【宇治市】摩訶不思議な“宇治茶が出る蛇口”がある小学校を訪れてみた!

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2022/06/11

宇治市のお茶は、「日本三大銘茶」のひとつとして知られています。そんな特産品を生産している宇治市では、蛇口からお茶が出る学校があるのだとか……!ということで、宇治市立小倉小学校に取材をしてきました!お茶のまち・宇治市ならではの教育にも注目です。

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宇治市ならでは!お茶でつながる憩いの場

蛇口からお茶が出るってどういうこと?

JR小倉駅から徒歩8分のところにある宇治市立小倉小学校では、全校児童629人が在籍しています。お昼休みの時間に取材に伺ったので、校内はとってもにぎやかでした。

では早速、蛇口からお茶が出るという「お茶飲み場」を見に行きましょう!先生に案内していただき、校舎1階のとある一角へ。一見普通の手洗い場のように見えますが……。

入り口にはしっかり「お茶飲み場」の札がかかっていますね。そして、奥にある白い管から伸びている蛇口が、お茶の蛇口です。

写真左側にお茶用のタンクがあり、30~40リットルくらいのお茶が入っています。しかも、児童がお茶を飲んだ分、水が足される仕組みなので、空になってしまう心配はありません。

少しすると、休み時間にお茶を飲みに来た児童を発見!慣れた様子でマイコップにお茶を注ぎます。ちなみに、お茶は衛生を保つためにかなり高温に設定されています。なので、児童の中にはお水で割って少し冷ましてから飲む子もいるのだそう。

「蛇口からお茶」は宇治では常識!?

お茶が出る蛇口があるのはこの小学校だけではありません。宇治市では現在、全22校ある小学校のうち20校に蛇口からお茶が出る「お茶飲み場」が設置されています。かつては中学校にも設置していたそうなのですが、現在はないとのこと。

元々、昭和30年代に、蛇口が複数付いた桶のようなものにお茶を入れて飲んでいた学校があったのだそう。そして、学校からの要望で昭和47年ごろに菟道第二小学校にお茶湯沸かし機が設置されたのが始まりでした。

以降の卒業生の方々にとっては、子どもの時から蛇口からお茶が出るのが当たり前だったのですね。違う地域で育った人に話すとびっくりされるので、その時に「蛇口からお茶が出ることは特別」と気づくこともあるそうです。


小倉小学校では、6種類の茶葉(青柳茶、煎茶、玄米茶、雁が音、あさひ、玉露)を定期的に替えていて、お茶飲み場には「今月のお茶」で名前や特徴を知ることができます。取材時のお茶は「青柳茶」でした。

青柳茶は、比較的大きくて固めの茶葉で、緑色の柳葉状をしているのが特徴。実際に飲ませてもらいましたが、クセがなくすっきりとした味わいで、カフェインが少ないので子どもでも飲みやすそうでしたよ。

お茶は毎日、用務員さんが準備してくださっています。写真の器に擦り切り一杯の茶葉をお茶パックに入れて、お茶飲み場の奥にあるタンクに入れる、と作り方はいたってシンプル。お茶の箱を開けると瑞々しい茶葉の香りが広がり、一気に心が和みます~。

「この茶葉の香りをお届けできればな~!」という先生のお言葉に思わずうなずいてしまいました!

実は、用意されるお茶の種類は小学校によってさまざま。中には1種類だけ、という小学校もあります。小倉小学校では近隣のお茶屋さんから茶葉を提供してもらっているので、さまざまな種類のお茶を用意することができるのだそう。

小倉小学校では、茶葉は現在6種類ありますが、さすがに玉露は高級すぎて滅多に出ないとのこと。とはいえ、子どもたちは毎日たくさん、美味しくお茶を飲んでいるそうです。

学校にお茶が出る蛇口があるワケ

取材中に続々とお茶を飲みに来る児童たち

そもそも、なぜ蛇口からお茶を?と不思議に思いますが、大きな理由は2つ。

1つは児童の水分補給の補完的役割。先述したように、家から持ってきた水筒に、お茶がなくなったら足してもらうために設置しています。

たしかに、水分補給は季節問わず大切ですものね。筆者は500mlのペットボトルに入ったお茶をちびちびと節約しながら飲んでいました……。もしあの時、お茶飲み場が学校にあったら頻繁に利用していたと思います!

もう一つは、宇治市民としての愛郷心の醸成。せっかく「お茶のまち」宇治市に住んでいるんですものね。自分たちが住む街の特産品であるお茶について触れる機会があるのはうらやましいです~。

また、お茶飲み場は子どもたちにとってコミュニケーションの場にもなっています。お茶飲み場は校内に1カ所しかなく全学年が集まるため、学年を超えて交流しているのだそう。

校長先生も「お茶を飲みながらゆっくり話そうか」と子どもの話を聞くときにお茶飲み場に誘うことも。心を落ち着かせたり、会話のきっかけになったり、お茶が生み出す効果は計り知れません。

お茶を飲むだけではない宇治市の地域教育

安田校長先生も制作に参加した宇治学の副読本

また、宇治市では地域の特性に基づいた教育「宇治学」が、小学3年生から中学3年生までの授業に組み込まれています。

特に、小学3年生では「宇治茶のステキをつたえよう」をテーマに、宇治茶の種類や淹れ方、お茶ができるまでなど、さまざまな角度から宇治茶について学びます。小学生用に作られているものの、内容は濃く、ついつい見入ってしまいます…!

現在、宇治市の子どもたちにとっては、蛇口からお茶が出ることや、良質なお茶が身近にあることが当たり前になっていますが、「大人になってから宇治市のお茶が“特別”であると感じてもらえたら」と校長先生。

ひねればお茶が出る不思議な蛇口は、宇治市が誇るお茶の魅力を子どもたちに伝える大切な役割をしていたんですね。

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■■取材協力■■

宇治市教育委員会
宇治市立小倉小学校

  • source:KYOTO SIDE
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