全長10mを超える巨大アート作品も。「テオ・ヤンセン展」千葉初開催

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2023/10/25

「芸術の秋」という言葉の通り、秋には全国各地で芸術の催しが行われます。なかでも、千葉県で行われる芸術イベントは、その斬新な展示内容から大きな注目を集めています。

明治6年に誕生した千葉県は、今年が誕生150年の節目の年。周年記念イベントとして、千葉県と繋がりの深いオランダ出身の世界的アーティスト、テオ・ヤンセンの展覧会「テオ・ヤンセン展」が開催されることになりました。

ヤンセンの作品は、まるで生きているかのように動く巨大アートが特徴で、YouTube公式チャンネルでは、作品が海辺を歩く様子が公開されています。

今回は、「現代のレオナルド・ダ・ヴィンチ」と称されるテオ・ヤンセンの作品と、展覧会の詳細についてご紹介していきます。

身近な素材が巨大ビーストに!?不思議が詰まったテオ・ヤンセンの世界

image by:PR TIMES

千葉県とオランダは、かつて佐倉藩※1により蘭学※2が奨励されるなど、古くから交流があったことで知られています(※1現在の千葉県佐倉市周辺、※2江戸時代にオランダ語を通じて、西洋の文化・学術を研究した学問)。

オランダのホストタウンとして千葉県が登録されていたり、東京2020オリンピック・パラリンピックでもオランダ選手団の事前キャンプが行われたりと、繋がりの深い国です。

そんなオランダで1948年に生まれたのが、アーティストのテオ・ヤンセン

リゾート地として知られるハーグのスフェベニンゲン出身で、デルフト工科大学では物理学を専攻。画家に転向したのち、今回の大きな目玉となる作品「ストランドビースト(strand beest)」の制作を始めました。

image by:PR TIMES

芸術家、発明家、科学者など多彩なジャンルで卓越した才能を発揮し、「現代のレオナルド・ダ・ヴィンチ」と絶賛されるようになったテオ・ヤンセン。


「ストランドビースト」は、オランダ語で「砂浜の生命体」を意味し、プラスチックチューブや粘着テープなどの生活に身近な素材が使われています。

発想の源となったのは、テオ・ヤンセンの故郷・オランダが直面している「海面上昇問題」。気候変動によるオランダの風土を損なう問題への意識から誕生しました。

10体以上の展示作品には、全長10mを超える大作も

ストランドビーストを生み出す道具 image by:PR TIMES

「ストランドビースト」は、物理学による計算に基づいて作り上げられていることから、風の力で砂浜の上を歩くことができるのが特徴。今回の展示では、全長10mを超える作品を含む10体以上のビーストが展示されます。

自筆のスケッチ image by:PR TIMES

本展では完成体のみならず、オランダ・スフェベニンゲンの砂浜を疾駆するビーストの映像や自筆のアイデアスケッチ、パーツとなるチューブや制作の道具、試作段階の模型など、テオ・ヤンセンとストランドビーストの全貌を余すところなく公開しています。

【千葉県立美術館】展示予定作品

千葉県立美術館にて展示が予定されている作品を紹介していきます。

「アニマリス・アデュラリ」image by:PR TIMES

自由自在に動く「尾」を持ち、チューブからできているとは思えない柔らかな動きを見せるのが「アニマリス・アデュラリ」。

「アニマリス・リジデ・プロペランス」image by:PR TIMES

風力によって行われる素早い横歩きが特徴の「アニマリス・リジデ・プロペランス」。

「アニマリス・ウミナミ」image by:PR TIMES

アニマリス・ウミナミ」は、三重県で開催された展覧会で公募によって命名されました。帆が風を受けると、風力によって動きます。

「アニマリス・オムニア・セグンダ」image by:PR TIMES

アニマリス・オムニア・セグンダ」の”オムニア”は、ラテン語で”すべて”を意味します。歩行や方向転換だけでなく、水を感知することもできるのが特徴。

「アニマリス・ペルシピエーレ・プリムス」image by:PR TIMES

「知覚する(ペルシピエーレ)」と命名された、水を感知して方向を変える「アニマリス・ペルシピエーレ・プリムス」

「アニマリス・ペルシピエーレ・エクセルサス」image by:PR TIMES

「背が高い(エクセルサス)」と名付けられた、旗がポイントの「アニマリス・ペルシピエーレ・エクセルサス」。

「アニマリス・スクイーラ」image by:PR TIMES

さらには、スキーを滑っているかのような動きを見せる「アニマリス・スクイーラ」や、浪打つような構造が特徴的なキャタピラ型の「アニマリス・オルディス」など10作品以上が並びます。

「アニマリス・ムルス」image by:PR TIMES

日本初の一般参加イベント「ストランドビーストin千葉みなと」

2023年12月3日(日)には、日本初の一般参加イベントの開催が決定。

千葉ポートパークの海岸沿いにて、ストランドビースト「アニマリス・オルディス」が歩行する隣を一般参加者も歩くことができる貴重なイベントです。千葉の海を背景に、まるで生き物のように動くストランドビーストの迫力を感じられます。

「アニマリス・オルディス」image by:PR TIMES

会期中は、会場内でストランドビーストが動く姿を見ることができる「リ・アニメーション」を毎日開催。

さらに、12月24日(日)と、2024年1月7日(日)には、ミニチュア模型にうちわで風を送り速さを競う「ミニビースト競走」を開催予定。

自分で組み立てることができるミニチュア模型「ミニビースト」の販売、千葉大学教育学部・小橋研究室との連携ワークショップなど、楽しめる内容が盛りだくさんとなっています。

ミニビースト image by:PR TIMES

「千葉の皆さんに私の作品を見ていただけることをとても嬉しく思います。千葉とオランダは美しい海がある点などで似ているところがあります。ビーストもきっと家にいるように居心地よく感じていると思います。ぜひ展覧会を楽しんでください」とメッセージを寄せているテオ・ヤンセン。

不思議で魅力的なアートの世界で「芸術の秋」をたっぷりと感じてみてはいかがでしょうか。

image by:PR TIMES
  • 千葉県立美術館
  • 千葉県千葉市中央区中央港1-10-1
  • 043-242-8311
  • JR京葉線または千葉都市モノレールで千葉みなと駅下車。徒歩約10分
  • 一般1,000円/高校・大学生500円 ※中学生以下・65歳以上・障害者手帳等をお持ちの方とその介護者1人無料 ※11月3日(金・祝)文化の日は全来場者無料
  • 開催日:2023年10月27日(金)~2024年1月21日(日)/休館日:月曜(月曜が祝日の場合は翌平日)/年末年始(12月28日~1月4日)
  • 9:00~16:30(入場は16:00まで)
  • 千葉県立美術館公式ホームページ
  • 千葉県誕生150周年記念ホームページ
  • source:PR TIMES
  • ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。
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美容師・ヘアメイクを経て映画業界に転身。フリーの記者カメラマンとして国内外のレッドカーペット取材や俳優インタビューを行いながら、来日イベントの企画運営・PR、記者会見や舞台挨拶のMCなど洋画をメインに活動。現在は育児のため仕事をセーブし、ライターとして幅広いジャンルの記事を執筆中。

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