台湾好きなら知っている。台湾人による「牛肉麺」への異常な愛情

TRiP EDiTOR編集部
TRiP EDiTOR編集部
2018/10/24
PR

日本人も大好きなラーメンと言えば、元祖「中華そば」をはじめとし、近年は超デカ盛りの「二郎系」、豚骨しょうゆに鶏油の「家系」、煮干しをたっぷり使った「煮干し系(ニボ系)」など、独自の文化を育んでいます。

いま日本人にこれほどまでに愛されているラーメンですが、元は中国の麺を改良してできたもので、「新横浜ラーメン博物館」によると、幕末で近代化が進んだ明治時代に日本全国へ広がりました。その後、終戦を経て安く栄養価の高い庶民のご馳走として定着しました。

このように長い年月をかけて多種多様なラーメンを作り上げた日本ですが、実は台湾も、ラーメンに対して並々ならぬ愛情を持っています。それの最たるものが、戦後中国からの移民受け入れを行ったことをきっかけに作られた「牛肉麺(ニューローメン)」です。

中国家庭料理から台湾人の生活へ定着した麺文化

台湾を訪れたことがある人なら、ローカルで愛されるこの「牛肉麺」をご存じかもしれません。牛肉麺の歴史は、台湾が日本の植民地時代から解放されたときから始まります。たくさんの中国人や軍に仕えていた人々が中国本土より台湾に訪れ、その際、四川、蘭州などの地から調味料やダシを持ち込み、それらを牛肉と麺に加えた料理ができました。これが元祖となる牛肉麺です。

そして牛肉麺は家庭料理としてだけでなく、全国各地へと広まっていきました。現地の料理店はもちろん、なんとカップ麺としても発売され、世界のいたるところで食べられるように。今では海外の観光客の心まで鷲掴みにしており、台湾の食文化へ大きな影響を及ぼしています。

現地で牛肉麺を食べるならどのエリアがいいの?

image by:NH/Shutterstock.com

そんな大人気の牛肉麺ですが、実際に台湾へ訪れとき、一体どのエリアで食べれば良いのでしょうか。台北市の政府調査によると、牛肉麺店の密度が一番高いエリアは「台北」とのこと。

歴史深く、観光・商業の両方で人が集まる台北市は、個人経営の庶民派なお店から、食材に徹底的にこだわった高級店まで幅広くそろう、まさに牛肉麺の激戦区。台湾で牛肉麺を食べるなら、やはり台北がおすすめです。

image by:Twinsterphoto/Shutterstock.com

街を歩けばお店を見かけ、コンビニやスーパーにも並ぶ牛肉麺を見ると、台湾人のソウルフードと言っても過言ではないかもしれませんね。最近はさまざまな種類のインスタント牛肉麺が増え、より手軽に食べられるようになったため、さらにソウルフードとして深く根付いている様を感じます。

牛肉麺への強すぎるこだわり

牛肉麺が台湾人にとって大切なソウルフードであることはわかりましたが、果たしてどのような牛肉麺が美味しいと言えるのでしょうか。現地の人に話を聞くと、「牛肉麺の命ダシ牛肉であり、どれ一つ欠けてはならない」とのこと。材料はもちろん、作り方まで徹底的にこだわるそうで、特別にその秘密を教えてもらいました。

1 ダシへのこだわり

image by:abogdanska/Shutterstock.com

多くの牛肉麺店は牛骨と野菜、そして香りづけのための漢方をダシとして使っています。煮る過程で牛骨は濃厚なエキスとなり、そこにしょうゆや酒などの調味料をバランスを見ながら足していけば美味しいダシが出来上がります。

2 麺へのこだわり

image by:Shi Yali/Shutterstock.com

台湾人は太めでコシのある麺を好むそう。太い麺が濃いダシに絡んでを持ち上げ、一口すするだけで風味豊かな香りも楽しめます。

3 牛肉へのこだわり

image by:Suzi Pratt/Shutterstock.com

基本は脂肪の少ない牛スネの部分を使います。また、ローカルなお店だとスジ肉も使うお店が多いそう。牛スネは先に熱湯にくぐらせ、提供する前に麺と一緒にスープへ入れます。歯応えや舌触りが違うスジ肉とスネ肉は、牛肉麺のなかで非常に大切な役割を果たしています。それこそ、中華そばのチャーシューのように重要なポジションなんだとか。

牛肉麺が好きすぎる台湾人は、カップ麺にもこだわりまくる

台湾人が牛肉麺にかける愛情、それを顕著に感じられる一品がコンビニにあります。棚いっぱいにずらりと並ぶカップ麺タイプの牛肉麺です。そしてそのなかでも一番売れているのが、台湾人がとにかく愛する「滿漢大餐(マンハンダーツァン)」です。

この滿漢大餐は、台湾で最も有名な料理家の一人である「傅培梅(フー・ペイメイ)」が開発した、やや高級なカップ麺。粉末のスープに乾燥した具材が入っている一般的なカップ麺とは違い、滿漢大餐はスープの袋にはダシの粉と油しか使っておらず、さらに別付けで牛肉と肉の煮汁が入った小袋がそえられています。

滿漢大餐をはじめて食べた現地の人は皆、カップ麺でありながらお店で食べるような本格的な味に驚くんだとか。牛骨のエキスが詰まった濃いダシだけでなく、コシのある麺と食べ応えがある牛肉まで味わえるハイクオリティなカップ麺は、あまりの美味しさから韓国や中国などの観光客の定番お土産となるほどです。

日本で人気の中華そば同様、中国から発展を遂げた台湾の麺文化。そしてカップ麺を通じて世界的にも有名になった、台湾人のソウルフード、牛肉麺。興味を持った人は、台湾に訪れた際ぜひ現地の牛肉麺を食べて、お土産に「滿漢大餐」を選んでみてはいかがでしょうか。

PR:ベクトル台湾

※掲載日時点の情報です。情報、内容等は変更になる場合があります。

TRiP EDiTOR編集部

TRiP EDiTORは、「旅と人生をもっと楽しく編集できる」をコンセプトに、旅のプロが語りつくす新しい旅行メディアです。

ついでに読みたい
 神奈川 パン大好きドイツ人が選んだ、本当に美味しい「日本のパン」ランキング ★ 1312
 その他のエリア 韓国人と中国人が気になっていた、日本とは微妙に違う礼儀作法 ★ 321
 海外 【リアル孤独のグルメ 台湾篇】親日の台湾で見つけた不思議な「日本料理店」 ★ 135
 台湾 【話題】美しすぎる台湾・故宮博物院のコインロッカー ★ 699
 神奈川 18歳以上限定。伝説のスラム街「九龍城塞」が川崎に蘇る ★ 628
台湾好きなら知っている。台湾人による「牛肉麺」への異常な愛情
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
TRiP EDiTORの最新情報をお届け