本屋なのにまるで美術館。新店「京都 蔦屋書店」は想像を上回るスゴさだった
京都生まれのフード&ドリンクも楽しめる
「京都 蔦屋書店」には「SHARE LOUNGE」(シェアラウンジ/有料)もあります。
シェアオフィスの機能性とラウンジの居心地のよさを併せ持つ「シェアラウンジ」。「発想が生まれ、シェアする場所」を指標とし、国内の蔦屋書店では「TSUTAYA BOOKSTORE 渋谷スクランブルスクエア」を皮切りに25店舗目、近畿では3店舗目となります。
京都初出店となるシェアラウンジは、集中して作業ができる1人席や、ミーティングや女子会などの集会に使える個室、買い物や仕事の合間にくつろげるカフェ席などさまざまなシートが120席もあります。
ラウンジ内にはコンシェルジュが選書した、インスピレーションを与えてくれる豊富な書籍や雑誌の貴重なバックナンバーなど約1,000冊が用意されています。
アートウォールでは幅広いアーティストの作品を掲示しており、アートと書籍に囲まれた空間となっています。さらに窓は祇園祭の山鉾巡業の通り道「四条通」に面しており、特等席と言えるでしょう。
祇園祭といえば、京都ならではの趣向も。それがフードとドリンク。
京都創業の「小川珈琲」のコーヒーや、京都生まれのベーカリー「進々堂」のパンを提供するほか、ポップアップとして京都の和・洋菓子も期間ごとに展開しているのです。
スイーツでほっこり、観光や旅の疲れも癒されます。
ここでしか手に入らない貴重な工芸品も
おや、陳列棚にキラリと輝く商品がありました。これは?
林さん「こちらは今、静かに流行しているガラスペンです。京都の夕暮れをテーマに作られた当店の限定商品となっています」
ガラスペンとは、ペン先をインクに浸して書く日本発祥の筆記具。見た目の美しさと、なめらかな書き味が特徴です。そんなガラスペンを「Glass Studio TooS」「HASE硝子工房」「川西硝子」の作家3名に制作を依頼したのだそうです。
林さん「京都は、ものづくりが根付いている街です。文具、工芸品も、かなり坪数を取って大きく展開しています。日常使いできる手仕事の品物をアートと同じ空間で味わっていただきたいなと思ってます」
妖怪までお出迎えしてくれる
さらに、「京都 蔦屋書店」にはオリジナルグッズのキャラクターがいるのです。それが“本の付喪神”(つくもがみ)。
付喪神とは、長い年月を経た道具に宿る精霊のこと。妖怪たちが行列をする百鬼夜行(ひゃっきやぎょう)絵巻に描かれたこの付喪神をユーモラスにあしらい、お菓子や入浴剤など、お土産にもふさわしいオリジナルグッズを展開しているのです。
林さん「京都には妖怪にまつわる伝説もたくさんあります。”本の妖怪がいたら面白いんじゃないか”というひらめきから、キャラクターアイテムへと発展しました。京都のお茶や羊羹などとコラボレーションさせていただいています。ここでしか買えない限定商品ですので、京都を感じられるお土産として喜ばれているんですよ」
ぐるりと案内しました「京都 蔦屋書店」。
ふらりと立ち寄って現代アートに触れるもよし、じっくり腰を据えて作品と向き合うもよし。多様な楽しみ方ができる、まさに新名所の誕生だと筆者は感じました。
林さん「京都は1,200年もの永い歴史があります。そして伝統を受け継ぎながらも、その時代その時代の新しいもの、最先端なものを取り入れたからこそ、日本だけではなく世界からも注目される都市になっているのだと思うんです。京都 蔦屋書店も、現代アートと伝統文化、それぞれの価値を高め合うような場を作りたいなと考えています」
文化庁が移転し、アートとカルチャーを鑑賞できる機会がさらに増す京都。この冬、感性を磨く旅をしてみませんか。
- 京都 蔦屋書店
- 京都府京都市下京区四条通寺町東入二丁目御旅町35 京都高島屋S.C〔T8〕5・6階
- 075-606-4525
- 京都河原町駅
- 料金
- 定休日:不定休
- 10:00~20:00(アートスペースは11:00~/SHARE LOUNGEは8:00~22:00)
- ホームページ
- 取材協力: 京都 蔦屋書店
- 注釈1: 京都高島屋の「高」は、正しくは「はしごだか」です。
- 注釈2: 高橋英一氏の「高」は、正しくは「はしごだか」です。
- image by: 吉村智樹
- ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。