」ではなく、都市や時代、空気感まで含めて楽しまれる音楽文化となっているのです。渋谷はその音楽が生まれ、街を楽しむ音楽として親しまれてきた場所。海外のファンは、渋谷という街の空気の中でレコードを手に入れることに特別な価値を見出しています。
店舗では、スタッフのレコメンドをきっかけにシティ・ポップを知り、気に入って購入する旅行者も多いとのこと。現地での出会いと発見が、新たな音楽体験を生み出しているのです。
山下達郎、竹内まりや、ラ・ムー、1986オメガトライブなど、日本の80年代のシティポップサウンドを作り出し、世界中で再評価されるキッカケを作った5人の男たちと、世界的シティポップ大ブームを起こしながら存在を消された悲劇の米国DJを追うドキュメンタリー動画『かぎりなき夏 ジャパニーズ・シティポップ ドキュメンタリー』を2026年1月20日に公開しました。これを見れば、なぜ世界で日本のシティポップがブームになっているのかがより深く理解できます。
日本音楽の国際評価から学ぶ文化の循環

興味深いのは、日本では一世代前の音楽として認識されているこれらの楽曲が、海外で新たな文脈を得て評価されている点です。
Nujabes、久石譲、杏里、山下達郎。これらのアーティストの音楽は、特別な戦略や意図を伴うことなく、海外の音楽ファンの日常に自然と入り込んでいました。
YouTubeやTikTokなどのプラットフォームを通じて偶然出会い、その独特な魅力に引き込まれたリスナーたちが、実際に日本を訪れ、レコードを手に取っているのです。
この現象は、音楽文化の国際的循環という貴重な事例を物語っています。日本で生まれた音楽が海を越え、新しい世代に愛され、そして彼らが日本を訪れることで文化が再び循環する。渋谷のレコード店は、その循環の最前線に立っているのです。
まとめ
渋谷・MIYASHITA PARKで起きている日本音楽ブームは、単なる音楽トレンドを超えた深い文化現象です。世界中の若い音楽ファンたちが、日本を代表する音楽に魅了され、わざわざ日本を訪れ、そしてレコードを購入しているという事実は、音楽が持つ普遍的な力と、文化の国際的循環の素晴らしい実例を示しています。
「Face Records ミヤシタパーク店」での体験は、旅行者にとって日本文化の新たな価値発見の場となっていることでしょう。世界の音楽ファンと同じ空間で、日本の音楽が海を越えて愛され続けている光景を目の当たりにすることで、自国の文化的資産の豊かさを再認識できるでしょう。
音楽と文化に興味深い旅行者の皆さんは、ぜひMIYASHITA PARKの「Face Records ミヤシタパーク店」を訪れてみては?そこで体験できるのは、ショッピングを超えた文化交流と発見の旅。
日本の音楽が世界でどのように愛されているかを直接体感し、音楽が持つ国境を越えた絆の力を実感する、忘れられない旅の思い出となることでしょう。
- Face Records ミヤシタパーク店
- 渋谷区神宮前六丁目20番10号 MIYASHITA PARK South 3F
- 03-6712-5645
- 渋谷
- 11:00〜21:00


