海外旅行における「トイレ」は、国内旅行以上に死活問題です。そもそも、海外では日本ほどトイレが清潔でないうえ、安全なトイレがいたるところにあるわけではありません。
なかには入口でお金を払わないと利用できないような、有料のトイレも、少なからず存在します。
さらに、飛行機をはじめとする長距離移動では、途中で必ずトイレへ行きたくなります。できる限り、旅行中でのトイレの悩みやストレスを軽くするには、どうすればよいか。
今回は、旅のプロである筆者が長年海外で経験してきた、トイレについて心がけていることや注意点などをまとめました。
目次
海外で「まだ安全」に利用できそうな公共トイレ
海外から日本へ帰国するたび、「日本のトイレがきれいなこと」に改めて感動します。それほど、海外のトイレ事情は、国・地域によって清潔感に差があり、決して良いとは言えません。
まず、海外で、公共施設のトイレを利用するとすれば、主に以下の場所で借りることができます。
- カフェ・レストラン
- 美術館などの観光スポット
- 百貨店
- ショッピングモール
- ホテル、カジノ
- 空港
カフェやレストランなどは、もちろん利用した場合のみ。食事して出る前に、必ずトイレへ行っておきます。
国・地域によって、トイレに「鍵」がかかっていることも。その場合、店員さんに言えば、鍵を渡されたり、鍵を開けるための番号を教えてくれたりします。アメリカでは、「スターバックス」店内にあるトイレは鍵がかかっていました。
観光スポットでも、トイレをよく利用します。美術館は入口などに警備員が立っていることが多く、比較的安全です。高級な百貨店なども、入口に体格のいいドアマンが必ずいます。
ホテルは、宿泊者以外は内部に立ち入りができない場合もあるので注意。アメリカ・ラスベガスにあるカジノでは、施設ごとにトイレがあり、しかも比較的きれいで助かりました。
海外で増えている「有料」トイレ、実は無料よりも安全!?
日本では、公共のトイレを無料で利用できます。一方、海外では有料のトイレに遭遇することが増えています。
特に、ヨーロッパでは、トイレの入口でコインを入れたり、スマートフォンなどで決済しないとは入れなかったり、入口に人がいて50セント~1ユーロを渡すと利用できることも。主要な駅などのトイレは、有料であることが多いです。エジプトの観光スポットにあるトイレも有料で、お金を渡すとトイレットペーパーを渡してくれました。
トイレの入口に小銭が入ったお皿が置いてあれば、そのトイレは有料なので、小銭を必ず入れてから利用しましょう。小銭が金額ピッタリなければ、お釣りをくれます。
有料のトイレのほうが、無料よりもまだきれいで、治安の面でも安全と言えます。ただ、早朝や深夜など人が少ない時間帯は、トイレが有料であっても利用しません。
トイレットペーパーはないのが常識、そのまま流せない国も多い
海外のトイレでは、日本のように「トイレットペーパー」が必ず備え付けられているとは限りません。むしろ「トイレットペーパーはない」と考えるのが無難です。
トイレで使うティッシュペーパーは、毎日必ず持ち歩きます。現地でもスーパーマーケットなどに売っています。さらに不安なら、便座を拭く「除菌シート」も持参し、合わせて使います。
また、ティッシュペーパーは、そのまま流さないこと。備え付けのゴミ箱に捨てるのが鉄則です。大きめのゴミ箱があるトイレは、トイレットペーパーも流してはいけません。
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長距離移動時のトイレ問題、飛行機では「通路側」指定
飛行機や鉄道、バスなどで長距離移動する場合にも、トイレ問題があります。例えば、飛行機に乗る際、飛行時間2時間以上かかる時には、通路側の座席を事前指定します。窓側席かつ満席だと、機内で通路に出るのも大変だからです。
鉄道やバスなら、乗っている時間はそれほど長くないのがほとんど。乗る前や乗換時などに、必ずトイレへ行っておきます。
また、旅行中は水分をできるだけ控えめにします。とはいえ、まったく飲まないのは身体に良くないため、ほどほどに。特に、カフェインの摂り過ぎには、日ごろ以上に気を付けています。お酒を飲む人も、水分の摂り過ぎにはくれぐれも注意してください。
「トイレは早めに」「飲みすぎ厳禁」が海外旅行の鉄則
海外旅行で常に心がけていることは「トイレは早め早めに行っておく」ことです。次にいつ、安全に利用できるトイレがあるかわかりません。イタリア・ミラノの高級百貨店では、店内のトイレが最上階にしかなかった、という経験もあります。日本のようにデパートの各階に必ずトイレがあるとも限らないのが、海外です。
「水分は適度に摂る、飲み過ぎ注意」も大事。アイスクリームなどお腹を冷やす食べ物にも気を付けています。旅先での体調管理のため、「ビオフェルミン」「正露丸」といった整腸剤も、日本から必ず多めに持参しています。
さらに、海外でトイレの個室を利用する際、ドアのフックなどに荷物を吊り下げる場合も注意してください。トイレは公共の場であり、いろいろな人がいます。壁や扉の向こうから手が伸びてきて、貴重品などが入ったバッグごと盗られる可能性があります。トイレ内であっても、周りへの警戒はとても大事です。
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