春節期間、日本の温泉に大注目。訪日観光客に人気の観光地ランキング
2019年度の春節(旧正月)は最大10連休という大型連休だった東アジア諸国。この連休中には多くの外国人が日本を訪れました。日本には南は沖縄、北は北海道までさまざまな観光地がありますが、春節期間中に訪日観光客から人気が集まったスポットはどこなのでしょうか。
そこで今回はアウンコンサルティング株式会社が行った「台湾・香港・韓国の春節(12月〜2月)における検索動向調査」の結果についてご紹介します。
東アジア訪日客の都道府県別訪問ランキング
中国・台湾・香港・韓国からの訪日客の訪問先ランキングを比較すると、中国では、1位大阪府、2位東京都、3位京都府と主要の観光地がランクインしています。
一方で、台湾・香港・韓国では、すべて1位が大阪府ですが、ほかにも九州の観光地が人気という結果となりました。特に韓国は上位5位以内に福岡県と大分県がランクインしています。
韓国(ソウル)から九州・福岡県へのフライト時間は1時間半程度。ほかの観光地に比べ距離が近く、気軽に訪れることができることが要因かもしれませんね。
台湾・香港で多く検索されている観光地は?
台湾・香港からの旅行者は、繁体字よりも日本語で観光地を検索していることがわかりました。漢字と繁体字では文字の形が似ており、同じ意味を示す言葉だと理解しやすいことから、日本語での検索が多いと考えられます。
一方で、「なばなの里」などひらがなが表記に用いられる観光地については繁体字での検索が多い傾向にあるようです。
日本語で検索数が多い観光地は、台湾だと1位「軍艦島」2位「石垣島」3位「明治神宮」というランキングに。また香港の場合は1、2位の順位が入れ替わり、3位には「屋久島」がランクインしています。
近年、日本人からも注目を集める「軍艦島」の人気の高さには、2017年に公開された映画が大きく影響していることが予想できます。
春節の時期は日本の「温泉」に大注目
2018年1年間の平均検索数と、春節の月間平均検索数を比較し、50%以上増加しているのは「温泉観光地」が多いことが判明しました。なかでも大分県の「別府温泉」に関しては、台湾・香港・韓国すべてで検索数が増加しています。
特に韓国語での検索増加を見てみると、下呂温泉に対し156%、黒川温泉に対し217%など、非常に関心が高いことが伺えます。韓国の12月〜2月は非常に厳しい寒さのため、比較的近場で温泉文化が発達している日本国内の温泉で、心ゆくまで身体を温めて癒されたいと考える方が多いのかもしれませんね。
反対に、春節時期に雪が降らない台湾・香港は、北海道の「小樽運河」や、岐阜県の「白川郷」など、雪が積もる観光地への関心が高い傾向にありました。
3年前に比べ検索数が香港で4倍に増えた「小樽運河」
さらに春節期間に検索されている観光地を2015年と2018年で比べると、北海道の「小樽運河」が香港で4倍に増加していることが分かりました。
台湾でも3倍の増加が見られる北海道の「小樽運河」。自国の生活で触れる機会がない「雪」に触れるほかに、2016年に台湾で放映された小樽運河を舞台とした日本映画のロケ地めぐりを目的に訪れる人も多いようです。
韓国では九州地方の「温泉観光地」への関心が急増
春節の時期に厳しい寒さの韓国では、大分県の「由布院温泉」と熊本県の「黒川温泉」の検索数が増加していることが分かりました。
前述のように韓国の首都・ソウルからの距離の近さや、韓国と九州を結ぶLCCの新規就航や増便なども影響し、九州地方の「温泉観光地」への関心が急激に増えていることが予想できます。
日本最大級の花のテーマパークへの関心も急増
ここ3年間で関心が高まっている観光地のひとつに三重県「なばなの里」も挙げられます。「なばなの里」は、多くの観光客が利用する旅行予約サイト「トリップアドバイザー」が発表した「外国人に人気の観光スポット2017」に選出されたことにより、注目が集まったようです。
「なばなの里」は、日本最大級の花のテーマパークであり、春節の時期には美しいイルミネーションを点灯していることで、日本人にも人気が高いスポットです。
また観光情報サイトで「名古屋から近い」などと紹介され、大阪〜東京のゴールデンルートからのアクセスも良いため、立ち寄る人が増えたようですね。
台湾・香港の「雪」と、韓国の「温泉」のニーズの高まりから、訪日旅行では、自国で味わえない体験や文化に特に注目していることがわかりました。いつもと違う視点から、訪日観光客に人気の観光地を訪れてみると、日本の新たな魅力を発見できるかもしれませんよ。
source:PR TIMES
image by: TOYOKAZU.Y /Shutterstock.com(黒川温泉・湯あかり)
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