ラクサが日本で大ヒット。なぜ「シンガポール料理」は食のプロたちがやみつきになるのか?-PR-
新型コロナウイルスによる行動制限も緩和され、海外旅行が再び可能になった今日この頃。文化体験にアクティビティなど、さまざまな目的を持って海外旅行を計画している方もいることでしょう。
そんな旅の目的のひとつとしておすすめしたいのが、その土地の歴史や文化もあわせて体験できる、現地ならではのグルメです。
特に「コロナ禍の数年間、日本からなかなか出られず各国本場のグルメを体験できなかった…」という方こそ、いま訪れるべきなのが、シンガポールです。
シンガポールは多民族国家がゆえに、ありとあらゆるジャンルの料理を取りそろえているため、食を探求する旅の目的地にピッタリ。
そこで今回は、日本においていちはやくシンガポール料理に目をつけ、お弁当やお惣菜を自社開発してきたパイオニア「成城石井」の原昭彦(はら・あきひこ)社長に、シンガポールグルメの魅力と現地でおすすめの名店を伺いました。
「多民族国家ゆえのフュージョン文化が面白い」シンガポール料理の魅力とは
過去にはシンガポールフェアを開催し、SNSで大きな話題を呼ぶなど日本国内ではいち早くシンガポールの食文化に目をつけ取り入れてきた成城石井。数ある国の中からシンガポールを選んだ理由は、一体なんだったのでしょうか。
原社長は「エスニック料理を成城石井で取り扱っていこうという話になり、最初はタイ料理からスタートしました。反応は商品によってさまざまでしたが、さらに積極的にエスニック料理を展開したいと考え、他国の料理も広げていく一環として、シンガポールグルメに焦点があたったんです」と話します。
シンガポール料理は元々が中華ベースなので、当初は商品の考案がしやすいのではと考えていたそう。しかしながら実際に現地に行って食べてみて、多種多様な文化が組み込まれていて非常に面白く、そして難しいと実感したんだとか。
多民族国家ゆえに本質を掴むのは非常に困難なのが、シンガポール料理の醍醐味でもあります。それらを踏まえたうえで、現在成城石井で販売されているものの多くは“シンガポール風”と表記しています。
「マレー系、インドネシア系などさまざまな料理がある中で、シンガポール料理はそれらを上手くフュージョンした料理なんですね。だから、他国の我々がシンガポール料理という冠をつけて販売するのには戸惑いがあったんです。最初に発売した『シンガポール風ラクサ』からうちは全部“シンガポール風”と表記するようにしたんです」
シンガポール風料理として、成城石井が初めて発売した「シンガポール風ラクサ」は、(一社)新日本スーパーマーケット協会が主催する「お弁当・お惣菜大賞2015」において、麺部門で最優秀賞を受賞。
「日本でも、こんなに本格的なエスニック料理を展開できるスーパーがあるのか!」と、現地の観光局からも認知されたことがきっかけで、2016年・2019年・2021年(2回)とこれまでに計4回のシンガポールフェアを実施するまでになったのだそう。
日本においてシンガポール料理の認知度を上げ、その魅力を広めたといっても過言ではない、成城石井。たびたびSNSでもバズることから「トレンド作りが上手い」というイメージがありますが、原社長は少し違うと話します。
「そのような評価をいただくこともありますが、私たちの認識は違います。ブームになったとき、すでに棚に並んでいるんです。世界各国のグルメや食材に対して、常にアンテナを張ってトレンドを理解しているからこそ、そういう状況を作れているのだと思います。もちろん、先取りしすぎて理解されないこともあるのですが、売れないからと行って安易にラインアップから外すようなことは絶対にしないんです」
常にアンテナを張り自ら現地を訪れて味を理解し、日本でその魅力を届けることを諦めない。そんな成城石井の姿勢があったからこそ、日本で多くのシンガポール料理ファンが生まれたのではないでしょうか。
「現地で食べないと絶対に理解できない」奥深きシンガポール料理の魅力
