スペインのバルセロナにある「サグラダ・ファミリア」など、未完成の「永遠未完」って、なんだかすてきな響きがありますよね。
サグラダ・ファミリア以外にも、何らかの事情で、ときには後ろ向きな事情で未完のまま工事や開発が続いている場所も。ほかにも日本にも未完の場所がいくつか存在しているのです。
そこで今回は、日本や世界の完成していない魅惑の建物たちをいくつかご紹介していきます。
※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの海外渡航・入国情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
サン・ペトローニオ聖堂/イタリア
最初は、イタリアのボローニャにある聖堂から。ボローニャとは、イタリア北部にある都市で、サッカー日本代表の選手が所属した経験のあるサッカーチームやヨーロッパ最古の大学などが有名な都市です。
そのボローニャで最も大きく重要度の高い教会が「サン・ペトローニオ聖堂」で、ヨーロッパでも6番目に大きな聖堂とされています。
高さは約132mですから、姫路城(約92m)よりも大阪の通天閣(約108m)よりも巨大な建築物。確かに大きいですよね。
この聖堂は、その創建が1390年に始まりました。以後、数世紀にわたってその建築が続きましたが、ファサード(建物の正面・前面)については未完とされています。
建物を正面から見れば、未完の部分は一目瞭然。正面の下の部分が白と赤の大理石が使われていますが、上の部分は古いレンガが使われています。
シエナ大聖堂/イタリア
次も同じイタリアの建物についてです。トスカーナ地方にあるシエナという街にある「シエナ大聖堂」も未完といわれています。トスカーナ地方といえば、フィレンツェなどもある地方で、ルネサンス文化開花の土地です。
そのトスカーナ地方にあるシエナも、ゴシック期・ルネサンス期の建築や美術品が富む都市で、街のシンボルであるシエナ大聖堂もゴシック建築の特徴を持ちます。
もともと異なる教会が9世紀のころから存在したみたいですが、その土地に1196年、新しい大聖堂の建築が始まりました。
1339年には、新たなプロジェクトも始まり、教会堂の入り口から祭壇にかけての中央部分を2倍にする工事が始まります。ただ、ちょうど同じ時期に黒死病が流行し人口が激減するなど、トラブルが重なり、なんとまだ未完のままなのだとか。
ちなみに、未完の部分は中央部分(身廊)の東側の壁にあたるそうです。シエナに旅行する機会があれば、ぜひとも眺めてみたいですね。