外国人に何かを贈ろうと思うと、ちょっと迷ってしまいます。何が好みなのか予想しにくい部分もありますし、各国の風習や文化から考えて、何が適切なのか判断しにくいからです。
そこで今回は、海外に暮らす筆者の知人たちからの情報や、贈り物でトラブルになった過去のニュース記事を参考にして、外国人にあげるには要注意なプレゼントをまとめてみました。
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中国人では「時計」=縁起が悪い?
まずはお隣「中国」で贈ってはいけないものの話題から。
その代表的な例が「時計」。日本では定番のプレゼントですが、中国では絶対にNGです。
手元の『中日・日中辞典』(講談社)で調べると、「時計」は中国語で「チョン(zhong)」に近い発音となり、まったく同じ発音で「終わり・終わる・人の死」を意味する言葉にもつながるそうです。
さらに「時計を贈る」と表現するのも、「死者を見送る」意味のピンイン※と重なってしまうためさらにNG(※ピンイン=中国語の発音記号。音節を音素文字に分けラテン文字化して表記する発音表記体系)。翻訳機に入力して聞いてみましたが、たしかにまったく同じ音に聞こえました。
要するに、縁起が悪い贈り物になってしまうため、中国人には、時計の贈り物は控えた方が無難なのですね。
過去には、イギリスの大臣がこのタブーを知らずに、台湾・台北市の市長に時計を送ってしまったとBBCで報じられたことがありました。あとにこの真相を知って、すぐに謝罪したそうですが、一国の代表となるような人でもやってしまうミスなのですね。
ちなみに、イギリスで時計は喜ばれる贈り物のひとつみたいですよ。
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外国人に「花」を贈るのは意外と超高難度
先ほど、BBCの報道についても触れましたが、そのBBCのニュースに登場する専門家は、国境を越えた人に渡す贈り物として「花」はトラブルを引き起こす可能性が高いと指摘しています。
たとえば日本でも、仏花のイメージがある「菊」の花をプレゼントすることは好ましくないとされていますよね。中国でも同様に、”葬儀を連想させる花”として菊の花を贈るのはNGです。
花には、各国の文化圏の中で独特の役割や意味が持たされており、花の種類はもちろん、何本の花を贈るかによっても意味が変わってきます。偶数を不吉と感じる国の人たちもいます。
花言葉に「美」「友情」「献身」などと書かれているからと黄色いバラを贈っても、相手がフランス人やメキシコ人だった場合、不倫や死を連想させてしまう恐れもあるわけです。
花は、外国人に贈るプレゼントとして、かなり難易度が高いと心得ておいた方がいいかもしれませんね。
中国人に「梨・洋梨」は買ってもいいけどあげちゃだめ
さらに中国人への贈り物としてタブー視されているのが「梨」や「洋梨」。
「梨」と「別離」を表現するピンインが同じことから、遠回しに“永遠の別れ”を意味していると勘違いされてしまうそうです。なので、買うのはよくても人にあげるのはタブー。体調の悪い人にお土産で持っていくなんて言語道断。大激怒を喰らいそうです。
逆に、絶交したい相手に贈る場合もあるのだとか。中国でしか伝わらない重大なメッセージですね。
とはいうものの、家族や友人同士が集まる場面で梨や洋梨を食べることもありますよね。
「別離」の暗示は梨の切り分けにも関係があるようで、別離=切り分けて食べてるのは縁起が悪いとして、切らずに丸かじりするのが一般的なようです。
日本でも「恵方巻き」食べる際に、縁が切れたり福が途切れたりしないようにと、包丁でカットしてはいけないと決まりがありますが、似たようなものかもしれませんね。
CNNのサイトには、ほかにも、「緑色の帽子」は浮気中の女を意味するからNG、「ナイフ」「靴」「傘」も別れをイメージするからだめ…などとたくさん紹介されていました。
ちなみに、贈り物とは意味が違いますが、靴に関してはジョージ・W・ブッシュ元米大統領にイラク人記者が靴を投げるアクシデントが過去に起きました。
その際現地では、「ブッシュに最高の贈り物をした」とイラク人記者が英雄扱いされました。アラブ諸国においては、靴を投げる=最大の侮辱という意味です。靴を投げる「贈り物」は決して真似しないように注意したいですね。
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