掘れば掘るほど、新たな側面を発見できることこそが魅力だというシンガポール料理。原社長も、現地を訪れるたびに驚きの連続だったといいます。
「店やエリアによっても、味わいや使っている素材がぜんぜん違うんですよ!例えばラクサでも、元祖といわれている店と最近のお店では麺の食感、スープの味わいなど流派が違うのかと思うくらい違いますからね(笑)。この感覚は、実際に現地に来て体験しないと絶対に理解できないと思います」
現地に来るからこそわかるというシンガポール料理の魅力。ではそれを成城石井は、どのようにして日本に持ち込んだのでしょうか。
「現地の味わいに寄せて再現度を高くするのか、または日本人に向けて食べやすい味付けにするのか。私達は商品によって、分けて考えています。ただし、料理の本質は失わないことは徹底しています」と原社長は話します。
例えば人気の「シンガポール風ラクサ」も、日本人向けにみりんなどの調味料を加えているそう。それでいてシンガポールフェアの際に、実際にシンガポール大使館の方々に食べてもらったときも「再現度が高い」と高評価だったとか。
「シンガポールの人気ご当地グルメである海南チキンライスは、複数のソースを使用するのが現地流です。でも、日本では複数のソースをひとつの料理にかけることはなかなかしないですよね。そこで成城石井では、日本人の中でも特に好みの分かれるチリソースのみを小袋で別容器にしてかけるスタイルにし、日本向けに食べ方をローカライズしています」
一方は日本人に馴染みのある調味料を使いながらも、現地の人が食べても納得する味。一方は魅力を損なわずに食べ方のローカライズ化で上手く着地点を探し出した味。
多種多様な国のグルメを日本人へ提案してきたノウハウがあった成城石井だからこそ、難しいシンガポール料理をハイクオリティで再現できたのでしょう。
成城石井の原社長と巡る!シンガポール料理の名店たち
エスニックお惣菜における日本のパイオニアともいえる成城石井の原社長であっても「現地を訪れないと本当の魅力はわからない」とまでいわしめる、シンガポール料理。
そんな奥深い世界を、今回は実際に体験!シンガポールに行ったらぜひ足を運んでおきたい名店を、原社長と一緒に巡りながらご紹介します。
朝昼夜問わず食されるゴールデンミール!「Selera Rasa Nasi Lemak」で「ナシレマ」を体験
1件目に訪れたのは、地域住民が朝食などで訪れるアダムロードフードセンターの中にある「Selera Rasa Nasi Lemak(セレラ・ラサ・ナシレマ)」。
シンガポールの中でも、最も古くからあるとされるフードコートのひとつです。
名物は、シンガポール国民の間でもポピュラーな「ナシレマ」。マレー語でナシは米、レマはココナッツミルクという意味を持つ、文字通りココナッツミルクで炊いたご飯が中心に、チキン、オタ(魚のすり身を焼いたもの)、目玉焼きなどがトッピングされたライスプレートです。
現地では、朝ごはんのイメージがある料理ですが、深夜に提供している店もあるなど時間帯問わずに人気の“ゴールデンミール”なのだそう。
「やっぱり店によって味が全然違って、食べるたびに異なるインスピレーションが湧きます!今回改めて感じたのが、ナシレマは日本人の口に合いそうだなということ。実は成城石井で以前行なったシンガポールフェアでもナシレマを提供したんですよ。その際のトッピングは、玉子・ナッツ・チリソース・手羽先の唐揚げといったスタイルでした。もし次にチャレンジすることがあれば、手羽先を食べやすい唐揚げに変更するなどして、より皆様に届くような工夫をしたいですね」
成城石井のフェアで提供されるほどシンガポール内で非常にポピュラーな料理だからこそ、ナシレマは作り方が店によって千差万別。トッピングの具材のほか、料理の肝となるのがサンバルソース!マレー料理に頻繁に使用される辛いソースで、このソースの味わいこそが店の個性に繋がるのだそう。
同店の「ナシレマ」は、日本人が朝食として食べても決して重くない、あっさりとしたライスの甘みが特徴的。揚げ物が中心のトッピングですが、ナシレマソースの適度な甘辛テイストが食欲を掻き立てます。
