素人に「宮崎牛の一頭買い」はできるのか。生産者に直談判してみた
こんにちは、ジモココ編集長・まつこです。私は今、牛舎の前にいます。
事の発端は2月半ば、東京は南青山(オシャレなお店しかないスポット)で、思わず息をするのも忘れる程に美味しい小林市産宮崎牛をごちそうになったことから始まります。
オシャレな野菜に隠れたレアな宮崎牛モモ肉のカルパッチョに、ヒレステーキ、なにこれトロけるんですけど!優しい舌触りの食感に驚きすぎて写真まで若干ブレてしまいました。
感動が忘れられず、早速宮崎牛を食べられる東京のお店を調査したところ、一番安いコースで1万5000円。通販でもグラム3,000円。これはお給料がスズメの涙の私には到底食べられるものじゃない…。こうなったら一番お得に買えそうな手段に出るしかない。
というわけで私は宮崎牛の産地へ向かいました。そう、生産者への直談判です。
つまり今回のミッションは「生産者さん。宮崎牛一頭、私に売ってください!」
最高の宮崎牛は一体いくら?
やってきたのは宮崎県小林市にある坂下牧場。牛の畜産農家には、親牛の出産から子牛を8ヶ月程度まで育てる繁殖農家と、子牛を食用にするために大きく育てる肥育農家があります。肥育専門の坂下牧場では約140頭の牛を育て、出荷しています。
「宮崎牛を買いたい」という無謀なお願いをする私に、小林市役所の方が紹介してくれたのは坂下牧場オーナーの坂下信雄(さかしたのぶお)さん。宮崎県畜産共進会の「枝肉の部」にてグランドチャンピオンを獲得した、地域でも指折りの生産者なんだそう。さっそくチャンピオンを獲得した証の宮崎牛トロフィーを出してくれました。
坂下さん:こんがぐらんぷりとっじょった◯✕$”&…
流暢なフランス語…ではなく西諸弁は九州出身の私でも解読できなかったので、同行いただいた市役所の方の通訳とともにお話を伺いました。ここから坂下さんのお話は翻訳したテキストでお届けします。
「枝肉の部」では枝肉の中でも、俗に言うロースの切開面を評価します。坂下さんが出品し評価されたグランドチャンピオンの枝肉は、価格にして1キロあたり9,800円、なんと一頭価格で573万円! この年は例年以上の評価がされたそうで、通常価格の3倍以上もの高値なんだとか。一気に私のお財布が悲鳴をあげたのは、言うまでもありません。
グランドチャンピオンの牛肉は地元のスーパーが買い取って一部が一般に販売されます。坂下さんはお祝いにとグランプリ牛の一部を買い取ったそうですが、その価格はグラム4200円。10キロ近く買い戻して、祝賀会で関係者に振る舞ったんだそう。 坂下さん、太っ腹!