ノスタルジックな旅路へ…時代を超えた美しい「レトロ駅舎」7選

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2024/05/18

JR釧路本線「川湯温泉駅」/北海道

真っ赤な三角屋根がかわいい「川湯温泉駅」 image by:小林繭

たまにはローカル線でまわる北海道の旅もいいものです。釧路と網走を結ぶJR釧網本線、川上郡弟子屈町にある「川湯温泉駅」は川湯温泉への玄関口となる駅。

ひょっこりと現れる赤い三角屋根が目印の、なんともかわいらしい木造駅舎がとってもレトロ!赤い屋根は雪の中でも、夏の緑の中でも目立つので、車で通ってもあれ?と目が留まります。

駅の中に足湯!?image by:小林繭

かわいらしさに惹かれて中を覗くと、なんと足湯がありました。北海道で、本数の少ない列車の旅には待ち時間がつきものですが、これなら冬でも寒い思いをせず待ち時間も楽しめますね。

駅舎の左側に店を構えるレストラン「オーチャードグラス」image by:photoAC

また、この川湯温泉駅には、その昔貴賓室として使われていた空間(昭和天皇が休憩されたとか)が、現在はレストラン「オーチャードグラス」として営業。電車を待つ間、あたたかな食事や飲み物をいただくこともできます。

現在は無人駅ですが、なんとも古き良き時代にタイムスリップしたような時間が過ごせます。駅頭には、「摩周湖の伏流水」という清水が湧き出で、北海道の大地の豊かさをじんわりと感じることができるのではないでしょうか。

  • JR釧路本線「川湯温泉駅」
  • 北海道弟子屈町川湯駅前2丁目2-3
  • 015-483-2670(川湯観光案内所)
  • 足湯料金:無料
  • 定休日:なし
  • 足湯営業時間:始発列車から最終列車まで
  • 弟子屈なびホームページ

JR小浜線「青郷駅」/福井県

キャンプ場のロッジですか?と見まごう「青郷駅」 image by:Fwnb, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

駅を降りたらそこがロッジのようでビックリ、という体験ができるのがJR小浜線の「青郷駅」。小浜線は、福井県敦賀市の敦賀駅から京都府舞鶴市の東舞鶴駅を結ぶ鉄道で、青郷駅の開業は1940年。2003年に現在のログハウス風のデザインに改築されました。

長く続く一本の線路 image by:小林繭

ホームは一面一線という造りで、辿り着いたホームから階段を降りて駅舎へ続くデザインといい、すべてにおいて珍しいこと尽くし。この駅に降り立ちホームを走りすぎる列車を眺めていると、とても遠いところまでやって来たんだな、という気持ちになります。

ホーム側から眺める駅舎。午後遅い太陽の光を受けて輝く山が印象的  image by:小林繭

青郷駅は青葉山の登山の出発点となり、駅舎を挟んですぐ向かいに差し迫るように山が立ちはだかる景色もまた風情があっていい感じ。駅舎のデザインと背景がばっちり馴染む、唯一無二の山小屋風駅舎と言えるのではないでしょうか。

  • JR小浜線「青郷駅」
  • 福井県大飯郡高浜町青第1号4番地の4
  • 定休日:水曜/年末年始
  • 営業時間(きっぷうりば):8:30~17:30 ※営業時間は変更となる場合がございます。
  • JRおでかけネットホームページ

江ノ電「極楽寺駅」/神奈川県

新緑に囲まれた「極楽寺駅」 image by:小林繭

鎌倉と江ノ島を結ぶ江ノ電の駅はどこも可愛らしいのですが、異空間を感じる駅としては「極楽寺駅」をNO.1にあげたいと思います。何より“極楽寺”というその駅名が素晴らしいではないですか。


緑と赤が映える!image by:oasis2me/Shutterstock.com

こんもりと緑に包まれた駅舎と、「極楽寺駅」の文字。駅前にある真っ赤な丸いポストがアクセントとなったその風景は、なんとも言えない懐かしさにあふれます。

駅員さんが立つ改札口の風景も懐かしいものに image by:小林繭

鎌倉や江ノ島の喧騒とはまったく無縁、海を眺める鎌倉高校前駅とも異なる静かな時間がここには流れています。2019年にリニューアル工事があり残念ながら旧駅舎は現役を退きましたが、モニュメントとして当時のままそっと置かれています。

初夏には紫陽花が咲き誇る「成就院」へ image by:oasis2me/Shutterstock.com

初夏には紫陽花の名所として賑わう成就院への最寄り駅でもあるので、鎌倉散策の際にはぜひ足を伸ばしてみて。都内から1時間でたどり着ける電車の旅です。


小湊鉄道「上総鶴舞駅」/千葉県

小湊鉄道「上総鶴舞駅」image by:K.O.Photography/Shutterstock.com

千葉県市原市の五井駅から夷隅郡大多喜町の上総中野駅までを結ぶ小湊鉄道は、鉄道ファンでなくともその名をよく知られたローカル線。大正時代から続く歴史あるこの鉄道には、今でも当時の空気を纏ったレトロな駅が点在します。

中でもフォトジェニック!と名高いのが「上総鶴舞駅」。現在は無人駅ですが、構内にはかつて切符を販売していた出札口がそのまま残り、ホームにはちょっと雨風にくたびれた体の木製のベンチが並びます。

image by:photoAC

国の有形文化財にも登録される白く塗られたレトロな板壁の駅舎は、ガラス窓の待合室の風情も素晴らしく、その佇まいは里山の風景にストンとよく馴染みます。

image by:K.O.Photography/Shutterstock.com

今にも羽織を羽織ったご婦人と和装に帽子姿の紳士がホームに降り立ちそうな雰囲気で、不思議なスロータイムが流れる場所、と言えるかもしれません。

ベンチに座ってスローに流れる時間を過ごしたい image by:photoAC

TVや雑誌の撮影でもよく使われるので、景色に見覚えのある人も多いはず。東京のお隣、千葉にこんなスローな時間が過ごせる場所があるなんて、新発見でもありますね。

旅の途中に、ちょっとだけ足を伸ばして時間が止まったようなフォトジェニックな駅舎を訪ねると、きっと記憶に残る風景と出会うはず。

ドライブで立ち寄るのももちろんありだけれど、ゴトンゴトンと列車に揺られて出かけていく旅もいつもと趣向が変わって楽しそう。懐かしい風景を探してレトロな駅舎を訪ねに出かけてみませんか?

  • image by:K.O.Photography/Shutterstock.com
  • ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。
  • 初出時に嘉例川駅をJR薩摩線と誤って記述しておりました。正しくは「JR肥薩線」です。訂正してお詫び申し上げます。ご指摘ありがとうございました。(2024/05/20,05/28)
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東京生まれ、湘南生息中のフリー編集ライター。インテリア、旅モノ、湘南情報を中心にお仕事しています。All About沖縄ガイド。目下、踊れる編集ライター目指し趣味のフラメンコに取り組む日々。趣味は温泉。

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