- Selera Rasa Nasi Lemak(セレラ・ラサ・ナシレマ)
- 2 Adam Road Adam Road Food Centre #01-02 Adam Road Food Centre, Singapore
- +65 9843 4509
- Botanic Gardens
- 休業日:金曜
日本でも大人気!「328 Katon Laksa」の「カトンラクサ」を現地流で楽しむ
シンガポール料理として、日本でも圧倒的な市民権を得ているのが「ラクサ」でしょう。実はラクサは地方やエリアによって味付けや種類が異なる、多様性のある料理です。
そのなかでも日本人に馴染みがあるのは「カトンラクサ」と呼ばれるもの。元々は、カトン地区に住む中国系移民とマレー民が結婚したことで生まれた子孫である、プラナカンの人々によって考案された料理です。
そんな「カトンラクサ」の名店といわれているのが、「328 Katon Laksa(328カトンラクサ)」です。メディアにも度々取り上げられるなど、カトンラクサの元祖としても知られています。
同店のラクサは、海鮮系の出汁がしっかり感じられる濃厚な味わいが特徴。特にアカガイの風味がアクセントとなり、奥行きを出しています。そして原社長がポイントに挙げたのが、トッピングで乗っている緑色の葉っぱ「ラクサリーフ」。
「フレッシュなラクサリーフを日本で手に入れようと思うと、なかなか難しいんです。成城石井でも提供しているラクサですが、麺を含め現地のスタイルを取り入れながらもさまざまなものを代用品で補っています。そのうちの1つがラクサリーフ。やっぱり、現地で食べるものは一味違う。こういった日本との違いを楽しむのも、旅行の醍醐味のひとつですよね」
カトンラクサの特徴である、太めの細切れになった麺を箸を使わずレンゲですくって食べるのがシンガポールスタイルです。
レンゲに乗せたサンバルソースを溶かす量で、辛味を調整しながら食べ進めながら、ラクサリーフの爽やかな香りを楽しむ。現地ならではの味わいをぜひ堪能してみてください。
- 328 Katon Laksa(328カトンラクサ)
- 51 East Coast Road, Singapore
- +65 9732 8163
- Eunos
- 定休日:なし
- 9:30~21:30
- 公式サイト
ミックスカルチャーが生んだ絶品ジャンル「プラナカン料理」の名店「The Blue Ginger」
多種多様な民族が生きるシンガポール。食文化を見ても、ミックスカルチャーが故に多種多様な料理が、街の至るところで食されています。そんな国でも特に注目したいのが「プラナカン料理」です。
中国料理とマレー料理の融合系としてと生まれた独特のスパイス&ハーブ使いに加え、ココナッツミルクの甘みなどが特徴的な唯一無二のフードカルチャー。各家庭や店ごとに味わいが異なる懐の深さも面白いジャンルです。
「The Blue Ginger(ザ・ブルージンジャー)」は、そんなプラナカン料理の名店です。1995年創業の後、2017年から3年連続、そして2023年にもミシュランのビブグルマンに選ばれるなど、地元客だけでなく世界中のフーディーを魅了し続けています。
「2021年にシンガポールフェアを行なった際に、当時の在日シンガポール大使に教えてもらったのが、プラナカン料理であるドライラクサです。プラナカンのライフスタイルは日本人にまだあまり知られていませんが、シンガポールを楽しむ上でも重要なポイントだと思います。このお店はビブグルマンにも選ばれるなど、味の評価も高く値段もお手頃で、ドライラクサをはじめ多国籍感を楽しめる素敵なお店ですね」
同店では、近年新たなスタイルとしてシンガポールでも流行の兆しを見せている「ドライラクサ」がおすすめ。エビの出汁がしっかり感じられるビーフンのような汁なしの米麺は、モチモチ食感がたまりません。
