お米の消費は日本の4倍以上…「箸」を使うアジアの国で気づいた微妙に違う食事マナー

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筆者は海外取材に行くと、多くの場合日本食が恋しくなります。現地の料理が口に合わないとあまり量を食べられなくなり、日に日にほおがこけていくのですが、その点ベトナムは食事面でまったく心配ありませんでした。

それは、日本とベトナムで食事に共通する部分が多いのが理由かもしれません。

そこで今回は、ベトナム取材で現地の人に聞いたり学んだりしたベトナムと日本の食事の共通点、さらには相違点も併せて紹介します。

「お米が主食」は同じだけどどんな違いがある?

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ベトナムの主食はお米です。国内の南部の水田では、二毛作どころか三毛作でお米が収穫できるそう。

ベトナム人のお米の消費量は日本人をはるかに超えています。1人当たりの消費量は、日本人が55.2kgに対して、ベトナム人は236.5kg

世界ランキングで見ると、お米の生産量も消費量もベトナムは第5位。日本は、生産量が10位で消費量が9位です。日本人とは桁違いに、ベトナム人はお米を食べているのですね。

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また、日本のお米とベトナムのお米には形状や触感に大きな違いがあります。ベトナムのお米は、細長い長粒米が主流で、短時間でやや硬めに炊くとおいしいと言われています。

日本の炊き立てご飯のようにみずみずしくふっくらしているのとは違い、軽くさらさらとしているので、ベトナム人の現地ガイド曰く「ベトナムのお米ではおにぎりはつくれない」と言っていました。さらに、日本のお米の方が長持ちするとも。

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さらに、食べ方のバリエーションについても、ベトナムと日本で発達の方向性に違いがあります。


例えば、ベトナムには多彩なおこわがありますし、有名なフォーはお米をすりつぶしてつくった米粉が原料です。同じく米粉を薄く引き伸ばして乾かしたライスペーパーも定番です。もち米アイスクリームや黒もち米のプリンなど、もち米を使ったスイーツも豊富。

日本ももちろん、さまざまな形でお米を活用していますが(日本酒からおかきに至るまで)、ベトナムはまた異なる形で発展しているのですね。

ちなみにフォーで言えば、日本人はすすって食べます。しかし、ベトナム人は諸外国のように、麺をすすって食べる行為をすごく恥ずかしく感じるようです。

箸で食べる、でも作法がちょっと違う

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ベトナムでも、食事は「箸」で食べます。ですが、箸に関する作法はちょっと異なる様子。

例えば、箸置きを使用する際、日本では箸の先端が横を向くように置きます。しかしベトナムの場合、箸を縦にして先端を向かいの席の方向に向くように置きます。

日本では、先端が相手に向けられるような縦置きは”マナー違反”とされていますが、ベトナムでは、むしろ縦置きが正しいマナーなのだとか。

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さらに、日本ではタブーとされる「二人箸※」もベトナムでは問題ないと現地の人が言っていました(※同じ料理を2人で一緒に挟む行為)。

ちなみに、日本の一汁三菜的な感覚で、ベトナムの食卓では野菜スープが並ぶのが一般的であるため、カトラリーには、箸だけではなくスプーンも一緒に置かれるケースの方が多いのだとか。

言い換えると、日本人はみそ汁を箸で食べますが、ベトナム人は汁をスプーンで口にするのですね。その汁の中にご飯を入れる食べ方もベトナムでは当たり前みたいです。

友達のお母さんにだって容赦ない。「まずい」とはっきり言う国民性

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最後は、両国の人間性の違いから生まれる食事文化の違いを紹介します。

例えば、日本では料理の味が口に合わなかった時、露骨に「おいしくない」とは言いません。しかし、ベトナム人の場合「まずい」とはっきり言わない方が失礼なのだとか。

現地のベトナム人ガイドの方が教えてくれた話を例にあげてみると、友達の家に行き、友達のお母さんが手づくりの料理でもてなしてくれた時に、おいしくないと感じたら、「お母さん、これ、ちょっと味が薄いよ」などと、平気で言うそう。

言われた方も「そうかそうか、じゃあ、塩を足そうか」などとケロッとしているみたいです。逆に、おいしくないのにおいしいふりをして、その事実が後になって発覚した時の方が、ベトナム人にとってはショックなできごとなのだとか。

裏表なくなんでも思った言葉を口にする、オブラートに包まない国民性は、食事の際にも当然出てくるみたいですね。

以上、日本とベトナムの食事に関する共通点や相違点を紹介しました。これらはまだほんの一例。たとえば、器を持って食べる行為はどちらの国もOKでも、器に口を付けて汁を吸う行為はベトナムではNGなど、食事にまつわる話題はほかにもたくさんあります。

ベトナム旅行に出かける際には、事前に入念に調べてから食事を楽しむのが安心ですね。

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