最高に気持ちイイ、女の離島旅。自転車で豊島をグルリ一周するイロハ
こんにちは、編集長・まつこです。あたたかい春を求めて香川県小豆島へやってきているのですが、更に足を伸ばして、フェリーで「豊島」までやってきました。東京都にある「としま」ではなく、香川県の「てしま」です。
小豆島土庄港や高松築港などからフェリーに乗って約30分のところにある、人口約1000人の離島です。今回はここで、一泊二日のんびりと離島気分を味わうことにしました!
「島民も多くなく、電動自転車で数時間あれば島内1周できるくらいの大きさの島」という話を聞いていたものの、豊島に到着するとどうも人が多い。しかも若い女性のグループもわんさか歩いています!
実は私が訪れた日は、豊島のみならず小豆島や直島など、瀬戸内の島々が一挙に現代アートに染まるトリエンナーレ「瀬戸内国際芸術祭2016」の開催日。
3年に1度、春・夏・秋に開催される、瀬戸内がもっとも賑やかになるイベントです。
3年に1度の奇跡的なタイミングに豊島を訪れたので、急遽「瀬戸内国際芸術祭」を大特集…と行きたいところですが、そこは他のメディアの皆さんにお任せ。
TRiP EDiTORでは豊島をぐるっと1周しながら「自然×歴史×文化」を感じ、のんびりとした離島に癒やされる、一泊二日の豊島時間を体感することに。
旅の必須アイテム「電動自転車」で女子でもスイスイ豊島を一周!
まず、豊島を存分に味わうための必須アイテムが「電動自転車」です。豊島にはシャトルバスやレンタカーもありますが、豊島の面白さは車では通れない脇道やふとした絶景ポイントにあります。
なので山道も登れて好きなタイミングで立ち止まれる電動自転車がとても便利。豊島の玄関口となる唐櫃港や家浦港の周辺には、レンタサイクル店がたくさんありますよ!
大きく3つの地区「家浦(いえうら)」「唐櫃(からと)」「甲生(こう)」に分けられる豊島。この島の良いところは、細かい道が少ないため迷うことなく島内を1周できること。今回は家浦港のある家浦地区を出発して、唐櫃地区、甲生地区の順に1周します。
【家浦】脇道のいたるところに現代アートとグルメ!
さっそく家浦地区を出発! ここは港の周辺に民家もお店も密集しているので、コンパクトにまちを回れます。
瀬戸内国際芸術祭では、空家をレストランに改装した作品「あなたが愛するものは、
格子状に細い脇道が通った道沿いには、カフェや飲食店も。豊島の4地区の中でも最もお店が充実しているスポットです。家浦地区のお店は、後ほどご紹介しましょう。
オリーブ並木を抜け海沿いの道を進み、唐櫃地区へ向かいます。波の穏やかな瀬戸内の海岸線を沿う、車のほとんど通らない道路はサイクリングに最高! ここから急な坂道が続きますが、電動自転車ならスイスイ快適です。
※とは言え、車や人が通らないわけではないので、交通ルールはきちんと守ってくださいね。
【唐櫃】棚田×アート。山×海。様々な顔をもつ場所
県道255号線の硯地区と唐櫃地区を結ぶ山道を下ると、急に道がひらけ海に面した絶景ポイントへ。
海に突き進むようにまっすぐな道が伸びているので、ついついスピードを出してしまいそうになりますが、是非ここは自転車を降りて、絶景を眺めてみてください。
道を挟んで片側にはのどかな棚田が広がる唐櫃地区ですが、かつては休耕田が多く荒廃していたそう。唐櫃棚田保存会など多くのボランティアの手によって、本来の棚田が蘇ったそうです。
棚田の向かいには、瀬戸内国際芸術祭作品かつ豊島が誇る名アート「豊島美術館」があります。海の青、棚田の緑、その中に真っ白い巨大な建造物が目を引きます。
さらに道なりに進むと唐櫃地区の民家が立ち並ぶ地域へたどり着きました。かつて島民の3割が石工業に関係していたという豊島は、薄い岩を斜めに積み重ねた石垣のつくりが独特。
民家の脇の階段も、この薄い岩を段状に積み重ねて作られているものが多くあります。荒々しい岩面もなんだかアーティスティックに見えてきますね。
急勾配の山に沿うように民家が立ち並ぶ唐櫃地区は、段々に建てられた家と家の間を細い路地が通っているため、目線の真横が民家の瓦なんてことも。
豊島の民家に多く使われている、海のように鮮やかなコバルトブルーの瓦もまた芸術的。
唐櫃地区でも港の方へ降りてきました。先ほどまでは山から海を見下ろす絶景でしたが、ここでは海を真横に望む絶景ポイントを発見!
こちらは唐櫃地区のはずれにある瀬戸内国際芸術祭作品「心臓音のアーカイブ」の手前に建つ「唐櫃八幡神社」です。
神社の本殿に向かって右側に、草木の茂った脇道があります。本殿でしっかりとお祈りをしてから進むと、崖から王子ヶ浜を見下ろす絶景ポイントが!
