これ、全員でヤるの…?日本の会社に就職した外国人がとまどったこと
「サービス残業」が当たり前
続いては、よく話題になる「残業」について。
「働き方改革」で残業に関する罰則が厳しくなったことから、以前よりは残業に対するルールが徹底されるようになった企業が多いものの、罰則が設けられる以前から日本で働いていた外国人は、かなり戸惑ったようです。
「サービス残業が毎日のようにあって、もはやそれが普通になってしまっていた」(韓国出身・男性/飲食業)
「終業時間で普通に帰ろうとしたが、先輩がまだ会社に残っていたら先に帰れないと知って驚愕だった…」(アメリカ ニューヨーク出身・男性/教育関係)
「毎日仕事終わった後日報を書くのですが、はじめは日本語がうまく使えずに残業して書いてました」(ベトナム出身・男性/警備業)
「飲み会に付き合い、上司にこびへつらうことがめんどくさいです。これも立派なサービス残業だと思う」(アメリカ出身・男性/IT業)
飲食業界に勤める台湾出身の男性は、「遅刻にはかなり厳しいのに、残業に関しては緩いってどういうこと…」と頭を抱えてしまったそう。
逆に「時間を守るために10分前行動が当たり前になった」とも教えてくれましたが、問題は解決されてないんですよね…。
朝は「無給」の清掃時間
最後は「始業前の清掃」について。
ついつい就業時間を過ぎてからの残業時間に注目が集まりがちですが、始業時間前の時間も無給でやらなくてはいけないことがあります。
「毎朝5分間だけ自分のデスクを掃除する時間があるんだけど、学校みたいで笑っちゃった。はじめはこの時間に時給発生しないの?と思ってたけど、今は5分くらいいいかという気持ち」(オーストラリア出身・男性/自動車部品メーカー)
「就業時間前に5分清掃の時間がある。5分くらい就業時間に含んでよと思う」(マレーシア出身・女性/事務)
5分ならまだしも、飲食店い勤める台湾出身の男性はなんと、”1時間前”出社が当たり前なのだそう。
「就業開始時間の1時間前には出社して掃除を毎日しないといけない。これってブラック企業なのかな…」
自主的な行動ではなく、会社の指揮命令のもと行われているのであれば、給与の支払いが必要と考えて妥当です。
多くの人は会社の悪い習慣に慣れてしまうと違和感を感じなくなってしまうので、「あれ?」と思えるうちに周りの人に相談してみてもいいかもしれません。みんな意外と同じ気持ちかもしれませんよ。
業種ならではの悩みも尽きない
日本の商社に勤める台湾出身の女性も、勤務先の体制に疑問を感じているそうです。
「激務すぎていまだに土曜出勤があります。しっかり8時間勤務。社長と役員は出社しなくていいのに、社員は出社しなくてはいけません」
これだけ聞くと働き方に問題があるような気もしますが、代休は取れているのでしょうか…。
そのほか、会社の体制への不満としては、以下のような内容が挙げられました。
「臨機応変と言いながら、朝三暮四なルール変更が頻繁に行われている。マニュアルをガチガチに作るのは日本企業ならではだと思う」(マレーシア出身・女性/営業職)
「衣類の生産業に従事していましたが、一人ひとりの作業スピードによって生産数に違いがあるのに、みんな給料が一緒だった」(中国出身・女性/生産業)
「会社から現場までの距離が遠い事が多々あり、現場の作業時間は8時なのに6時くらいに出社しないといけないこともある。交通費は出ても通勤時間の時給は出ないから損してる気分になる」(ベトナム出身・男性/建設業)
今回は、日本で働く外国人の方々に、「日本企業ならではの変なルールや文化」について伺いました。
なかには、わたしたち日本人からみても「そうそう!」と頷いてしまう課題点もあったのではないでしょうか。とはいえ、会社の伝統的な文化や習慣がすぐに変わることはありません。
同じ職場に勤めるもの同士、国籍に限らず意見を出し合いながら、働き方を改善していけたらいいですね。
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