台湾人と韓国人が気になっていた、日本とは微妙に違う礼儀作法
プレゼントに「グラス」を渡すのはマナー違反?
続いては、親しい友人や恋人へのプレゼントについて。ユナさんは日本人の恋人のクリスマスプレゼントに、おそろいのワイングラスを購入したところ、恋人から「割れ物は縁起が悪い」といわれた経験があるのだとか。
日本では、ふたりの門出を祝う結婚式などの贈り物は、「切れる」を連想する刃物や、割れてしまうグラスやマグカップなどの割れ物は贈らないほうがよいといわれていますよね。
もちろんカップルでおそろいのグラスやマグカップを持つことはお互いの自由ですし、マナー違反ということはありません。しかし、ユナさんは恋人に「縁起が悪い」といわれ、少し戸惑ってしまったみたいです。
「韓国では、たとえ割れてしまうものでも恋人とおそろいのものを持つことはタブーじゃない。でも、ハンカチやタオルなどは恋人にプレゼントしてはいけないよ」
韓国では「ハンカチ」や「タオル」が贈り物にNGとされているみたいですね。その理由を聞いてみると、ハンカチやタオルなど、涙を拭くものは別れを意味するため、恋人には絶対に渡してはいけないプレゼントなのだとか。
また、「韓国では靴をプレゼントするのもあまりよくないといわれている」とユナさんは教えてくれました。
理由は、靴を恋人にプレゼントすると相手が逃げていってしまうから。恋人以外の相手に対しては、「これ(靴)を履いてどっか行っちゃえ」という意味を持つのだとか。
ちなみに日本でも「踏みつける」を連想することから、贈り物として靴はあまりよくないといわれています。
日本や韓国と同じように、台湾でもタブーとされている贈り物があります。それは「置き時計」です。
「置き時計をプレゼントすることを『送鐘』といい、これは『最期をみとる』という意味の『送終』と同じ読み方になってしまう。だから、贈り物には選んではいけないといわれている。でも、どうしても置き時計をあげたい場合は、相手に1元で買い取ってもらう。そうするとプレゼントではなくなるから」
と、リンさんが教えてくれました。
ほかにも台湾では、恋人に「傘」を贈るのはよくないといわれているそう。こちらも置き時計と同じように読み方が大きく関係しており、別れを意味する「散」と「傘」の発音が似ていることから、贈り物に不適切といわれているのですね。
このように台湾と韓国には、日本とは微妙に違うさまざまなマナーや礼儀作法がたくさんあります。国によってそれぞれ作法が異なり、時と場合によっては、違った意味にとらえられてしまうことも少なくありません。
おふたりとも日本に住み始めたころは、異なるマナーや礼儀作法に驚くことも多かったみたいですが、いまではその違いを新しい発見として楽しんでいると教えてくれました。
もしも台湾人や韓国人と交流することがあったら、今回紹介した作法を思い出してみてくださいね。きっと新しい発見があるかもしれませんよ。
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