道のりは少々険しかったですが、撮影スポットは落下防止柵など整備がされているので、安心です。写真の中央に小さく映った建物が「心臓音のアーカイブ」です。
せっかくなので「心臓音のアーカイブ」から見る、唐櫃八幡神社側も撮影してみました。分かりにくいのですが、写真中央あたりが、先ほどの撮影ポイントです。
【甲生】「頭」にまつわるパワースポットのあるまちで見つけた小さな足跡
ひたすら山道を進み、唐櫃地区と山を挟んで反対側にある甲生地区へ。
甲生のまちの入り口に佇む「甲生薬師寺」にあるのが、「首なし地蔵」と檻から怖い顔を覗かせる「閻魔堂」です。特に「首なし地蔵」は、「頭がよくなる、頭の病気が直る」地蔵ともいわれており、受験合格などを祈願する人が増えているちょっとしたパワースポットです。
「甲生薬師寺」の境内には大きな楠や、沿道に垂れ下がるように椿の木も生えています。この時期は椿が満開の時期ということもあり、道路にポタポタと落ちる椿の花が自然のアート作品のようにも見えていました。
甲生地区にある瀬戸内国際芸術祭作品「遠い記憶」への道すがら、可愛らしい足あとを発見! 小さな生き物も、芸術の春を見に来たのかも?
【壇山】豊島民が「一番の魅力」と絶賛する場所
2016年は瀬戸内国際芸術祭を目指して豊島を訪れる方も多いかもしれませんが、少し時間が余った時、訪れてほしい場所があります。家浦地区から片道約30分、電動自転車ですら息切れしそうな急な山道を登った先にある、豊島一の絶景スポットです。
それが、豊島の中央にそびえる「壇山(だんやま)」。地元の方が「豊島の一番の魅力」とも絶賛するこの場所へ、私も電動自転車で登ってみました!
普段はトレッキングに訪れる方なども多いそうですが、この日は瀬戸内国際芸術祭開催日ということで、誰とも遭遇することなくひたすら山道を登り続け、ようやく壇山の頂上展望台へ到着。
唐櫃地区の山から港までを見下ろせる大絶景、これは写真ではお伝えしきれないので、ご自分で登って体感してみてください!
海の向こうには瀬戸内の島々も見渡せますよ。
そして壇山頂上展望台を更に南へすすむと、隠れたパワースポット「豊玉姫宮」があります。2009年に建てられた比較的新しい神社ですが、古事記に登場する女神「豊玉姫」を祀っており、縁結び・家内安全のご利益があるそう。
ちなみに、「豊玉姫」は甲生地区にある瀬戸内国際芸術祭作品「豊島八百万ラボ」にも登場。「豊島」の名前の由来とも言われ、愛する山幸彦との間に授かった子を本来の鮫の姿に戻って産んだという記述が残されています。
豊玉姫宮を500mほど進むと「壇山岡崎公園」に到着。ここが壇山第2の絶景スポットであり、壇山を登る道の最端です。
丘の上には瀬戸内を見下ろす岡崎金次郎翁の銅像があり、周辺にはきれいに整備されたベンチも。よくお弁当を持ってピクニックに訪れるという豊島民の方もいましたよ。
【グルメ】豊島で一番女心をくすぐるグルメは家浦地区に
島内にスーパーもコンビニもない豊島は、飲食店もあまり多くはありません。先にご紹介した家浦地区は、そんな中でも豊島の自然やのんびりとした空気感を活かし、さらに女ゴコロをくすぐる飲食店が多い地域なんです。
海苔の作業場だった場所を改装したアートスペース「てしまのまど」は、普段は自家焙煎珈琲や自家製パン、ランチもいただけるカフェスペースとしても運営。オーナー・安岐さんの軽快なトークと、豊島暮らしのならではのお話も魅力です。
営業日は不定期なので、訪れる際は公式サイトなどをチェックしてみてください。
家浦地区のはずれにある「海のレストラン」は、店内から瀬戸内の海を一望できる景観が魅力!
地元の食材を使い、和と洋を組み合わせた創作料理がいただけます。今回の瀬戸内国際芸術祭開催にあわせて、メニューもリニューアルしています。春の芸術祭期間中は、ランチのみの営業となります。
豊島を訪れたら一度は食べていただきたいのが「いちご家」の豊島いちごスイーツ。豊島でいちご栽培を営む「多田農園」の直営店です。
「生いちごいっぱいクリームクレープ」は、これでもかというほど生いちごがたっぷり入っていて、1つ食べればお腹いっぱいになりますよ!
【民泊】緋田おばあちゃん家に泊まる
ホテルや旅館が少ない豊島ですが、代わりに島の暮らしを体験できる「民泊」施設が多くあります。
私が宿泊したのは、家浦地区の緋田(あけだ)さん宅。築100年を超える母屋の一室をお借りして、ご家族と一緒に一夜を過ごしました。希望制の朝食や夕食は、緋田さんと一緒に作って家族と一緒にいただけます。
居間でくつろいでいると「ハッサク食べるかい?」と豊島で採れた果物をむいてくれたり、まるでおばあちゃんの家にお泊りに来たかのような気分に。
島内には緋田さん宅の他に9軒の民泊施設があるので、豊島に泊まる際は利用してみては? 民泊施設紹介と、予約は「豊島観光ナビ」からできます。(掲載時点の情報です。現在の宿泊については公式サイトを必ずご確認ください)
瀬戸内国際芸術祭などで、今年1年は大いに賑わうこと間違いなしの「豊島」。芸術祭期間中はフェリーや周遊バスの増便もあり、さらに便利になっています!
タイミングよく訪れた際は、「自然×歴史×文化」そして「現代アート」を余すところなく楽しんでみてください。
住所:
春:2016年3月20日(日・春分の日)〜4月17日(日)
夏:2016年7月18日(月・海の日)〜9月4日(日)
秋:2016年10月8日(土)〜11月6日(日)
公式サイト: http://setouchi-artfest.jp/
- PR:香川県土庄町
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