石の動物しかいない…世界の「動物園」はおもしろカルチャーの宝庫だった

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動物園なのにチョウしかいない/イギリス・アメリカ

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動物園と名乗る場所があれば、さまざまな種類の動物がいると当然考えてしまいます。

例えば、ゾウだとかヒョウだとかカバだとかパンダだとか。しかし、イギリスには「ワイ・バレー・チョウ動物園(Wye Valley BUTTERFLY ZOO)」というチョウ専門の動物園があります。

昆虫であるチョウと、ライオンやクマ、レッサーパンダなどの動物は、ずいぶんと遠い存在に思えます。しかし、最大の分類である「界」では同じ動物界に分類されます。

「界」の次である「門」で、節足動物門・脊索(せきさく)動物門として枝分かれしているものの「界」で見れば同じくくりなのですね。

そもそも動物園の「Zoo」は「Zoological garden」の略語で「Zoological」は「動物学の」といった意味です。

動物学の研究部門には、人類学もあればほ乳類学もあれば節足動物学もあればクモ学もあります。

言い換えると、動物「界」に分類される生き物であれば「動物に関する囲い地(Zoological garden)」に展示しても全く変ではないのですね。

その証拠に、チョウしかいない動物園は他にもあります。例えば、アメリカのフロリダにある「バタフライ・ワールド(Butterfly World)」です。

3エーカーの土地に植物園があり、チョウの飼育所があり、研究所があります。地球上のチョウのうち8割のチョウが飼育されているみたいですね。

世界最古の動物園/オーストリア

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最後は、オーストリアにある世界最古の動物園シェーンブルン動物園(Schonbrunn Zoo)」です。通称は「ウイーン動物園」で、創設は1752年ですから、日本でいえば江戸時代になります。

「ヨーロッパベスト動物園賞」に現在まで6回連続で輝いていて、ユネスコの世界文化遺産にも、シェーンブルン宮殿の一部として選ばれています。トリップアドバイザーの「トラベラーズチョイス2022」にも輝き、

<The world’s most beautiful zoo>(『シェーンブルン動物園』の公式ホームページより引用)

と、利用者に評価もされているのだとか。

飼育・展示されている動物は700種以上。熱帯から北極圏の生き物が楽しめて、キリン、オラウータン、シベリアトラ、コアラ、アフリカゾウ、ミーアキャット、ジャイアントパンダ、ペンギンなどがいます。

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もともとは、中部ヨーロッパを中心に広い地域に君臨した、ヨーロッパで最も由緒ある家柄のハプスブルク家(貴族の家系、オーストリアの旧帝室)の私設動物園としての歴史を持ちます。

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ハプスブルク家の本流にして、神聖ローマ皇帝カルル6世の娘である「女帝」マリア・テレジア(マリーアントワネットのお母さん)の夫としても有名な神聖ローマ帝国の皇帝フランツ1世が創設したそう。

皇室一家が朝食に利用したパビリオンで食事できるなど、ヨーロッパの歴史を感じられるスポットでもあります。オーストリア旅行ではぜひ立ち寄りたいですね。

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