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2年振りに「ハロウィン」復活!日常が戻りつつあるアメリカ現地のリアル

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2021/10/27

2021年10月10日、アメリカで新型コロナウイルス対策の第一人者として高名なアンソニー・ファウチ感染症研究所長が、CNNの看板番組『State of the Union』でインタビューに応じ、今年のハロウィンでは子どもたちが仮装をして近所を回ってキャンディーをもらう「トリック・オア・トリート」を行っても大丈夫だと国民に向かって太鼓判を押しました。

ファウチ氏はハロウィンが子どもたちのためにとても大切な年中行事だと述べ、「外に出かけて、ハロウィンを楽しんで」と呼びかけました。

※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウィルスの海外渡航・入国情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。

秋の風物詩としてのハロウィン

image by:Shutterstock.com

ハロウィンは10月31日。ファウチ氏の発言はその3週間も前に行われたわけですが、アメリカに住む多くの人々にとっては大変に嬉しいニュースとして受け取られました。ハロウィンとはそれくらい大きな意味を持つ国民的行事なのです。

日本ではハロウィンの夜に渋谷などの繁華街に若者が集まることがよくニュースに取り上げられますが、アメリカ国内のハロウィンには、そうした特別なスポットがあるわけではありません。

若者だけのイベントでもありません。子どもたちの学校はもちろんのこと、いい年をした大人までもが仮装をして職場にやってきます。

そして夕方になると、子どもたちが近所の家々を訪ね、「トリック・オア・トリート!」と叫んでキャンディーを集めて回ります。いわば、アメリカ中がお祭り騒ぎになる1日なのです。

私が長年住んでいる南カリフォルニアは年中温暖で季節感に乏しい土地柄なのですが、それでもハロウィンがやってくると秋だなあと感じます。

昨年は新型コロナウイルスの影響でこのハロウィンがほぼありませんでした。我が家にもキャンディーをもらいに来る子どもは1人もいませんでしたし、そもそも学校も職場も閉鎖されていたのですから、仮装をして出かける場所も少なかったでしょう。

そのハロウィンが2年振りに復活するということは、ひょっとしたらアメリカではコロナ禍から日常が戻ってきたことを何よりも印象づける記念碑的な出来事になるかもしれません。


「その日」に向け、1カ月かけて盛り上がっていく町の風景

image by:Shutterstock.com

例年10月に入ると、ハロウィンの準備がスタート。あちこちの衣料店が仮装のための衣装を売り始めますし、この時期だけ営業するハロウィン専門店までもが現れます。スーパーマーケットにはキャンディーの大袋が積み上げられた特設コーナーができます。

もうひとつのハロウィンの目玉がカボチャです。カボチャをくりぬいてお化けの顔を作る「ジャック・オー・ランタン」を玄関の前に置く家が増えていきます。

こうしたイベントものに凝る人はどこにでもいるもので、この「ジャック・オー・ランタン」を何個も並べるだけにとどまらず、家じゅうをお化け屋敷のように飾り付ける人もいるほど。

そういう家には本番の日にトリック・オア・トリートで訪れる子どもの数もぐっと多くなります。

image by:Shutterstock.com

「ジャック・オー・ランタン」用のカボチャは大きければ大きいほど良いというわけで、巨大なカボチャを野外の広場で並べて売る「パンプキン・パッチ」が各地でオープンします。

移動遊園地や動物園までもがやってくるところもあり、特に子どもがいる家庭では10月の週末にパンプキン・パッチを家族連れで訪れることが毎年の楽しみになります。

我が家でも子どもがよちよち歩きのころから毎年、ずっと同じ場所のパンプキン・パッチに連れて行きました。

最初のうちは夢中になって何度でも行きたがっていたのが、大きくなるにつれて段々と回数が減っていき、そのうちに行ってもすぐに帰りたがるようになり、そしてついに「今年は行かない」といい出すまで、毎年この時期にはしみじみと子どもの成長を感じたものです。

ハロウィン後に続くホリデー・シーズン

image by:Vineyard Perspective/Shutterstock.com

ハロウィンの飾り付けが取れると、11月後半には感謝祭(Thanksgiving)がやってきます。木曜日が祝日ですが、金曜日も休みにして、週末までの4連休にする学校や職場がほとんどです。丸々1週間休みになることも珍しくありません。

日本の正月やお盆のように、普段は遠くに住んでいる家族や親せきが集まることが多いようです。多くの店が閉まりますので、アメリカで一番町が静かになる日かもしれません。

感謝祭が終わって12月になると、クリスマスはもうすぐです。パンプキン・パッチが行われていた広場の多くは、クリスマス・ツリーの売り場にそのままシフトします。買ったばかりの生クリスマス・ツリーを屋根に乗せて家まで運ぶ車を町でよく見かけるようになります。

なお、最近では非キリスト教徒への配慮から「メリー・クリスマス」の代わりに「ハッピー・ホリデー」という言葉がよく使われるようになりました。クリスマスとほぼ同じ時期にユダヤ教徒は「ハヌカー」と呼ばれる年中行事を行います。

ハロウィンから始まって正月までの11~12月はこのように大きな年中行事が続き、アメリカ国内ではホリデー・シーズンと呼ばれます。日本のゴールデンウイークや夏休みと異なり、気候的にはお世辞にも良い季節とは言い難いのですが、それでも人々の気分は楽しい休日モードに切り替わっていきます。

この時期は休む人が多いし、職場に来ても浮かれているから、ぜんぜん仕事にならないよ、というボヤキをアメリカに駐在する日本人ビジネスマンからよく聞いたものです。今年のホリデー・シーズンは果たしてそんな「ノーマル」がアメリカ社会に戻ってくるでしょうか。

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角谷剛(かくたに・ごう) アメリカ・カリフォルニア在住。IT関連の会社員生活を25年送った後、趣味のスポーツがこうじてコーチ業に転身。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持つほか、現在はカリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー部監督を務める。また、カリフォルニア州コンコルディア大学にて、コーチング及びスポーツ経営学の修士を取得している。著書に『大谷翔平を語らないで語る2018年のメジャーリーグ Kindle版』、『大人の部活―クロスフィットにはまる日々』(デザインエッグ社)がある。

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