火災で全焼からの再建…地元のクラウドファンディングで蘇った「松籟荘」の再出発

今年の3月1日、長野県の湯田中温泉に、全5室の数寄屋造り、露天風呂付客室の宿「松籟荘(しょうらいそう)」がリニューアルオープンします。リニューアルというのも実はこの旅館、2021年の火災で一度は全焼したものの、再建を願う地元のファンや客からのクラウドファンディングで蘇ったのだという。開湯1350年を数える伝統の温泉地であり、信州でも指折りの名湯を堪能できる湯田中温泉で起きた復活劇。今回は数ある宿泊施設の中でも老舗中の老舗として知られているのが旅館「よろづや」で新しく蘇った「松籟荘」について紹介します。

開湯1000年超え。江戸時代から愛される「長寿の湯」が生まれ変わって登場

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天智天皇が日本を治めていた時代、僧智由が発見し開湯となった湯田中温泉。当時は「養遐齢(ようかれい)」と命名されたと伝わり、その名の通り長命長寿の湯として知られていました。

湯田中温泉は豊富な源泉を持つ湯田中、新湯田中、星川、穂波、安代の5地区から構成されており、多彩な湯浴みを楽しめるのが魅力。それに伴って、宿泊施設の種類も小さな旅館からホテルまでバリエーション豊かな中から選ぶことができます。

今回の舞台となる「よろづや」は、なんと寛政年間より200年を超えて時を紡いでいる歴史深いお宿。1939年に建造された「桃山風呂」と「松籟荘(しょうらいそう)」は国の登録有形文化財にも認定されています。

しかし、木造の数寄屋造りであった松籟荘は2021年2月に火災で甚大なダメージに見舞われることに。湯田中温泉郷で「地域のシンボル」として愛されていたスポットでもあることから、多数の再建の声が寄せられました。

そこで、よろづやはクラウドファンディングを実施するなど復活に向けて始動。「長く愛される宿を作りたい」との熱い誓いを胸に、330名のファンから寄せられた資金を建築費の一部へ使用する形で再建を達成しました。

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新たに生まれ変わった松籟荘は、いよいよ今年3月1日より新規開業が決定。俳人・小林一茶をはじめ数々の著名人も足を運んだという名湯と共に、全5室のスモールラグジュアリーなお宿として蘇りました。

日本建築ならではの数寄屋造りであることや、本物の資材を使用すること、熟練の技術を持つ技術者による施工など、徹底的にこだわって再建された建物は、これから再び歴史を紡いでいくことを想起させる美しいビジュアルに。

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入手困難な材料や、失われてゆく技術の継承など「ロストテクノロジー」へと向かう現代の日本文化。そんな中で「手仕事の美」を追い求めた新しい松籟荘は、文化の美しさに再び触れ「初めてなのに、どこか懐かしい」という体験を享受することができます。


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お部屋はすべて天然温泉をかけ流しにした露天風呂付という、自家源泉を持つ松籟荘だからこその非常に豪華な仕様。さらに坪庭が設けられており、お風呂を堪能しながら四季折々の景観を眺めることができるという、至福の設えとなっています。

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館内には、端々に旧松籟荘の意匠を再現。さらに調度品にも、旧松籟荘で使用されていたアイテムを再現制作するなど、かつての松籟荘を連想させる仕様を多数採用しているのもポイント。

新しく訪れる方だけでなく、昔から松籟荘を愛していた方々の懐かしさを誘う演出は感動してしまうこと間違いなし。開業準備期間を通じて、ずっと「おかえりなさい」の気持ちを念頭に置いていたという「よろづや」の気持ちが伝わってくるはずです。

国の登録有形文化財に指定されている「桃山風呂」image by:PR TIMES

新たな松籟荘だけでなく、よろづやには個性の違う3つの源泉があります。その源泉をフルに生かした温泉は、なんと全6種類

中でも、国の登録有形文化財に指定されている「桃山風呂」は必見。純木造伽藍建築の趣溢れる中に現れる、広々とした湯殿は圧巻です。

桃山風呂の周りに広がっているのが、自然そのままの景観を温泉へと昇華したような「庭園露天風呂」。純木造伽藍建築の建物と共に、野趣に溢れ、信濃路の移り変わる四季を感じながら温泉を楽しむことができます。

本館の「東雲風呂」は、木目が印象的な暖かみに溢れた内風呂。たっぷりと溢れるお湯の大浴場に温泉蒸し風呂、庭園露天風呂と檜桶のジャグジーバスまで併設されているため、バリエーション豊富な湯浴みタイムを味わえます。

江戸時代から続く評判の「長寿の湯」を、さまざまなスタイルで楽しむことができる「よろづや」。新たに生まれ変わった「松籟荘」へ、いち早く極上の温泉旅を計画してみてはいかがでしょうか。

  • 松籟荘
  • 長野県下高井郡山ノ内町平穏3071-1
  • 0269-33-2114
  • 湯田中駅
  • 開業予定:2024年3月1日(グランドオープンは、同年4月15日を予定)
  • チェックイン:15:00/チェックアウト:11:00
  • ホームページ
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