「2021年のシンガポールフェアの際にドライラクサを開発・販売したのですが、2週間で2万食売れるほど好評をいただきました。汁なしスタイルでも、ラクサは日本人の口に合うということなんでしょうね。『The Blue Ginger』のドライラクサは、麺の食感がほかとは違う印象です。味がしっかりと絡んだ、もちもち食感の麺は日本にはあまりないスタイルです」
さらに同店の名物のひとつである「ビーフルンダン」に対しても、原社長は並々ならぬ思い入れがあるそう。
「ビーフルンダンは、アメリカのCNNが企画した『The world’s 50 best foods(世界のベストフード50)』にも選出されたことがある料理です。こちらのビーフルンダンは、大ぶりなお肉なのに驚くほど柔らかくスパイスの味が染み込んだ絶品。ご飯との相性が良いというのも、日本人の口に合いやすいと思います。まだまだ日本では馴染みがありませんが、私たちがネクストブレイクとして注目している料理です!」
米CNNの「The world’s 50 best foods」において、過去には1位を獲得したこともあるビーフルンダン。グルメ好きなら、ひと足さきにトレンドを押さえておきたいところですね。
- The Blue Ginger(ザ・ブルージンジャー)
- 97 Tanjong Pagar Road, Singapore
- +65 6222 3928
- Tanjong Pagar
- 定休日:なし
- 12:00〜14:30(ラストオーダー14:15)/18:30~22:30(ラストオーダー22:00)
- 公式サイト
商品開発のインスピレーションを受けた「Hawker Chan」の「ソイソースチキンヌードル」
デリカテッセン・トレードショー実行委員会主催の「お弁当・お惣菜大賞2020」の麺部門で見事入賞を果たした、成城石井の「シンガポール風ソイソースチキンヌードル」。
オリジナルの甘辛いソイソースが絡んだオリジナルの細縮れ麺に、自家製のチリソースが添えられた大ヒット商品です。
この商品を開発するきっかけになったというのが、こちらの「Hawker Chan(ホーカーチャン)」で食べたソイソースチキンヌードルと原社長は話します。
「骨もなく柔らかい鶏肉、細い麺に甘辛い醤油ベースのタレ。この口馴染みの良いソイソースチキンヌードルを食べたとき、日本人の食文化ともマッチするだろうなと思い商品開発を進めたんです。今回、改めて食べてやはり美味しいなと感じました」
ホーカー(屋台)でありながら連続でミシュランを獲得したこともあり、その味は世界のグルマンのお墨付き。
日本人はシンガポールといえばチキンライスをイメージしがちですが、こちらのチキンヌードルも日本人好みの味。食事としてはもちろん、甘辛い味付けなのでビールなどのお供にも最適です。
- Hawker Chan(ホーカーチャン)
- 78 Smith Street, Singapore
- +65 6272 2000
- Chinatown
- 10:00〜20:00(ラストオーダー19:30)
- 公式サイト
食のプロも認める美味しさ!シンガポールで多様性のある本格グルメを楽しもう
原社長が今回改めて現地のレストランに足を運び、やはり成城石井が販売するエスニックお惣菜の再現度は非常に高いと感じたそう。一方で、新たな課題も見つけたといいます。
「やはり、シンガポール料理は奥が深いです。1度の滞在で料理の本質を決めつけてはダメだなと再認識しました。もちろん、そのまま再現するのは難しいですがソイソースチキンヌードルに、ラクサなどいま発売している商品に関しても、理想の味わいを追求して改良を加えていきたいですね」
食のプロである原社長でさえ何度訪れても新たな発見がある、多様性に富んだシンガポール料理。そこでしか見つからない魅力を探しに、みなさんもぜひ現地に足を運んで、本場のシンガポール料理を堪能してみてください。
- 取材協力:成城石井
- PR:シンガポール政府観光局
- image by:シカマアキ
- ※掲載時点の情報です。内容は変更になる可能性があります。