素人に「宮崎牛の一頭買い」はできるのか。生産者に直談判してみた
ちなみに宮崎県では、大相撲の毎場所で優勝力士に宮崎牛一頭分をプレゼントしています。グランドチャンピオンを獲得した生産者には、ご褒美として会場に招待もされるんだとか! 坂下さんも2016年1月の大相撲初場所へ招待され、優勝を飾った琴奨菊関に宮崎牛が贈呈される様子に立ち会いました。
最高の牛肉はこうして決まる
グランプリの基準は、肉質はもちろん重量も大切。肥育ではより牛が健康にたくさんエサを食べてくれるように、体調管理に気を使っています。小林市役所の齋藤禎(さいとうただし)さんが、牛肉の格付け基準「BMS(牛脂肪交雑基準)」について説明してくれました。
齋藤さん:牛肉の格付けを決める基準・BMSで、No.1から最高級No.12に分類されます。赤みの中にあるサシ(脂)の量と肉の光沢、締まり、きめ、
坂下さん:出品する牛は生産者とJA、市役所などで決めるんよ。
齋藤さん:「宮崎牛」ブランドとして提供されているのは、宮崎県内で生まれ、県内で育ち、なおかつ4等級以上の肉になります。それ以外は「宮崎和牛」として販売されます。
坂下さん:出荷された牛は主に食肉加工場「ミヤチク」へ運ばれ加工に回されるな。ちなみにミヤチクはレストランも経営していて、東京都・銀座にもお店があるなぁ。銀座で食べるとコースで2万円はくだらんと思うわ。
牛が美味しく育つためには親牛の系統、餌、そして牛が健康に育つための水があると言います。霧島連峰からミネラルたっぷりの水が湧き出る小林市は、人も牛も健康的に育ててくれます。
坂下さん:宮崎牛はやはり赤身に入るサシが細かいのがウリ。そして肉に甘みがある。宮崎牛はモモ肉にボリュームがあるから、牛肉としても価値が高く売れるんよ。
宮崎牛一頭、私に売ってください!
坂下牧場で今一番期待されているエース級が、この写真の右側の牛。モモ肉のハリとガタイの良さ、特に横幅の大きさが決めてとのこと。他の牛と比べてみると、確かに足が太くガッチリしている…ような気がしてきました。せっかくなら一番推している、この牛をいただきたい。
まつこ:坂下さん、この牛…私にいくらで売ってくれますか?
坂下さん:買うとけ!? そうじゃねぇ…買えないことはないけど、生きたまま持って帰るわけにもいかんから、と畜場に持って行って解体して真空パックにしないといけないなぁ。一頭やと135万〜150万円くらいで取引してるけど、と畜料などで更に数万円かかるし、加工するにも費用がかかるから高くつくどぉ。さらに食べやすいようにスライスするにもスライサーがいるし、あんまり良いことないどぉ。牛肉は解体した後20日くらい寝かせる作業もあるから、個人ではなかなか難しいやろうな。
齋藤さん:お得に買いたいなら宮崎県内で購入するか、小林市ふるさと納税でも通年通して宮崎和牛を返礼品としてお返ししているので、利用してみるといいですね。