世界遺産がズラリ。人が造ったとは思えない謎多き世界の「石窟」6選
テクノロジーがまだ未発達の時代、人は人力だけでひたすら岩山を堀り「石窟」を造りました。この時代に見ても、これだけのものを一体どうやって…と、感嘆せずにはいられない素晴らしいものばかりです。
なかには、なぜ造られたか分かっていない、謎に包まれた石窟も少なくありません。そこで今回は世界の有名な石窟をご紹介していきます。
※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの海外渡航・入国情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
龍門石窟/中国
中国の河南省洛陽市にある世界遺産に登録されている「龍門石窟(りゅうもんせっくつ)」。ここは断崖絶壁に造られた約1kmにおよぶ石窟寺院で、2345もの石窟があるのが特徴です。
494年に建設が始まり、400年かけてなんと約10万体以上の仏像も。メインとなる「盧舎那仏」は約17.14mもあり、断崖の石窟に端正な顔で鎮座するその姿は、ひときわ人目を引きます。世界遺産にも認定されているスポットです。
ベゼクリク千仏洞/新疆ウイグル自治区
新疆ウイグル自治区トルファン市高昌区にある「ベゼクリク千仏洞」は、5世紀から14世紀にかけて造られた仏教石窟です。ただ、残念なことに時間とともに崩れ去ったり、壊されたり、盗掘にあったりと現存するものは少ないのが現状なのだそう。
壁画があることで有名で、もっとも知られているのが、ブッダ前世における「誓願」を描いた「誓願図」です。
この壁画を含む多くのものが戦争などで世界中に持ち去られており、今日ではサンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館、日本の東京国立博物館、ロンドンの大英博物館などで観ることができます。
アジャンター石窟群/インド
インドのマハラーシュートラ州北部にある、ワゴーラー川湾曲部の断崖を約550mもくりぬいた「アジャンター石窟群」も世界遺産のひとつ。
前期である紀元前1世紀から紀元後2世紀にかけて造られた石窟と、後期である5世紀後半から6世紀ごろに造られた石窟があります。
この世界遺産の最大の見どころは、後期に造られた「石窟寺院群」です。これらの寺院の壁には壁画が描かれており、ブッダの生涯や説話などの図が描かれています。
ペトラ/ヨルダン
ヨルダンの死海とアカバ湾の間にある渓谷にある世界遺産「ペトラ」は、およそ2000年以上も前に断崖を掘ってつくられた街。
新・世界七不思議に選出されたり、映画『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』の舞台になったりと、ヨルダン観光の目玉です。しかし、20世紀の初頭から発掘が進んでいますが、現在でも大部分が未発掘のままなのだとか。
現在、最も有名なのが「エル・カズネ」という宝物殿です。ここが先ほど紹介した映画の舞台になりました。
断崖を掘ってつくられたにもかかわらず非常に精密に造られて、遺跡のシンボルとなっています。しかし、なんのために造られたかはいまだにわかっていません。
カウノス遺跡/トルコ
トルコのダルヤンという街の近くにある「カウノス遺跡」は、川に面した断崖を掘ってつくられたお墓です。この一帯は、紀元前9世紀から4世ごろまで交易で栄えたカリア王国の古代都市カウノスでした。
この墓は、紀元前4世紀の建造とされていますが、どうしてこのような場所にお墓を造ったのかはわかっていません。盗掘を恐れた、天国に送るときの航海の安全を願ったなどの説があります。川に面しているためボートに乗っての鑑賞です。
ラリベラの岩窟教会群/エチオピア
エチオピアの都市ラリベラにある「ラリベラの岩窟教会群」は、世界遺産にも登録されている世界の石建築史に重要な位置を占める建築群です。
正確な時期はわかっていませんが、12世紀から13世紀にかけて建造されたと推測されています。11の聖堂と礼拝堂からなり、北部、西武、東部、その他の4つのグループに分かれているのが特徴。
北部には、世界最大級の岩窟聖堂である「マドハネ・アレム聖堂」、西部にはもっとも有名な「聖ゲオルギウス聖堂」、東部には王家の礼拝堂だった「エマヌエル聖堂」や監獄だった「メルクリオス聖堂」が。その他グループには「アシェタン・マリアムの修道院」などがあります。
自然というものはすごいもので、数千年たっても残っているものなのですね。とはいっても風化や浸食が進んでいるスポットもあり、特に世界遺産などは保存に力を入れています。
なかには一体なぜその場所に造られたかまだ分かっていない石窟も。今後、謎が解明されていくことに期待したいですね。
- image by:Bule Sky Studio/Shutterstock.com
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