見上げるとそこには…国の重要文化財「東京駅丸の内駅舎」の見どころとは?

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2023/11/01

全国から人の集まる東京駅は、いつも活気にあふれています。乗り換え地点として利用されることが多い東京駅は、ゆっくりもできずに通り過ぎてしまいがち。ですが実は東京駅には見逃せないスポットがあります。

それは、東京駅丸の内駅舎の「天井ドーム」!

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ふと足を止めて天井を見上げた時に気がつく、美しい仕掛けが天井に施されているのです。今回は見逃しがちな東京駅・丸の内駅舎の見どころに迫ってみましょう。

2012年に復原された「東京駅丸の内駅舎」

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赤レンガの美しい、レトロな佇まいの東京駅丸の内駅舎。近代的な高層ビルが立ち並ぶ東京駅周辺で、独特な存在感を放っています。

1914年に竣工した駅舎を設計したのは、近代建築の父と呼ばれる辰野金吾(たつの きんご)氏

東京駅の他にも日本銀行本店や大阪市中央公会堂などをデザインしたことでも知られる辰野氏は、工部大学校(現・東京大学工学部)の第1期生として建築を学び、大正時代にヨーロッパ留学も果たした異例の人物でした。

東京駅の赤煉瓦に白い花崗岩を配した建築を「辰野式」、彼が生み出した日本独自の近代建築は「辰野式ルネサンス」と呼ばれ、アジアの国々にも、この辰野式の流れを汲む建築物が残されています。

国立台湾文学館 image by:Shutterstock.com

今も各国に残されている辰野式の建物は、辰野氏の弟子であったり、彼に影響を受けた日本人建築家によるものがほとんどですが、台湾や韓国では今も現役で利用されている施設があります。

国立台湾大学病院 image by:Kit LeongShutterstock.com

丸の内駅舎を見慣れているだけあって、どこか懐かしい感じがしますよね。


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1945年の空襲で被害を受けた丸の内駅舎は、終戦直後から修復計画を立案し、1947年にかけて修復工事が行われました。

多くの人を見送りながら歴史を見つめてきた東京駅丸の内駅舎は、2003年に国の重要文化財に指定され、2012年に開業当時の姿に復原されました。

東京駅丸の内駅舎の見どころ

東京駅丸の内駅舎は観光スポットとしても人気が高く、記念撮影をしている人を多く見かけます。丸の内駅舎の見どころをご紹介しましょう。

まず、東京駅はとても広いので、出口を間違えてしまうとなかなか駅舎まで辿り着けません。

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せっかく東京駅を訪れたのに、美しい駅舎を見られないなんてもったいない!駅舎へ向かうには「丸の内北口改札」へ進まなければ注意してくださいね。銀座方面へ向かう八重洲口とは反対側の出口です。

丸の内駅舎の前には丸の内駅前広場が広がります。そしてその先には行幸通りが続き、皇居へと繋がります。

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丸の内駅舎の中央部分、左右に日本国旗がはためく場所は皇室専用貴賓出入口として、御車寄せに利用されます。普段は門が閉ざされ、通り抜けることはできません。

1,200平方メートルの広さをもつ丸の内駅前広場には樹木が植えられ、多くのベンチが設けられているので、観光中のひと休みにもぴったり。

駅舎内側は優美で優しい雰囲気ですが、外から見る駅舎は威風堂々という言葉がよく似合います。夜になるとオレンジの暖かな光に包まれとても幻想的な雰囲気に。

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駅舎の目の前にある東京駅の石碑は、写真スポットとしても人気を集めています。特に海外からの観光客の方がよく写真撮影を楽しまれていますね。

この立派な石碑は、実はかつて東京都中央区にかかっていた八重洲橋を支えていた石の一部なんだとか。

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全長335mと世界最大級の長さを持つ駅舎には、北と南に2つの大きなドーム屋根がそびえます。

外側から眺めるふたつのドームもとても美しいのですが、ぜひドームの内側、特に「天井」に注目してください。

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ドーム型の天井は美しいレリーフで彩られ、まるでヨーロッパの教会のよう。優しく光が差し込む天井は駅の中にあるものとは思えない優美さをまとっています。

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八角形のパターン模様に飾られた天井の四隅には、干支をモチーフにしたレリーフが飾られています。これは方角を示しているのだとか。クリーム色を基調とした壁の中、緑色の丸の飾りの中に干支のレリーフがあるのでお見逃しなく。

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美しい天井を眺めたら、ぜひ足元の美しい模様にも注目してください。この大理石の模様は、戦後につくられた2代目のドームの天井をデザイン化したものだそうです。

復原の際に、以前の形を完全になくしてしまうのではなく、二代目の建築物にも敬意を表して残すことに決めたのです。歴史あるものを未来へと繋いでいくなんて素敵ですよね。

美しい玄関口!東京丸の内駅舎を楽しもう

今回は見落としてしまいがちな東京駅丸の内駅舎の魅力をご紹介しました。開業当時のデザイン復原し、新しいものと掛け合わせた東京駅は通り過ぎてしまうだけではもったいない名所です。東京を訪れた際にはぜひ、丸の内駅舎へも足を運んでみてくださいね。

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元々インドア派だったはずが『恋する惑星』でウォン・カーウァイにハマり、初めての一人旅は上海へ。カメラ片手にどこへでも行くアクティブ旅女子になりました。現在は大学院に通いつつフリーライターとして、旅・アート・美容・ファッションをメインに活動しています。

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